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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

台湾 米中のはざまで④ 総統選に向け模索

2023-05-23 07:09:33 | 国際政治
台湾 米中のはざまで④ 総統選に向け模索

台湾与党・民進党は綱領に台湾独立を掲げるものの、蔡英文(さい・えいぶん)政権は独立も統一も推進しない「現状維持」を掲げ、中国政府との前提条件のない対話を求めてきました。
しかし、2016年の政権誕生後、中台関係は悪化しています。この7年間、中台間の公式の対話は実現していません。
政治関係の悪化は経済関係にも影響し、22年の中台貿易総額は前年比2・5%減。中国政府が台湾産パイナップルなど農産物、海産物、飲料品の輸入に制限をかけたことで、台湾から大陸への輸出額も減りました。



台北市内の繁華街を歩く人たち

対話がなく緊張
台湾淡江大学両岸研究センターの張五岳主任は、中台の公式の対話がなく、相互信頼がないため、米中対立を受けて緊張が高まっていると懸念。「政治的に違いがあっても、対立をあおったり、経済・貿易や人的交流に影響を与えたりすべきではない。この点で双方の政府に問題があると言わざるを得ない」と述べました。
最大野党・国民党の国際事務部の黄介正主任は「民進党は対話ができない。対話により全力で戦争を回避し、平和をつくるのが国民党の政策だ」とアピールしました。
台湾の政治大学選挙研究センターが昨年12月に行った世論調査によると、台湾の地位について過半数は「現状維持」を支持。「すぐに独立」(4・6%)や「すぐに統一」(1・2%)は完全に少数派です。



張五岳氏


黄介正氏

台北の大学院生の男性は、国際環境の変化や中国大陸の圧力で現状維持が難しくなっていると懸念。「民進党は台湾を守るというイメージがあり、台湾の現状を守るために民進党を支持する若者が多い」と語りました。一方、国民党については「中国に取り込まれていく可能性が高いと警戒している」と述べ、「若者の中で中国のイメージは非常に悪い。国民党は若者の支持を得ていない」と話しました。

民進党に不満も
民進党と考えが近いという大学院生の女性は「中台の政府が対話できれば関係がよくなると思う。しかし民進党政権では対話ができない。その点で不満を感じている」と指摘。「新しい政党が出てきて、新しい道を示してほしい」とも語りました。
来年1月には総統選挙が行われます。前回20年に蔡氏が圧勝で再選された背景には、香港の反政府デモの影響で、中台統一を主張する中国政府への警戒感が若者を中心に広がったことがありました。一方、昨年11月の統一地方選では政権の経済政策などに不満を持った若者の多くが棄権し、民進党が大敗しました。総統選に向け、台湾の人々、若い世代の模索は続きます。
(台北=小林拓也 写真も)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月20日付掲載


台湾淡江大学両岸研究センターの張五岳主任は、政治的に違いがあっても、対立をあおったり、経済・貿易や人的交流に影響を与えたりすべきではない。この点で双方の政府に問題があると言わざるを得ない。
最大野党・国民党の国際事務部の黄介正主任は「民進党は対話ができない。対話により全力で戦争を回避し、平和をつくるのが国民党の政策だ」とアピール。
民進党と考えが近いという大学院生の女性は「中台の政府が対話できれば関係がよくなると思う」「新しい政党が出てきて、新しい道を示してほしい」。

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