対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

100429の歴史的背景

2017-11-29 | 楕円幻想
『世界の見方の転換』1を読んだのは、今年になって楕円軌道とエカントの関係に着目してからである。プトレマイオスの等化円(「離心率の二等分」)が楕円発見の「合理的核心」という位置づけは読む前からすでに考えていた。第1章7離心円・等化点モデルの精度、に3つの図が示してあった(注)。
1プトレマイオスの等化点をともなう離心円・周転円モデル、外惑星の場合
2太陽中心系で見た離心円・等化点モデル
3ケプラー運動
である。
ここには漠然と思い描いていた等化円(「離心率の二等分」)の「合理的核心」の関係がすでに明確に図示してあるように思われた。これを引用するだけでよい、わたしの出番はないと思っていた。
しかし、付記の「金星軌道のパラメータの決定」を『アルマゲスト』第10巻第3章と対照させて読んでから、違うアプローチがあるのではないかと思えてきた。山本義隆の説明は「離心率の二等分」に偏重していて、等化円が隠れているように思われたのである(「等化点Eの問題点」参照)。山本義隆とは別の観点から「合理的核心」の図を提起しようと思った。楕円発見の補助線と補助円である。
等化円(「離心率の二等分」)の「合理的核心」の図は次のようになった(「等化円の導入と楕円の発見」参照)。

これは「100429の数学的背景」と対比していえば、「100429の歴史的背景」である。

(注)
1プトレマイオス
2太陽中心系
3ケプラー