対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

ジョウビタキを久しぶりに追う

2022-01-17 | 庭に来る鳥
洗濯物を干しに庭に出たとき、メジロの鳴き声に混じってカッカッとジョウビタキの鳴き声が聞こえてきた。急いでカメラを持って来た。ジョウビタキは花桃の枝にとまっていた。

近づくとすぐに飛び去ったが、あまり遠くに行かない。行先は目で追うことができた。物干し場に興味があるわけではないだろうが、しばらくはこの辺りを行き来していた。

ジョウビタキを知ったのはオスからだったが、最近はメスばかり見掛けている。写真をみると、やはり寒いのだろう、羽を膨らませている。

雪中山茶花図

2022-01-14 | 日記
昨夜から降っていたようだ。今朝起きると雪化粧である。ちらついてもいる。 ラジオ体操をした後、長靴を履いて庭を歩く。雪が積もっているというだけで、枝も葉も花も新鮮に映る。

今日は図書の返却日だった。妻の車の雪を払いながら、今日は無理かなと思っていた。しばらくすると青空が見え、日差しも暖かくなってきた。幹線道路がほとんどだから大丈夫だろうと思い、昼に車で出かけた。道はまったく普段どおりの道だった。今日中に済ませてよかった。

初めの三冊が間違っていた

2022-01-13 | 楕円幻想
『新天文学』56章のケブラーの「目覚め」は、一言でいえば、5°18′の正割1.00429がきっかけだった。56章をはじめて読んだときその過程を理解できたが、しかし、『新天文学』を読むように導いた山本義隆著『世界の見方の転換3』は5°18′の正割1.00429を誤解していた。それで自分の理解を確かめることになった。

振り返ってみると、それまでに読んでいたケストラー著『ヨハネス・ケプラー』・山本義隆著『世界の見方の転換3』・酒井邦嘉著『高校数学でわかるアインシュタイン』は3つとも間違っていた。

これに対して、それ以降に読んだ都築正信著「ケプラーの火星楕円軌道について」、E.J.エイトン著『円から楕円へ』、N・S・スワドロー著「ルネサンスの天文学」は正しくとらえていた。

初めの3冊だけが間違っているのではないだろうか。

蕗の薹を探した

2022-01-12 | 日記
朝は雪がちらついていた。青空は見えるが、一日中冷たい風が吹いていた。午後、ふきのとう(蕗の薹)を見に庭に出た。最初は見つからずまだ早いのかと思ったが、やっと一つ見つけた。

初春の独特の色合いである。二つ目も近くに見つかった。最初に探していたところに戻ると、そこにも出ていた。見逃していたのだが、不思議な気がした。それでもやはり大部分はやっと土から先端がでたばかりで、薹の形はまだ認められなかった。

柿は発酵している

2022-01-11 | 日記
12月1日に3.5キロを仕込んだ。それから20日たったころ、柿の匂いだけがしてこれから発酵していくのか疑問を持っていた。それから20日たった。1か月ほどで出来上がるという記事もあったが、あらためて見ていると3か月、半年という記事もある。急いていたのだと思う。いまは、アルコールや酢の匂いもするようになってきている。柿酢はできつつある。

横から見ていると、空洞に水分(糖、アルコール、酢)の動きがある。また、耳を澄ますとパチパチ音が聞こえる。ここ数日は、この状態から柿を撹拌すると体積が縮んで4/5ほどになる。またすぐに空洞ができ水分が浸みだしてきて、元の体積に戻る。これをくり返している。発酵は泡(二酸化炭素)が出なくなったら完了ということである。まだまだ先のことのように思える。

ホンタイセイシンセン

2022-01-10 | ノート
コップや鉛筆をもつとき、ときどき手が震えている。左手でも右手でも。かなり前からである。その時は少し気にするが、すぐに治まり気にしなくなる。先週、糖尿で通院している掛かりつけ医に聞くと「ホンタイセイシンセン」だという。脳や血液に異常があるわけでもないので、放っておけばよいということであった。

漢字がまったく思い浮かばない。シンセンのシンは「震」かなと思ったが、「振」だった。「本態性振戦」と書くのだという。あとで調べてみると、「振戦」はふるえること、「本態性」は「原因不明の症状または疾患についていう医学用語」だった。ホンタイセイシンセンで音声入力すると、「本態性振戦」と表示され驚いてしまった。辞書では「シンセン」は「震顫・振顫」が見出しになっているようだ。


2つの線分が消えた理由10

2022-01-07 | 楕円幻想
『望遠鏡以前の天文学』(恒星社厚生閣、2008)10章はルネサンスの天文学である。著者はN・S・スワドロー(シカゴ大学)で、『世界の見方の転換』とほぼ同じ時期が扱われている。ケプラーの面積法則の説明が簡潔で大変参考になった。「P2自体が小さな扇形P2SP2の底辺だとすれば、辺に垂直なその高さは中心Mを通らなければならない」。この表現が印象に残った(記号は下の図参照)。微小な扇形(離心点を頂点を持つ扇形)の高さは円周距離ではなく直径距離であることが明確になった。あいまいだった面積法則が腑に落ちた。これで『新天文学』訳者注のカスパーに関連したもの、また『世界の見方の転換』付記C-6火星軌道の決定3、直径距離と面積法則もよく理解できるようになった。

スワドローはケプラーの「目覚め」を次のようにとらえていた。
(引用はじめ)
ケプラーは面積と距離が円では大きすぎ、卵形では小さすぎること、観測で得られた距離がその間の半分ほどになること、そして弓形の最大幅PmP’mが858の約半分、すなわち429となるべきであることが分かった。しかし、これが何を意味するのかは明らかではなかった。そして弓形となる原因について悩んでいた時、E=90°の時の視覚補正(5°18′)のセカントが100429であること、すなわち図67にあるように、角SPmMのセカント(SPmの距離)が100429であることにたまたま気づいた。彼によれば、それは眠りから醒め、新たな光を見たかのようであった。惑星の正しい距離が100429なのではなく、R=100000(弓形の正しい幅より小さい)であると推測したのである。(山本啓二訳)

(引用おわり)
これは56章のケプラーの「目覚め」であり、納得できるものである。
「視覚補正」は、これまでの「視覚的均差」である。本には(5;18°)と表記してあったが、なじみの5°18′に改めた。
また、(弓形の正しい幅より小さい)という注記はこの種の本で初めて見た。正しい距離が円周距離100429ではなく直径距離100000であるとすると、出発点の弓形の幅は429ではなくこれより少し小さくなることを意味しているだろう。どのくらいかといえば、
(100429-100000)×(100000/100429)=427
切り取る弓形の幅は100メートルに対して43センチほどだが、小さくなる幅は100メートルに対して2ミリほどである。

正しい幅429よりも正割100429が重要である。それが円周距離100429ではなく直径距離100000を喚起したことがさらに重要である。円周距離ではなく直径距離、これがケプラーの目覚めの真相である。それは面積法則の把握にも楕円軌道への道にも共通しているのである。

これに対して、弓形の幅429を固定的に考え、円周距離と直径距離の関係に触れられないのが、山本義隆『世界の見方の転換』14楕円軌道への道である。

2つの線分が消えた理由をいくつか憶測してきたが、次のようにまとめておこう。。
切り取る三日月の幅429を固定的に捉えたため、視覚的均差の位置が離心円から楕円にずれてしまった。点Eではなく点Fが思考の起点となる。そのためケプラーの正割(△EAB)が不要になり、線分EAが消える。しかし、「正割」100429は否定できず、△FABの「正割」が取り上げられて、100429と100000(1.00429と1)の関係が思い描かれる。
   FA=FBsec(5°18′)=(1-0.00429) (1+0.00429)a≒a=EB
スワドローの図でいえば、山本義隆は△PmSMではなく△P'mSMで「正割」を考えているのである。

2つの線分を消したのは何か意図があったのかもしれない。しかし、その図はケプラーの目覚めをまったく説明しないのである。

『世界の見方の転換』3の表紙は『新天文学』の図である。この図には2つの線分は描かれている。これは山本義隆の見方の転換を求めているのである。

(了)





2つの線分が消えた理由9

2022-01-06 | 楕円幻想
13等速円運動の放棄と面積法則、14楕円軌道への道、15ケプラーの第1法則、16第2法則の完成 と続けて読んでみると、14に対して強い違和感を感じるだけで、15・16は多くの文献に依拠し的確な展開になっていると思われる。15は楕円軌道を前提せず、楕円軌道へと推論していく過程が描かれている。16では面積法則と直径距離との関係が簡潔に描かれている。

ところが、14では火星ー太陽間の距離が直径距離で与えられる点だけに焦点を当てた展開になっている。円周距離と直径距離の関係を見るのではなく、楕円軌道上の火星(火星ー太陽間の距離)と直径距離だけに限定した展開になっている。これをケプラーの目覚めと捉えていることが奇異な感じを生む原因となっている。

15を山本義隆は次のように始めている。「これでゴールかと思われるが、あくまで物理的原因にこだわるケプラーは、ここからすぐに軌道が楕円であると結論づけたのではない。」
このあと物理的原因に関連した展開が続き楕円軌道と結論づけていく。この方向に異論はないが、こちらの立場を強調すれば、「ここでゴール」と思われるのは山本義隆は14で楕円軌道を前提とした展開をしていたからである。ケプラーは円周距離ではなく直径距離が火星ー太陽間の距離を与えることを発見しただけで、真アノマリーは見出されていない。火星の位置は見出されていないのである。それはZを経て(豊頬線)、やっとM(楕円)に決定されるのである。

14楕円軌道への道では、2つの線分を消してはならず、また楕円軌道を前提にしてはいけないのである。