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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

検証 日米首脳会談④ 米の核抑止 日本が強化

2024-05-06 13:51:31 | 国際政治
検証 日米首脳会談④ 米の核抑止 日本が強化

4月10日の日米首脳会談で発表された共同声明に、驚くべき一文が記されました。
「日本の防衛力によって増進される米国の拡大抑止を引き続き強化することの決定的な重要性を改めて確認し、2国間協力を更に強化する」
「この観点から、次回の日米2プラス2の機会に、拡大抑止に関する突っ込んだ議論を行う」(傍線は編集上引いたもの)
「拡大抑止」とは、自国の抑止力を他国に提供することです。基本的には「核の傘」を意味します。岸田文雄首相は「核兵器のない世界」を標ぼうしながら、米国の核抑止の容認にとどまらず、その「強化」に加担すると表明したのです。究極の二枚舌であり、「核兵器のない世界」を真剣に模索している市民や国際社会に対する重大な背信行為です。

2プラス2で明記
日本の軍事力が米国の核抑止を強化する―。こうした考えが初めて示されたのは、昨年1月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)です。共同発表文には、「日本の能力によって強化される米国の拡大抑止」との文言が明記されています。
米国の核抑止を強化する「日本の防衛力」とは何か。何ら明示されていませんが、前回の2プラス2は、日本が敵基地攻撃能力の保有や、同能力の保有を前提とした「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の導入を決定したことを踏まえています。長射程ミサイルなどの敵基地攻撃兵器は核兵器と同様、耐え難い打撃で敵を威嚇する「懲罰的抑止」に分類されます。
違憲の敵基地攻撃能力保有が、米の核戦略と密接に関連しているのか。注視する必要があります。



横田基地に着陸したB52戦略爆撃機=2023年7月12日(羽村平和委員会提供)

核軍拡の悪循環に
4月2日、米軍横田基地(東京都福生市など)に米第5爆撃航空団所属のB52戦略爆撃機が無通告で飛来しました。戦略爆撃機は大陸間弾道ミサイル(ICBM)、戦略原潜と並び、核戦略の「3本柱」の一つとされています。
ベトナム戦争期、B52は頻繁に日本や沖縄に飛来していましたが、近年は途絶えていました。2008年5月には岩国基地(山口県岩国市)での航空ショーへの参加が計画されていましたが、強い反発を受け断念に追い込まれています。しかし、昨年7月12日、B52が突如、「エマージェンシー」を理由に横田に着陸。今回の無通告着陸は、世論の反発をかわしながら「突破口」を開く狙いがあったとみられます。
米政府は22年に決定した新たな「核態勢の見直し(NPR)」で中国やロシアを念頭に、核戦力の「可視化」を明記。核兵器の運搬を任務に掲げているB52の横田への飛来は、その具体化であることは明らかです。
核兵器禁止条約への参加が国際社会で着実に広がる中、核軍拡の悪循環を加速する動きを、唯一の戦争被爆国・日本で許してはなりません。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2024年5月3日付掲載


米国の核抑止を強化する「日本の防衛力」とは何か。何ら明示されていませんが、前回の2プラス2は、日本が敵基地攻撃能力の保有や、同能力の保有を前提とした「統合防空ミサイル防衛(IAMD)」の導入を決定したことを踏まえています。長射程ミサイルなどの敵基地攻撃兵器は核兵器と同様、耐え難い打撃で敵を威嚇する「懲罰的抑止」に分類されます。
米政府は22年に決定した新たな「核態勢の見直し(NPR)」で中国やロシアを念頭に、核戦力の「可視化」を明記。核兵器の運搬を任務に掲げているB52の横田への飛来は、その具体化であることは明らか。


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