私は3月1日に八十路を迎え、貧乏と平穏無事な人生を懐かしく振り返っています。

私は生まれたとき育った土地と建物を戦時中飛行機場に接収され、4歳では父を戦闘機で、15歳には母を肺結核で亡くしました。

日本の平和憲法の将来見通し、学者、弁護士、市民、学生に少し明かりが見える。

2015年07月03日 | 平和憲法

 

 マダラカミキリ

学者、弁護士が街頭に出て安保法案(集団的自衛権の行使)に反対する運動を始めたのは、6月4日に行なわれた衆院憲法調査会で、識者として呼ばれた各党の推薦人である3人の憲法学者全員が「集団的自衛権の行使は憲法に違反する。」と述べたことが発端になりました。

この調査会で、自民党推薦の早稲田大学の長谷部教授は「集団的自衛権の行使が許されることは、従来の政府見解の基本的理論の枠内では説明がつかず、法的安定性を大きく揺るがすもので憲法違反だ。自衛隊の海外での活動は、外国の軍隊の武力行使と一体化する恐れが大である。」と述べました。

違憲法制を問われた政府は「安保法制懇談会で、憲法学者に議論を頂いた。」と強調して違憲ではないとしているため、憲法学者有志が呼びかけて法案廃棄を求める声明に賛同を求めました。

これに賛同した全国の法学者は、6月5日までに186人に上がりました。 その声明では「集団的自衛権の行使容認は立憲主義に反する。」と指摘しました。

更に、学習院大学の佐藤学教授やノーベル賞物理学賞受賞者の益川敏英教授ら学識経験者の呼びかけで「安全保障関連法案に反対する学者の会」が6月12日に発足しました。この会の上野千鶴子東大名誉教授、小熊英二慶大教授、西川潤早大名誉教授ら著名な学者61名の呼びかけに6月15日までの3日間に全国の学者、研究者、市民4500名が賛同者となりました。

弁護士連合会では13年5月と14年5月に集団的自衛権による武力行使容認に反対声明を出していますが、行動に出たことはありませんでしたが、若手弁護士が動き始めました。

若手弁護士が全国の仲間28人に呼びかけて、連絡に応じた会員弁護士420人で「明日の自由を守る若手弁護士の会」を結成しました。子供を守るには「ゆるーい感じで」憲法の大切さを語ろう「憲法カフェ」を全国で会催しています。これも「政治はタブー」を破る挑戦です。

学生も政府の徒ならぬ独裁気運に気づき始め、6・12と6・15と6・26に国会前で、6・21には京都で、6・27には渋谷で「政治はタブー」視していた             若者・学生が催す「安全保障法制反対デモ」を始めた。

東京・渋谷や国会前では数千人を集めており、洗練されたデザインのプラカード、軽快なヒップホップのリズムに乗り、今風のラッパーのようにコールしています。仕掛けたのは特定秘密法案で問題意識を強めた学生が作った「SEALDs」(自由と民主主義のための学生緊急行動)です。

「SEALDs in 渋谷」の集会での演説で女子学生の和香子さんは、今、政治の話は怖いではアカン、若者が一歩踏み出さないと平和を維持することはできないと、解かりやすい言葉で違憲法案を無理やり国会を延長して通そうとする安倍政権への怒りをぶつけていました。

最後は「国民の意識」です。1年前に安倍政権は閣議において、歴代内閣が憲法上許されないと解釈していた集団的自衛権を、他国を守る集団的自衛権による武力の行使を容認する解釈変更を決定をしました。

その際に安倍首相は、行使の解禁は丁寧に説明を行い国民の理解を得たいと訴え、首相は「戦争に巻き込まれるという誤解である。」と自説の積極的平和主義を主張しています。

共同通信の1年前の調査では「戦争に巻き込まれる可能性が高まる」「どちらかといえば高まる。」との回答は合計61.2%だったのですが、今年6月の調査では「戦争に巻き込まれるリスクは高くなる。」が73.7%と戦争懸念が高まりました。

集団的自衛権行使容認への「反対」はいずれも過半数を占め、1年間で約4%増えました。「賛成」は7パーセント近く減少しました。集団的自衛権行使容認への疑問が拡大していることが分かります。

不景気な中で不安が増してくると「政治はタブー」として我慢していた若者と女性が、政府の沖縄基地問題・原子力発電の再稼働・他国での武力行使認容といった政策を独裁的に進めることに、微かに不安を感じ始めたように思えます。

蘇生

 

 

 

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿