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日本共産党兵庫県委員会で働いています。

米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争③ 借金重ねて戦費調達

2021-09-17 07:13:22 | 国際政治
米同時テロ9・11 20年 報復戦争の教訓 対テロ戦争③ 借金重ねて戦費調達
米ブラウン大学ワトソン国際公共問題研究所が1日に発表した試算によると、20年間の対テロ戦争で米国が支払った費用は、今後の帰還兵対策を含めて約8兆ドル(約88兆円)に上ります。
ハーバード大学ケネディ行政大学院のリンダ・ビルメス教授が注目するのは、全体の約14%を占める「戦費の利子払い」です。
「対テロ戦争は戦費をどうまかなうか明確な計画も持たず、後から請求が来る『クレジットカード戦争』になっている。米史上初めてのやり方だ」と指摘します。



アフガンから帰還し、フォート・ドラム基地で手続きを行う第10山岳師団に所属する米兵=9月6日、ニューヨーク(ロイター)

利子に6.5兆ドル
ブラウン大学の研究所によると、米国は二つの世界大戦や朝鮮戦争といった過去の戦争では、最高税率の引き上げなど主に増税によって戦費を調達してきました。対照的に対テロ戦争は借金を重ねて遂行中です。さらにブッシュ(息子)、トランプの両政権は富裕層減税を実施しました。
2020年1月の時点で、仮に戦争の支出を直ちに止めたとしても、既存の借金の利子は50年までに6・5兆ドル(約716兆円)に達すると試算されていました。
ビルメス氏は「後から高額の請求が来るとぼんやりとは感じているが、いまは現金を払っていないので痛みを実感できない。このことが出費の監視を甘くし、戦争の継続を容易にした」と語ります。
また世界大戦やベトナム戦争などでは、大統領が議会や国民に向けて頻繁に演説し、戦争と増税について説明していたと強調。「過去20年を振り返ると、歴代大統領は実質的にまったくこうした議論をしなかった。それが戦争を忘れさせていった」と歴代政権の責任を指摘しました。
戦費のうち割合が最も大きいのが2050会計年度までにかかる帰還兵対策の費用です。障害を負った人への支援や治療などで出費は増え続け、27年後の2048年にピークを迎える見込みです。

国民を守らず
米シンクタンク「政策研究所」(IPS)は、同時多発テロ後に米国が対テロを念頭に国内外で進めた軍事化の費用は、21兆ドル(約2313兆円)に達すると指摘しました。直接の戦費のほか、海外基地の維持、核兵器に関する活動、他国への軍事支援、米国内でのテロ対策などを幅広く含めた試算です。
試算をまとめたリンゼイ・コシュガリアン氏は「軍事優先主義が感染症の世界的流行、貧困、社会の不安定化、気候変動から国民を守ることはなかった」と強調。「アフガンからの撤退は国民が本当に必要とすることに投資先を変える機会になる」とバイデン政権に政策転換を求めました。
(ワシントン=島田峰隆)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年9月14日付掲載


アフガンの戦争では戦費は借金で賄われた。それは、戦争が終わった後も続く。
戦費のうち割合が最も大きいのが2050会計年度までにかかる帰還兵対策の費用です。障害を負った人への支援や治療などで出費は増え続け、27年後の2048年にピークを迎える見込み。
日本も人ごとではありません。防衛費の装備品の大半が後年度負担で分割払いだからだ。

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