佐和田の浜西方、下地島空港の北側滑走路埋立地約200mのところ、
地元ではカタバルイナウ(内海のイノー)と呼ばれるところにある「魚垣(カツ)」
市指定の有形民族文化財は、1850年頃、善平マツさんという人によって
作られたといわれている。
漁の形態は佐和田の浜の浅瀬をうまく利用したもので、周囲を石で囲み、
潮が満ちるときに魚が入り、潮が引くときに出口を一つにし、
出口に網を張って魚を獲るというもの。
構造は北側から南へ放射状に石を積んで、東側にむかって約300m、
西側には約60mの石積が残っており、放射の頂点が出口になっている。
原始的な漁法であるが、現在の定置網のようになっている。
今から30年ほど前にテレビのクイズ番組でも使われたことがあった。
伊良部島では定置網漁は行われていない。
宮古島本島では宮古島の北側、狩俣集落で大神島との間の遠浅の海に定置網が
設置されている。海岸沿いをドライブしていると大神島との間の海域に
たくさんのブイや棒が見えてくる。
夏の間は台風が襲来するので定置網は撤去される。
定置網が設置されるのは二十四節記の寒露が来て、天気図に低気圧が
見えなければ、それを合図に定置網が張られるそうだ。
これは昔からの決まりだという。
つまり、寒露が来て熱低が見えなければ台風はもう来ないということ。
古くからの言い伝えで一つの目安となっている。