4元数の積は次のようだった。
(a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk)
=(ax-by-cz-dw)
+(ay+bx+cw-dz)i
+(az+cx+dy -bw)j
+(aw+dx+bz-cy)k
4元数が絶対値の原則を満たしているかどうかみておこう。
|pq|2=|p|2|q|2の確認である。
いま、次のようにおく。
A=ax-by-cz-dw
B=ay+bx+cw-dz
C=az+cx+dy -bw
D=aw+dx+bz-cy
すると、4元数の積は
(a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk)
=A+Bi+Cj+Dkと表示できる。すると確認したいのは次の等式である。
A2+B2+C2+D2=(a2+b2+c2+d2)(x2+y2+z2+w2)
左辺の計算が力仕事である。
(ax-by-cz-dw)2+(ay+bx+cw-dz)2+…
工夫が必要になる。準備をしておこう。
(a+b)2=a2+b2+2ab
(a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2ac+2bc
この2つは高校の公式である。
4つの項の平方は次のように考えると見通しがよくなる。
(a+b+c+d)2
=((a+b)+(c+d))2
=((a+b)2+(c+d)2+2(a+b)(c+d))
=a2+b2+c2+d2+2ab+2ac+2ad+2bc+2bd+2cd
4つの項の平方では、文字(a,b,c,d)の2乗(この場合は自乗という表現が適している)の項が4つきて、その後に交差項(ab,ac,…bd,cd)(この場合は他乗がいいかもしれない)が6つ並ぶ。10項の多項式になる。
これを踏まえて、A2 を計算してみよう。
A2 =a2x2+b2y2+c2z2+d2w2
-2abxy - 2acxz - 2adxw + 2bcyz + 2bdyw + 2cdzwとなる。
B2,C2,D2を計算する前に、Aと同じようにx,y,z,wの順に項を並べ替える。
A=ax-by-cz-dw
B=bx+ay-dz+cw
C=cx+dy+az-bw
D=dx-cy+bz+aw
これで計算すると、次のようになる。
A2 =a2x2+b2y2+c2z2+d2w2+P
B2 =b2x2+a2y2+d2z2+c2w2+Q
C2 =c2x2+d2y2+a2z2+b2w2+R
D2 =d2x2+c2y2+b2z2+a2w2+S
P =-2abxy - 2acxz - 2adxw + 2bcyz + 2bdyw + 2cdzw
Q =+2abxy - 2bdxz + 2bcxw - 2adyz + 2acyw - 2cdzw
R =+2cdxy + 2acxz - 2bcxw + 2adyz - 2bdyw - 2abzw
S =-2cdxy + 2bdxz + 2adxw - 2bcyz - 2acyw + 2abzw
他乗の項の係数を縦にみると6つの項すべてで係数は0になる。
P+Q+R+S=0である。
自乗の項の係数を縦にみると4つの項(x2,y2,z2,w2)の係数はすべて(a2+b2+c2+d2)である。
したがって
A2+B2+C2+D2
=(a2+b2+c2+d2)(x2+y2+z2+w2)
である。
4元数は絶対値の原則を満たしている。
注 矢野忠『四元数の発見』(海鳴社 2014年)参照 展開の表示の初出は「数学・物理通信」1巻11号である。このときは10項を1行で表示している。これは横幅の広い画面を前提にしたものだったろう。スマホの画面では無理だし、また本でも横幅が足りなかったものとみえる。そのため区切りを入れて2行に分けた。こちらの方がわかりやすいと思う。
(a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk)
=(ax-by-cz-dw)
+(ay+bx+cw-dz)i
+(az+cx+dy -bw)j
+(aw+dx+bz-cy)k
4元数が絶対値の原則を満たしているかどうかみておこう。
|pq|2=|p|2|q|2の確認である。
いま、次のようにおく。
A=ax-by-cz-dw
B=ay+bx+cw-dz
C=az+cx+dy -bw
D=aw+dx+bz-cy
すると、4元数の積は
(a+bi+cj+dk)(x+yi+zj+wk)
=A+Bi+Cj+Dkと表示できる。すると確認したいのは次の等式である。
A2+B2+C2+D2=(a2+b2+c2+d2)(x2+y2+z2+w2)
左辺の計算が力仕事である。
(ax-by-cz-dw)2+(ay+bx+cw-dz)2+…
工夫が必要になる。準備をしておこう。
(a+b)2=a2+b2+2ab
(a+b+c)2=a2+b2+c2+2ab+2ac+2bc
この2つは高校の公式である。
4つの項の平方は次のように考えると見通しがよくなる。
(a+b+c+d)2
=((a+b)+(c+d))2
=((a+b)2+(c+d)2+2(a+b)(c+d))
=a2+b2+c2+d2+2ab+2ac+2ad+2bc+2bd+2cd
4つの項の平方では、文字(a,b,c,d)の2乗(この場合は自乗という表現が適している)の項が4つきて、その後に交差項(ab,ac,…bd,cd)(この場合は他乗がいいかもしれない)が6つ並ぶ。10項の多項式になる。
これを踏まえて、A2 を計算してみよう。
A2 =a2x2+b2y2+c2z2+d2w2
-2abxy - 2acxz - 2adxw + 2bcyz + 2bdyw + 2cdzwとなる。
B2,C2,D2を計算する前に、Aと同じようにx,y,z,wの順に項を並べ替える。
A=ax-by-cz-dw
B=bx+ay-dz+cw
C=cx+dy+az-bw
D=dx-cy+bz+aw
これで計算すると、次のようになる。
A2 =a2x2+b2y2+c2z2+d2w2+P
B2 =b2x2+a2y2+d2z2+c2w2+Q
C2 =c2x2+d2y2+a2z2+b2w2+R
D2 =d2x2+c2y2+b2z2+a2w2+S
P =-2abxy - 2acxz - 2adxw + 2bcyz + 2bdyw + 2cdzw
Q =+2abxy - 2bdxz + 2bcxw - 2adyz + 2acyw - 2cdzw
R =+2cdxy + 2acxz - 2bcxw + 2adyz - 2bdyw - 2abzw
S =-2cdxy + 2bdxz + 2adxw - 2bcyz - 2acyw + 2abzw
他乗の項の係数を縦にみると6つの項すべてで係数は0になる。
P+Q+R+S=0である。
自乗の項の係数を縦にみると4つの項(x2,y2,z2,w2)の係数はすべて(a2+b2+c2+d2)である。
したがって
A2+B2+C2+D2
=(a2+b2+c2+d2)(x2+y2+z2+w2)
である。
4元数は絶対値の原則を満たしている。
注 矢野忠『四元数の発見』(海鳴社 2014年)参照 展開の表示の初出は「数学・物理通信」1巻11号である。このときは10項を1行で表示している。これは横幅の広い画面を前提にしたものだったろう。スマホの画面では無理だし、また本でも横幅が足りなかったものとみえる。そのため区切りを入れて2行に分けた。こちらの方がわかりやすいと思う。
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