対話とモノローグ

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ベルヌーイの美しい発見について3

2020-07-17 | オイラーの公式
(ベルヌーイ・オイラーの公式1)

高瀬正仁はオイラーの公式よりもベルヌーイの等式を高く評価している。それはオイラーの公式を「負数と虚数の対数に関するライプニッツとベルヌーイの論争」のなかに限定していることに起因していると思われる。
(引用はじめ)『無限解析のはじまり』(ちくま学芸文庫、2009年)あとがきより。
オイラーは「対数の無限多価性」という、だれにも思いもよらなかった斬新な発見に到達し、論争に終止符を打つことに成功した。その際、オイラーをこの発見に正しく導いたのは、オイラーが「美しい発見」と呼んだ「ベルヌーイの等式」
  π/2・i=log i
であった。これに対し、「オイラーの公式」として知られる等式
  eix = cos xisin x
は、対数の無限多価性の確認の途中で出会う一等式にすぎず、「ベルヌーイの等式」のように複素対数というものの本性に触れる等式とは大きく一線を画している。
(引用おわり)

つづく