対話とモノローグ

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「アブダクション」を振り返る

2018-12-27 | アブダクション
カテゴリー「アブダクション」をつくり、パースのアブダクションについて、考察を進めていくつもりだったが、失速してしまった。

1、パースのアブダクションは「通常科学」の推論で、「科学革命」の推論ではないように思われた。それでアブダクションを拡張する必要があると思った。「演繹モデル」の前に「帰納」を導入すればよいと考えたが、展開しきれなかった。
2、帰納とアブダクションの関係が明確にならなかった。
パースは「論文集」(『世界の名著』所収)で次のように述べていた。
(引用はじめ)
どんな演繹的推論もつぎのような公式にはめこむことができる。「もしAならばB。しかるにA。ゆえにB」。ところでこの公式における小前提Aは、大前提である仮言命題のなかに、その前件として出現している。したがって推定的推論(アブダクションのこと、注)は後件から前件への推論とよぶことができる。
(引用おわり)
これは米盛裕二や池上嘉彦(『記号論への招待』)が定式「Bである。AならばBである。ゆえにAである」をアブダクションの定式として捉えていることと対応している。しかし、ポリアも瀬山士郎もこの定式を「帰納」と捉えている。ここがうまく説明できなかった。
3、演繹・帰納・アブダクションと記号の1次性・2次性・3次性の関係をつかみたかったが、パースの記号論が難しく進まなくなってしまった。

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