対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ウグイスの初鳴日

2019-03-20 | 庭に来る鳥
昨年ウグイスは来なかった。声も聞かなかった。近くの電柱にハシボソガラスが巣を作って雛を育てていた。このカラスの影響だと思っていた。
今年カラスはいないので戻ってくると思っていた。期待通りにしばらく前から朝方ウグイスのたどたどしい鳴き声が聞こえるようになった。発声練習をし始めたのである。ウグイスは最初からホーホケキョと鳴くのではなく、ホーホやケキョなど不完全な発声を繰り返した後で、ホーホケキョと鳴くようになる。
今朝、新聞を取りに玄関を開けようと思ったときに、外でウグイスが発声練習をしていた。音を立てずに戸を開けると、枇杷の枝に小鳥が止まっていた。見ている方向からホーホケキョと張りつめた声が聞こえてきた。1羽だけなのに音は共鳴しているように聞こえた。今年はじめての完全な鳴き声(さえずり)である。しばらくして、ウグイスは西側の南天の枝に飛んで行き、そこでまた2声鳴いた。よく響いた。それから北側に飛んで行った。飛んでいるウグイスはただ小さな黒い鳥だった。遠くからまた声が聞こえてきた。法、法華、経。

(付録)
ウグイスの初鳴日(読み、しょめいび)は、春に鶯が「ホーホケキョ」とさえずるのを初めて聞いた日のことだという。初鳴と初音(その年に初めて聞く鳴き声)とは違うのではないだろうか。
鶯の覚束なくも初音哉(正岡子規)
このとき子規はまだホーホケキョを聞いていないのだと思う。