「イオン化傾向」暗記法を想う

貸(K)そうか (Ca) な (Na) 、
ま (Mg) ぁ (Al)、 あ (Zn) て (Fe) に (Ni) する (Sn) な (Pb) 、
ひ (H₂) ど (Cu) す (Hg) ぎる (Ag) 借 (Pt) 金 (Au)

わたしは、「ひどすぎる借金」をしているのは「私」と思っていたので、どうして「貸そう」で始まるのかが疑問だった。貸せる金がないではないか。だから、「借りるかな」で始まる「覚え方」の方が、意味は取りやすかった。しかも、「かそうかな」では「か（K）」と「か（Ca）」を区別しづらいが、「かりるかな」では「かり（K）」（カリウム）と「か（Ca）」（カルシウム）で混乱しない。
また、「あてにするな」よりも「あてにすんな」の方が、「ん」がnを喚起してSn（スズ）と結びつきやすい。
「まぁ、あてにすんな」では、「あ」がAl（アルミニウム）なのかZn（亜鉛）なのかで混乱する。しかし、これは不滅の1行なのでこのまま覚え、「アルファベット順」と注意しておくと、混乱しないと思う。大文字のAとZ、小文字のlとn。どちらもアルファベット順に並んでいる。

借り(K)るか (Ca) な (Na) 、
ま (Mg) ぁ (Al)、 あ (Zn) て (Fe) に (Ni) すん (Sn) な (Pb) 、
ひ (H₂) ど (Cu) す (Hg) ぎる (Ag) 借 (Pt) 金 (Au)

借金している「私」は、お金を借りようと思うのだが、ひどすぎる借金を思って、当てにはできないと自分を戒めている自画像。これを思い出せば、金属のイオン化傾向は書き下すことができるだろう。
「貸そうかな」で始める場合、借金しているのは相手で、「当てにするな」は相手への忠告なのだろう。

現在、リチウムが、一番イオン化傾向が高く、電池に利用されるようになっている。20世紀に高校生だった人は、リチウムのイオン化傾向の順位を知らなくても済んだが、いまはイオン化傾向に入っていて、試験にも出ているようだ。Kの前に、Liが位置する。

リッチ（Li）に、借り(K)るか (Ca) な (Na) 、
ま (Mg) ぁ (Al)、 あ (Zn) て (Fe) に (Ni) すん (Sn) な (Pb) 、
ひ (H₂) ど (Cu) す (Hg) ぎる (Ag) 借 (Pt) 金 (Au)

借金している「日本政府」だが、さらにお金を借りようと思っている。しかし、ひどすぎる借金を思って、当てにはできないと自分を戒めている。このような自画像を描いてみると、イオン化傾向は覚えられるだろう。念のためにいえば、リッチはlichではなくrichだけど。