うんたま森のキジムナー

キビの穂

隣の空き地にススキの穂が背の高さ以上に伸びてきた。
島内ではサトウキビの穂が出始め、晩秋の風景を
彩っている。これから少しずつ銀色に変わっていき、収穫を
迎える時期を知らせてくれる。
新聞によると、例年、穂が出るのは11月上旬で今年は少しばかり
遅いらしい。

サトウキビの収穫は、「キビ倒し」と言って、労働はきつく、
私などは逃げ回っているくらいだ。最近はダイビングショップも
冬期休業するところがあり、休みに入ったスタッフ達は、農家の
キビ倒しを手伝いにいき、そこそこの小遣い程度にはなるらしい。

サトウキビ農家の友人から、「今年も誰か紹介してくれよ!」と
何人かから頼まれている。あまり紹介などした覚えはないのだが、
農家にとっては猫の手も借りたいところだろう。

サトウキビの穂が彩りはじめると、
「今年もまた、つらい時期がきたか」と農家の友人は
畑を通るたびに思うらしい。
夕日に輝くサトウキビの穂は黄金色と言うのか陽の傾き加減によって
美しく色を変えていく。

昔の人はキビの穂を見れば豊作かどうかわかったそうだ。
工事現場の重機の色は今でこそカラフルな色に塗られているが、
もともとは黄色い色が普通だった。今でも多くのブルドーザーや
クレーン、そしてトラクターなど黄色に塗られているものは
多い。これは元々、重機の始まりは農作業に使う機械であったため、
豊作をイメージして、黄色に塗られたと言われている。
黄金色という言葉も小判からではなく、もしかしたら、
「豊作」という意味があるのかもしれない。
農家にとってはまさに収穫こそ黄金。
つらい作業が報われる色に見えるのだろう。


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