対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

わかりにくいカタカナ用語もある

2020-03-27 | ノート
新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の「状況分析・提言」(2020年3月19日)には、カタカナ用語(英語の日本語表記)に注釈を付けている。
パンデミック(世界的な大流行)、クラスター(患者集団、集団)、メガクラスター(巨大な患者集団)はいいにしても、オーバーシュート(爆発的患者急増)はピンとこない。わたしにしてみればovershoot(行き過ぎる)に馴染みがなかったことが原因だが、ネイティブにも「爆発的患者急増」(an explosive surge in infections)とは直接結びつかないという。ふつうのイメージは、飛行機のオーバーランのようだ。
カタカナを漢字で表す一方で、漢字にカタカナの注釈を付けている。感染源(リンク)である。これはなるほどと思った。
少し読んでみよう。
(引用はじめ)
クラスター(患者集団)の感染源(リンク)が分からない感染者が増加していくと、いつか、どこかで爆発的な感染拡大(オーバーシュート(爆発的患者急増))が生じ、ひいては重症者の増加を起こしかねません。
(引用おわり)
他方、都市封鎖として注釈される「ロックダウン」については漢字の表記を試みていない。これはlockdown(封鎖)そのままということだろう。
(引用はじめ)
オーバーシュート(爆発的患者急増) が始まっていたとしても、事前にはその兆候を察知できず、気付いたときには制御できなくなってしまうというのが、この感染症対策の難しさです。/もしオーバーシュートが起きると、欧州でも見られるように、その地域では医療提供体制 が崩壊状態に陥り、この感染症のみならず、通常であれば救済できる生命を救済できなくなるという事態に至りかねません。このため、爆発的患者急増が起きたイタリアやスペイン、フランスといった国々(図5)では、数週間の間、都市を封鎖したり、強制的な外出禁止の 措置や生活必需品以外の店舗閉鎖などを行う、いわゆる「ロックダウン」と呼ばれる強硬な 措置を採らざるを得なくなる事態となっています。
(引用おわり)
カタカナの多用は慎むべきだろう。感染源(リンク)、爆発的な感染拡大(オーバーシュート)のように、漢字を主にカタカナを従にした方が読みやすいように思われる。