対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

数三角形の細胞C

2018-10-22 | パスカルの三角形
数学でnCrといえば、n個の異なるものからr個とる組合せの数である。Cはcombination(組合せ)のイニシャルである。また、nCrはn次の二項展開式におけるr次の項の係数である。この場合のCはcoefficient(係数)だろう。
この2つのCはパスカルの数三角形と密接に関係している。ここで、パスカルの数三角形における細胞の位置と数を示す表記として、もうひとつnCrを考えてみよう。この場合のCは細胞(cell)のCである。
0C01C12C23C34C45C56C67C78C89C9
1C02C13C24C35C46C57C68C79C8
2C03C14C25C36C47C58C69C7
3C04C15C26C37C48C59C6
4C05C16C27C38C49C5
5C06C17C28C39C4
6C07C18C29C3
7C08C19C2
8C09C1
19C01111111111111111111111111111

数三角形の数は、次の規則で規定されたものである。
「各細胞の数はその垂直行における直前の細胞の数とその水平行における直前の細胞の数との和に等しい。」
1111111111
123456789
1361015212836
141020355684
15153570126
162136126
172884
1836
19
111111111111111111111111111111

例えば、色付きの部分。
これは5C24C14C2
である。
一般に、次のような規則で並べてある。
nCrn-1Crn-1Cr-1
これは組合せの公式として馴染みがあるものだが、ここで配列の規則である。

このような数三角形の数の配置からさまざまな規則をパスカルは読み取っていく。なかでも核心は三角形の底辺(斜め)で隣り合う2細胞の数の比例関係である。
「あらゆる数三角形において、同じ底辺にあって隣接する2つの細胞のうち、上位の細胞と下位の細胞との比は、上位の細胞から底辺の最上段までの細胞の個数(両端の細胞を含む)と、下位の細胞から最下段までの細胞の個数(両端の細胞を含む)との比に等しい。」
例えば、赤字の部分。
6(上位の細胞 4C2の数)と4(下位の細胞4C1の数)の比は、3(上位の細胞から底辺の最上段までの細胞4C24C34C4の個数)と2(下位の細胞から最下段までの細胞4C14C0の個数)に等しい。

(つづく)