対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

1次の2面体群は2次の巡回群

2024-12-12 | ノート
「桐」(豊臣秀吉の太閤桐)を2次の巡回群と思わなかったのは、巡回群を恣意的に「平面内の回転」と捉えていたことに原因があったと思う。
「三つ巴は平面上で120度、240度回転すると回転前と同じ図形である。しかし、桐は180度回転する上下反転した図形である。回転前とは重ならない。ここに巡回群を外した理由があった。」

しかし、群論の巡回群( cyclic group、monogenous group)とは、ただ一つの元で生成される群(単項生成群)のことであり、ここを基礎に考えるべきだった。cyclicではなくmonogenousに着目しなければならなかった。巡回群を間違えて捉えていた。

2次の巡回群とは、例えば{e,(12)}である。1つの元(12)で生成され2回で単位元eになる群である。例えば、二等辺三角形の底辺の左右を1、2と置いたとき、対称軸で折り返すと、1が2、2が1になる。次にまた対称軸で折り返すと、もとの二等辺三角形に戻る。ようするに線対称な図形(対称軸1本)は2次の巡回群と捉えることができる。

「桐」(豊臣秀吉の太閤桐)は「1次の2面体群」(D1)であり、また「2次の巡回群」である。1次の2面体群は対称軸1本だが、2次の2面体群は対称軸が2本であり、ここにはじめて回転が加わる。
「2次の2面体群」(D2)の例としてウイキペディアには「足利氏の家紋、足利二つ引が挙げてある。これは対称軸を2つ持ち、180°の回転で変わらない。「1次の2面体群」(D1)が 「2次の巡回群」であるのに対して、「2次の2面体群」は「クラインの4元群」とある。

「足利二つ引」を単純な図形でいえば、長方形である。いま長方形の4隅を1、2、3、4とおくと2つの対称軸と180度の回転に対して、次のような置換を考えることができる。
     {e,(12)(34),(14)(23),(13)(24)}
これはたしかにクラインの4元群である。