わくわく惑星 新発見① どのようにして探す
最近の天文学は「惑星ブーム」になっています。といっても、太陽系の遠惑星ではありません。太陽系外の別の恒星の惑星を見つけようって試みです。
もしかしたら地球と同じように液体の水(H2O)が存在して、たんぱく質などの高分子が存在できる条件があり、生物が生存しているかもしれない惑星が発見できるかもしれないという期待が高まっています。
この地球でも、水はあったけれども酸素やオゾン層は最初はありませんでした。最初に嫌気性生物(酸素を嫌う生物)が生まれました。その後長い年月をかけて、光合成を行う生物が生まれました。いずれも単細胞ですが・・・
そして、海水の中に、さらに大気中に酸素が満たされ、さらにオゾン層が形成されました。生物が海中から地上に進出する条件ができて、生物の爆発的な進化が起こったのです。
地球の場合は、最初の大気はほとんどCO2だったわけですが・・・。新しく発見される惑星はそうとも限りませんね。
わが太陽も、この銀河系で輝いている恒星も、宇宙の歴史でみると第二世代の星です。第二世代の星もすでに生死を繰り返していて、宇宙のチリの中には窒素や酸素、炭素だけでなく、鉄、銅、鉛、亜鉛などの元素数の大きい原子もあります。
その宇宙のチリが集まった惑星では、適度な温度と適度な元素が集まると、まさに「壮大な生物の製造実験場」となるのでしょうね・・・
夜空に瞬く無数の星―。私たちの住む地球に多くのめぐみをもたらしている太陽もまた、この広大な宇宙の中で輝くごくありふれた星の一つです。
太陽は決して特別な星ではない、そう思いながら夜空を見上げたとき、誰もがふと思うのではないでしょうか。このたくさんの星の中に太陽にそっくりな星があるのではないか、と。そして、その周りには太陽系のように惑星が存在するかもしれない、地球のように水や空気があって生命が存在する惑星も、ひょっとしたらあるかもしれないのでは、と。
天文学者もずっと同じことを考えてきました。太陽に似た星を詳しく観測すれば、その中から惑星を持つものを探し出せるかもしれない。ただ、惑星は自ら光を放つことはなく、しかも星(主星)に比べてずっと小さな天体のため、天体望遠鏡を向けて直接見つけることは難しいのです。
太陽のような惑星を持つ星は見つかるだろうか?
(IAU/Martin Kornmesser)
惑星を従える星があるとしたら、それはどのように観測されるのでしょう。①惑星の重力の影響で主星がわずかにふらつく②まわりを回る惑星が星の手前を横切るときにその光を遮りわずかに暗くなる―。つまり、惑星を直接見つけることは難しくても、見えない惑星が主星に与える影響を捉えるという間接的な方法で探すことができるはずです。
1995年、太陽に似た星「ペガスス座51番星」に惑星を発見、というニュースが報じられました。①の方法で発見された惑星です。木星のようにガスでできた巨大惑星で主星からとても近い距離にあるため灼熱の状態という、地球とは似ても似つかない惑星です。しかし、その後同じような灼熱の巨大惑星が次々と発見されます。
宇宙はいつも人間の想像を超える様相を見せるものですが、この「ホットジュピター」と呼ばれる灼熱の惑星の姿もまた、天文学者の想像をはるかに超えるものだったのです。
(国立天文台天文情報センター専門研究職員 小野智子)(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年2月3日付掲載
最近の天文学は「惑星ブーム」になっています。といっても、太陽系の遠惑星ではありません。太陽系外の別の恒星の惑星を見つけようって試みです。
もしかしたら地球と同じように液体の水(H2O)が存在して、たんぱく質などの高分子が存在できる条件があり、生物が生存しているかもしれない惑星が発見できるかもしれないという期待が高まっています。
この地球でも、水はあったけれども酸素やオゾン層は最初はありませんでした。最初に嫌気性生物(酸素を嫌う生物)が生まれました。その後長い年月をかけて、光合成を行う生物が生まれました。いずれも単細胞ですが・・・
そして、海水の中に、さらに大気中に酸素が満たされ、さらにオゾン層が形成されました。生物が海中から地上に進出する条件ができて、生物の爆発的な進化が起こったのです。
地球の場合は、最初の大気はほとんどCO2だったわけですが・・・。新しく発見される惑星はそうとも限りませんね。
わが太陽も、この銀河系で輝いている恒星も、宇宙の歴史でみると第二世代の星です。第二世代の星もすでに生死を繰り返していて、宇宙のチリの中には窒素や酸素、炭素だけでなく、鉄、銅、鉛、亜鉛などの元素数の大きい原子もあります。
その宇宙のチリが集まった惑星では、適度な温度と適度な元素が集まると、まさに「壮大な生物の製造実験場」となるのでしょうね・・・
夜空に瞬く無数の星―。私たちの住む地球に多くのめぐみをもたらしている太陽もまた、この広大な宇宙の中で輝くごくありふれた星の一つです。
太陽は決して特別な星ではない、そう思いながら夜空を見上げたとき、誰もがふと思うのではないでしょうか。このたくさんの星の中に太陽にそっくりな星があるのではないか、と。そして、その周りには太陽系のように惑星が存在するかもしれない、地球のように水や空気があって生命が存在する惑星も、ひょっとしたらあるかもしれないのでは、と。
天文学者もずっと同じことを考えてきました。太陽に似た星を詳しく観測すれば、その中から惑星を持つものを探し出せるかもしれない。ただ、惑星は自ら光を放つことはなく、しかも星(主星)に比べてずっと小さな天体のため、天体望遠鏡を向けて直接見つけることは難しいのです。
太陽のような惑星を持つ星は見つかるだろうか?
(IAU/Martin Kornmesser)
惑星を従える星があるとしたら、それはどのように観測されるのでしょう。①惑星の重力の影響で主星がわずかにふらつく②まわりを回る惑星が星の手前を横切るときにその光を遮りわずかに暗くなる―。つまり、惑星を直接見つけることは難しくても、見えない惑星が主星に与える影響を捉えるという間接的な方法で探すことができるはずです。
1995年、太陽に似た星「ペガスス座51番星」に惑星を発見、というニュースが報じられました。①の方法で発見された惑星です。木星のようにガスでできた巨大惑星で主星からとても近い距離にあるため灼熱の状態という、地球とは似ても似つかない惑星です。しかし、その後同じような灼熱の巨大惑星が次々と発見されます。
宇宙はいつも人間の想像を超える様相を見せるものですが、この「ホットジュピター」と呼ばれる灼熱の惑星の姿もまた、天文学者の想像をはるかに超えるものだったのです。
(国立天文台天文情報センター専門研究職員 小野智子)(金曜掲載)
「しんぶん赤旗」日刊紙 2012年2月3日付掲載