対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

『日本の科学思想』

2018-04-26 | 日記
G県図書館で棚を見ていたら、『日本の科学思想 その自立への模索』(辻哲夫著、編・解説 廣政直彦、こぶし文庫、2013年)があった。もっている中公新書の本は、もうくたびれているので借りてきた。
確認してみた。持っているのは、昭和48年(1973年)の再版のものであった。この年は学生だったが、読んだのは就職した後のような気がする。何度か読み直していると思う。
黄色い帯には、毎日出版文化賞受賞とあり、表に「伝統文化と普遍的科学との相克を日本思想史の中に追求する」とある。裏には次のようにある。
(引用はじめ)
日本が科学を受容する以前、果たしてどれだけの類似概念を持ち得たのだろう。実理・窮理・理学という呼び名を変えて消えていったものの正体は十全な科学的認識と言うには何が欠けていたのだろうか。仁斎・昌益・梅園らの思想のなかに陰陽五行の世界からの変貌の可能性を読み取り、西・福沢らの翻訳の苦悶を辿りながら、日本の科学の自立への摸索を跡づけた本書は、科学的認識の推移の究明こそ思想史の本流であることを暗示している。
(引用おわり)
定価は280円、こぶし文庫のちょうど10分の1である。アマゾンでみると中公新書の新しいものはないようである。40年経っているのだと思う。

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