目覚めは平均的な長さを取る所E点で起こった。ケプラーはこの発見(「正割の代りに半径を用いると観測結果のとおりとなる」)をK点で一般化する。端緒Eにおいて、Fは確定した位置にあった。「正割の代りに半径を用いると観測結果のとおりとなる」の数値関係と位置関係は明確だった。しかし、K点では数値関係は明確になるが、位置関係は不確定である。一般化したK点において、正確な火星の位置はまだ確定していない。
しかし、山本義隆は端緒EからKで一般化するとき、楕円上の点Mから始めている。これは2つの線分を消している(「正割の代わり」が抜けている)ため、「火星-太陽間の距離」と「直径距離」の関係を指摘するためには、避けられない展開だったように思える。
(引用はじめ)
(端緒の終わり 引用者注)FB=(1-0.00429)aにたいして
FA=FBsec(5°18′)=(1-0.00429) (1+0.00429)a≒a=EB
に気づき、この「新しい光に眠りから覚まされた」のである。
そしてケプラーはこの関係を一挙に軌道上のすべての点に一般化した。

すなわち、図で火星が点Mにあるとき、Mから長軸線HIに下ろした垂線の足をL、この垂線MLのLと反対側で円と交わる点をK、離心アノーマリーを∠HBK=β(β=∠HBMではない)として、太陽Aから火星Mまでの距離r=AMは、離心円(半径a、離心率e)の直径KJへの直線AKの斜影の長さ、つまりAからこの直径KJに下した垂線の足をTとして、
r=KT=KB+BT=a(1+ecosβ)
で与えられると考えたのである。このKTはケプラーが「直径距離」と名づけたものに他ならない。
(引用おわり)
FA=EBと同じようにAM=KTで与えられる。これは間違っていないが、端緒FA=EBと一般化AM=KTでの導き方は対応していない。
まず、端緒の
FA=FBsec(5°18′)=(1-0.00429) (1+0.00429)a≒a=EB
は、最大の視覚的均差5°18′、正割sec、その値1.00429、切り取る三日月の幅0.00429が見られるが、ケプラーの洞察とは 似て非なるものである。
他方、一般化の
r=AM=AKcos∠AKT=KT=KB+BT=a(1+ecosβ)
はケプラーの一端に触れている。正割という表現は避けられているが、「射影」によって、透明だが線分AK(端緒でのケプラーの正割EAに対応する)に言及があるからである。
つづく
しかし、山本義隆は端緒EからKで一般化するとき、楕円上の点Mから始めている。これは2つの線分を消している(「正割の代わり」が抜けている)ため、「火星-太陽間の距離」と「直径距離」の関係を指摘するためには、避けられない展開だったように思える。
(引用はじめ)
(端緒の終わり 引用者注)FB=(1-0.00429)aにたいして
FA=FBsec(5°18′)=(1-0.00429) (1+0.00429)a≒a=EB
に気づき、この「新しい光に眠りから覚まされた」のである。
そしてケプラーはこの関係を一挙に軌道上のすべての点に一般化した。
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すなわち、図で火星が点Mにあるとき、Mから長軸線HIに下ろした垂線の足をL、この垂線MLのLと反対側で円と交わる点をK、離心アノーマリーを∠HBK=β(β=∠HBMではない)として、太陽Aから火星Mまでの距離r=AMは、離心円(半径a、離心率e)の直径KJへの直線AKの斜影の長さ、つまりAからこの直径KJに下した垂線の足をTとして、
r=KT=KB+BT=a(1+ecosβ)
で与えられると考えたのである。このKTはケプラーが「直径距離」と名づけたものに他ならない。
(引用おわり)
FA=EBと同じようにAM=KTで与えられる。これは間違っていないが、端緒FA=EBと一般化AM=KTでの導き方は対応していない。
まず、端緒の
FA=FBsec(5°18′)=(1-0.00429) (1+0.00429)a≒a=EB
は、最大の視覚的均差5°18′、正割sec、その値1.00429、切り取る三日月の幅0.00429が見られるが、ケプラーの洞察とは 似て非なるものである。
他方、一般化の
r=AM=AKcos∠AKT=KT=KB+BT=a(1+ecosβ)
はケプラーの一端に触れている。正割という表現は避けられているが、「射影」によって、透明だが線分AK(端緒でのケプラーの正割EAに対応する)に言及があるからである。
つづく