対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

虚指数と正接 vs 虚対数と逆正接

2020-11-10 | 指数と対数
 指数関数と対数、三角関数と逆三角関数は、それぞれ逆関数である。オイラーは『オイラーの無限解析』§138で「虚指数量が実の正弦と余弦に帰着される」ことを導いた。これはド・モアブルの公式(n倍角の公式)と指数の冪表示を用いて導出された。また、§139と§140で「虚対数が円弧に帰着される」ことを導いた。これはド・モアブルの公式(1/n倍角の公式)と対数の冪表示を用いて導出された。
 ここでは三角関数のうち正接だけに限定して、虚指数と正接関数の関係から、虚対数と逆正接関数の関係を導いておこう。いいかえれば、§138と139・140を逆関数の視点から繋いでみよう。
 虚指数と余弦・正弦の関係は、
  
だった。これから、虚指数と正接の関係は次のようになる。
  
 ここで
  
とおいて、について解いていくと次のようになる。
  
 ここで底eの対数をとると、
    
となる。z=tan xだから、
    
である。

 高木貞治『解析概論』§54参照