いよいよ春の訪れですね。昨今地球温暖化が問題視されていますが、やっぱり冬は寒くて苦手です。アスファルトから陽炎が立つうだるような暑い夏も苦手なわけですが・・・
きくぞのケアパークの隣には和霊公園なるものがあり、そこに咲く満開の桜が何とも綺麗でこの季節出社の都度ながめています。あまりにボ~っと見とれすぎていると、遅刻出勤や鳩のフン爆撃に被爆という悲しいこととなりますので注意が必要です。(苦笑)
それにしても、風に揺れる枝が描く桜吹雪の芸術は、そこを通る者の足を自然に止まってしまう程の美しさです。いいもんですよね、なんかこう生命の息吹を大いに感じさせる風景です。そんなわけで夜の公園は花見の宴が大盛況。桜とアルコールに酔いしれて春の宴を満喫する方々でにぎわっています。
さて、先日何気に実家がある長浜の出海の山に一人で登りました。と言っても農道を車で走っただけなのですが。ふと山頂付近の鬱蒼と草木が茂る荒れた森に目をとめると、誰が植えたか自分で生えたか、どう考えても誰の目にもとまらないような場所に桜の木らしきものがひとつ。車をとめて、衣服に雑草の小枝や種子をまといながら草木をかき分け近づくと、何とも立派な桜の大木が威風堂堂にして凛と立っているではありませんか。観賞用に咲く道路端や公園の桜を美しさと品を備えた女性と例えるなら、この目の前の桜は、冒しがたい威厳をまとう野武士のごとく凛としたもので、思わず息をのんで見入ってしまいました。「俺はな、誰ぞに立派だの美しいだのと言う評価をされなくても、凛としてここに立ち毎年花を咲かせているのだよ。この場所で生きると決めた以上、雨が降らないだの光がささないだの、周りがうっとおしいだの見てくれる人が居ないだのと愚痴らず、この場所で堂々と花を咲かせるのさ」まるでそう言っているようでした。
人知れず咲く凛と立つ桜。自分もそうありたいなと、ふと思う春なのでした。