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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

徹底追及 統一協会 新世事件編⑤ 被害者が加害者に 販売と信仰「混然一体」

2022-09-01 07:08:52 | 政治・社会問題について
徹底追及 統一協会 新世事件編⑤ 被害者が加害者に 販売と信仰「混然一体」

統一協会(世界平和統一家庭連合)の霊感商法で、2009年に印鑑販売会社「新世」の社長らが特定商取引法違反の罪で有罪が確定した事件。今月10日に都内で記者会見した協会の田中冨広会長はこの事件を「一部信徒の経済活動」と呼び、協会が霊感商法をしたことは「過去も現在もない」と主張しました。しかし事件の訴訟記録からは、判決が認定した通り、印鑑販売と協会の宗教活動が不可分だった実態がみえてきます。

信者獲得へ
東京都渋谷区の「新世」の活動拠点から押収されたハードディスクにあった文書。「I(BP)からBF・教育Sの全体像」とするチャート図です。全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人の山口広弁護士が、「『I』は印鑑の意味。『新世』社長が印鑑販売と信者勧誘の実績を上げるために作成した文書だ」と解説します。
「一番左の『店舗』で客に印鑑を売ってから2週間で統一協会のビデオや書物を学ぶ段階に進ませる。半年あまりで『トレーニング』などを経て、入信まで進めるよう指示している」
右の最終段階にある「実践」は、販売員として街頭に立つこと。霊感商法の被害者が信者になり、「加害者」の立場にさせられることを示します。
その手前の段階にある「夫復帰」と「祝福」は、「夫を信者にして夫婦で『祝福結婚式』に参加させよという指示だ」といいます。



「I(BP)からBF・教育Sの全体像」と題する印鑑販売会社「新世」の文書

印鑑販売から信者獲得までが一連の流れに位置づけられていた―。販売員だった女性の供述調書もこれを裏付けます。
「私たちは印鑑販売の際、心が通じた方などを信者が運営する『フォーラム』などの施設に紹介し、統一協会の名前を出さずに教義である『統一原理』を伝え、その内容を受け入れたお客様に対し、統一協会の名前を出して、入信を勧めていた」
別の販売員だった女性も、「印鑑購入後にビデオセンターに連れていくなどして徐々に協会の教えを受け入れる土壌を相手の心の中につくり、機を見て入信してもらっていた。販売員の信者は、印鑑契約後も相手を信者とするための儀式や教育に関与しなければならなかった」と語っています。
「当初から入信させることを意識して印鑑を販売していた」という趣旨の供述は、幹部だった営業部長の調書にもみられます。

究極は資金
これらの証拠から、09年11月の東京地裁判決はこう認定しました。
「全員が統一協会の信者である被告会社(新世)では、設立当初から長年にわたり、印鑑販売の手法が、信仰と混然一体となっているマニュアルや講義によって多数の販売員に周知され、販売員らはこのような販売手法が信仰にかなったものと信じて強固な意志で実践していた」
山口弁護士は「物販活動を入り口に教義を教え込み信者化するシステムだが、究極は資金集め。統一協会の韓国人の幹部が日本人幹部に『今年は何億円』と指示すれば、それは神であるメシアの指示だから実現しないといけない。統一協会の本当の姿を広く知ってほしい」と話しています。
(新世事件編おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2022年8月31日付掲載


「一番左の『店舗』で客に印鑑を売ってから2週間で統一協会のビデオや書物を学ぶ段階に進ませる。半年あまりで『トレーニング』などを経て、入信まで進めるよう指示」
右の最終段階にある「実践」は、販売員として街頭に立つこと。霊感商法の被害者が信者になり、「加害者」の立場にさせられることを示す。
山口弁護士は「物販活動を入り口に教義を教え込み信者化するシステムだが、究極は資金集め」
韓国の統一協会の本部に送る。

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