きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

シリーズ 原発の深層  第一部・原発マネー②&③ カラ工事疑惑&一億ずつ頂いた

2011-09-07 23:00:39 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第一部・原発マネー②&③ カラ工事の疑惑&一億ずつ頂いた


カラ工事の疑惑も

 8月17日。ある訴訟に対する判決が福井地方裁判所でありました。訴訟は、県の事業に不正工事が含まれていたとして、福井県の西川一誠知事を相手どり、本人、元知事、工事関係者らに損害賠償を支払わせるよう求めたものです。
 「本件訴えをいずれも却下する」。わずか20秒間の判決の言い渡しでした。原告の松本浩氏(72)=元教員、小浜市=は、静かに受け止めていました。
 訴えの対象は、同県高浜町内の脇坂公園を造成するため県が行った「ふれあいの浜辺事業」。脇坂公園から北に2計の地点には関西電力の高浜原子力発電所があります。同原発は1974年から稼働しています。
 「ふれあいの浜辺事業」の総事業費は45億円です。財源は県の一般会計でまかなわれましたが、国から原発立地自治体へ給付される電源3法交付金が含まれています。






訴え門前払い
 同事業の残土は、高浜町の安土地区で公有水面の埋め立てに使われました。埋め立て工事は、同町の事業で、費用は約36億円。借入金の返済には、電源3法交付金と、県から交付される核燃料税をあてにしています。
 福井地裁の却下理由は、松本氏らの訴えが、監査に必要な期間を過ぎて行われたものであるというものでした。訴えの内容には踏み込まない、いわゆる「門前払い」の判決です。
 「国から県に支出される60億円の核燃料サイクル交付金をあてにしたものではないのか。45億円の『ふれあいの浜辺事業』のうち、私が調べたところ実態のないカラ工事が18カ所にわたり、その金額は推計16億円にものぼる。そのうちの十数億円が県の裏金になったのではないか」。松本氏らは、控訴することを決めました。
 高浜町での不透明なカネの流れは、今に始まったことではありません。

覚書公開せず
 78年のことです。高浜原発3、4号機の増設を計画していた関電は、町や漁業協同組合に建設協力金を出しました。金額は9億円。当時、町当局は町内の漁協へ3億円を超える金額を支出したと説明しました。しかし、町側は関電と交わした覚書の提示などの書類を公開しませんでした。
 ところが、問題になったのは9億円だけではありませんでした。
 「当時、助役をしていた森山栄治氏が落とした手帳には、関電から受け取った金額は9億円ではなく24億円と書いてあった」
町議会関係者は原発マネーをめぐる闇の存在を語りました。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月2日付掲載




「一億ずつ頂いた」

 原子力発電所が集中立地する福井県は、合計15基もの原子炉を抱えています。国から支給される電源3法交付金は年間約100億円(2009年度)に及びます。
 ある日の県議会の後、日本共産党の佐藤正雄県議は自民党県議から、こう話しかけられました。
 「私らには原発技術のことは分からない。どうやって、原発行政を判断するのかといえば、それは地域振興だ。地域振興がOKなら、原発もOKなんだよ」
 実際、原発マネーは地域振興に役立ったでしょうか。
 日本原子力発電(原電)の敦賀原発や日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」が立地する敦賀市の場合、電源3法交付金は1974年度~2010年度の累計で462億7000万円に上ります。

製造業は廃れ
 敦賀市の山本貴美子(きよこ)日本共産党市議はいいます。「市は、交付金依存のハコモノ行政を続けてきました。一方で、地場産業の育成に力を入れず、ものづくりは廃れてきました」。79年から09年にかけて、市の製造業は、事業所数が半減したのです。
 原発マネーに依存する人たちの考え方も、荒廃していきました。




麻痺する感覚
 福井県に隣接する石川県の志賀町(しかまち)で88年12月、志賀原発1号機の建設が始まりました。その5年前の83年1月26日、同町で、当時の敦賀市長、高木孝一氏が原発の「先輩」として演説しました。
 「原子力発電所は、一瞬を争う事故というのはないそうです。そのかわり、100年たってカタワ(障害者を侮辱した言葉)が生まれてくるやら、50年後に産んだ子どもが全部カタワになるやら、それは分かりませんよ。分かりませんけど、今の段階ではおやりになった方がよい、いつまでも心配する時代ではない」
 原発マネーは、その推進者たちの人権感覚だけでなく、金銭感覚も麻痺させます。
 高木氏は、この演説でこういうことも語っていました。
 同市の気比(けひ)神社の修復費用を捻出するため、次の日に、北陸電力へ行って「1億円だけ寄付してくれ」と求めると明かしました。その上で、次のように述べました。
 「この間、東京で動燃(現・日本原子力研究開発機構)、原電の二つをまわりまして1億ずつ、そりゃもう『分かりました』ということで、いただいて帰ったんです。こうして寄付してもらうわけなんです」(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月3日付掲載



気比神社の修復費捻出のために北陸電力詣でをするってことって実際にやっているんですね。
100年、50年たって障がい者(放射能被害)が表れても、「それは知ったこっちゃない」って政治家の道義的姿勢が問われるんじゃないでしょうか。
本当に許されない事ですね。
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シリーズ 原発の深層  第一部・原発マネー① 町にナゾの巨額寄付

2011-09-06 23:25:55 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
シリーズ 原発の深層  第一部・原発マネー① 町にナゾの巨額寄付

◇東京電力福島原子力発電所の事故から6カ月、収東のめどは依然としてたっていません。シリーズ「原発の深層」で「安全神話」をふりまき原発を推進してきた勢力に迫ります。第1部では「原発マネー」に光をあてます。

 日本海有数の海水浴場として知られる福井県の若狭湾。わずか半径25~に15基もの原子力発電所が集中し、「原発銀座」と呼ばれています。原発推進のために巨額マネーが動き、自治体行政がゆがめられてきました。



 人口約9000人のおおい町。小浜湾を抱くように延びた大島半島の先端に関西電力大飯発電所があります。この町の財政には、長年巨額の寄付金が流れ込んできました。町当局は、寄付金の出どころは公表していません。しかし、原発への住民の不安を抑えるための「関電マネー」であることを否定する人はいません。
 町内63地区の集落すべてに「関電マネー」が注ぎ込まれる仕組みまでありました。

集落ごと買収
 ことの起こりは、1986年に町に寄せられた関電からと見られる5億円の寄付金でした。町当局は5億円の基金を設け銀行に預金し、その利子を集落に配布する仕組みを編み出しました。町は、そのために「大飯町集落ぐるみ町民指標活動支援基金条例」を制定したのです。
 各地区に最大で年間180万円ほどの、自由に使える金額が転がり込みます。集落の祭りや旅行、清掃などに使われます。これらは、集落単位の行事で、たとえ原発に反対している人でも参加しなければなりません。
 「大飯原発の3、4号機増設(87年着工)にともなう住民の不安を抑え込むのが狙いでした。これまで長年にわたっておこなわれてきましたが、まさに“集落ぐるみの買収”です」。おおい町の猿橋巧日本共産党町議は、厳しく批判します。
 また、同町(旧名田庄村)では、66年に関電による揚水発電所建設の話が持ち上がったこともありました。地域住民の移住も行われました。しかし結局、05年に計画は頓挫しました。




関電さまさま
 ある議会関係者は、こう証言します。
 「計画頓挫に伴い関電は迷惑料として、町に1億5000万円の現金を支払うといってきました。でも、関電は、これが表沙汰になれば、揚水発電建設で迷惑をかけたほかの自治体も要求してくるので、寄付金として表にでないようにしてほしい、といってきたのです」。関電のやり方には、隠密潜行という言葉がよく似合います。
 美浜原発のある美浜町には、06年度の一般会計に、12億3000万円、07年度は10億2000万円の寄付金が入りました。寄付者の名前がない匿名寄付金です。
 同町では、04年8月、美浜原発3号機で11人の死傷者を出す蒸気漏れ事故が発生しました。しかし、06年5月、福井県知事は同3号機の運転再開を了承する意向を示し、翌07年2月には営業運転が再開されたのです。
同町の女性(54)は語ります。
 「関電が地域にお金を寄付し、地域の有力者を取り込んでいる。企業も関電関係ばかりで、お金をあてにできるのは関電しかない。美浜町では“関電さまさま”なのです」
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月1日付掲載



金で原発を押し付けるってのはどこでもおんなじですね。一度原発を誘致すると、麻薬みたいに、そのお金に頼らないと自治体が運営できなくなるんですね。
“くわばらくわ”ばらです。

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安斎育郎さんと考える 放射能汚染⑥ 人体に居座り細胞に損害

2011-09-05 19:51:20 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
安斎育郎さんと考える放射能汚染⑥
人体に居座り細胞に損害



 今回は、人体に取り込んでしまうとやっかいなストロンチウム90とプルトニウム239をとりあげます。

ストロンチウム
 ストロンチウム90はセシウム137などと並んでウランの核分裂反応でたくさん生成されます。一番問題になるのは、食品汚染によって体内に取り込んだ場合です。
 ストロンチウム90の物理的半減期は28年ですが、化学的にはカルシウムに似た性質があり、魚や人体の骨に集まる傾向があります。生物学的半減期(前号参照)は50年もあり、いったん骨に取り込まれると、なかなか出ていきません。





 ストロンチウム90はベータ線を出し、半減期28年でイットリウム90に変わります(図1)。イットリウム90は安定した放射性核種ではありません。半減期64時間でジルコニウム90に変化します。こうしてようやく放射能を出さなくなります。
 実は、親の核種であるストロンチウム90が出すべータ線よりも、娘の核種であるイットリウム90が出すべータ線のほうが4倍もエネルギーが強烈で、破壊力が大きいのです。したがってストロンチウム90が体内に入ったら、ストロンチウム90のべータ線だけでなく、イットリウム90のべータ線も、被ばくすることになります。
 ストロンチウム90を体内に取り込むと、長い間骨に居座り、その間にイットリウム90、ジルコニウム90へと変化する過程で骨が被ばくし、造血作用などに影響を及ぼします。
 骨の部位によってもストロンチウム90の濃度は異なります。一般に、成長をやめてしまった骨では取り込み量は少なく、細胞分裂の活発な骨の先端部分では相対的に取り込み量が多くなります。
 ところが、体内に入ったストロンチウム90はベータ線しか出しませんので、ガンマ線を測るホールボディーカウンターでは検出が困難です。そのため、尿などの排せつ物を測って、その値から推定せざるを得ません。
 福島原発事故では、62キロ離れた福島県内の土壌からもストロンチウム90が検出されました。海も汚染され、福島原発周辺の海底からも検出されています。
 小魚にストロンチウム90が含まれれば骨が汚染され、食物連鎖でより大きな魚に蓄積される心配があります。今後しばらくの問は、日本近海だけでなく、海流に乗って放射能が拡散した海域で、とれた魚介類の放射能汚染のレベルを把握し、監視を続けないといけません。



プルトニウム
 プルトニウムという元素はもともと自然界に存在しません。核燃料に含まれるウラン238に中性子があたると、ウラン239ができます。これがベータ線を出してネプツニウム239に変わり、さらにべータ線を出してプルトニウム239に変わります。
 プルトニウム239の物理的半減期は2万4千年と途方もない長さで、アルファ線を出してウラン235に変わります。最終的に鉛の原子になるまで次々とアルファ線やベータ線を出しながら変化していきます。(図2)





 プルトニウム239を呼吸などで体の内に取り込んでしまうとなかなか出ていかないので、たいへんやっかいです。体の中では骨や肝臓に蓄積されます。
 福島原発の敷地の外でもプルトニウム239が検出され、大きな不安を与えました。食物などに汚染が広がらないよう、厳しい監視が必要です。
 プルトニウム自身はアルファ線しか出しません。アルファ線は空気中を数センチしか飛びませんから、プルトニウムが体の外にある限り、外部被ばくの心配はありません。水の中では0・03ミリほどしか飛べません。
 しかし、体内で細胞1個分程度を飛ぶ間に、全てのエネルギーを使い果たすので、細胞に局所的に大きな損害を与えます。
 細胞には、自分と同じ細胞をコピーするための情報が含まれています。その設計図がDNAです。遺伝情報を含んでいるDNAの鎖を放射線が断ち切ると、自己修復ができなくなったり、間違った情報をもとにがん細胞ができる原因になります。
 このように内部被ばくでは、外から放射線を浴びた場合と違って、「ミクロのホットスポット」が体内にできてしまいます。こうした内部被ばくの危険をきちんと評価できるのかについては今も議論が続いています。
 内部被ばくのリスクがどれぐらいあるのか、重みづけの係数は、まだよく分かっていません。それが分からない以上、市民としては、少しでも被ばくを避け、被ばく線量を低くするよう求めていくことが重要です。

「しんぶん赤旗」日曜版 2011年9月4日付掲載


核種によって体外に排泄される期間(生物学的半減期)が大きく異なってくるんですね。ストロンチウムやプルトニウムは骨や内臓に蓄積され、造血作用に影響したり、はたまたDNAを壊してガンの原因を作ったり・・・。
真に厄介ですね。
特に問題になるのは内部被ばくで、そのリスクはよく分かっていないというのですから、「すこしでも被ばくをすくなくする」という放射線防護学の鉄則に徹することですね。
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再生可能エネルギーって何?

2011-09-02 21:54:25 | 原子力発電・放射能汚染・自然エネルギー
再生可能エネルギーって何?

 地球環境にやさしく原子力発電に代わるエネルギーとして「再生可能エネルギー」への注目が高まっています。「再生可能」とは、利用状況は。調べるために街に飛び出しました。(大小島美和子)

何度も採取できる
 まず訪ねたのは、再生可能エネルギーを担当する環境省です。同省地球環境局地球温暖化対策課の環境技官・工藤俊祐さんが説明してくれました。
 「再生可能エネルギーとは、自然界から何度でも永続的に採取できるエネルギーです。太陽光、太陽熱、風力、水力、地熱、バイオマスなどですね。石油や石炭など、使い続けるといずれは枯渇する化石エネルギーと対置されます」
 地球に太陽の光や熱が降り注ぐかぎり、風が起こり、雲が生まれ、雨が降って、海に流れ込み、また蒸発して雲になり…。繰り返される自然現象の中から得られるエネルギーです。地球の表面下10キロにはマグマがたまっている場所があり、地熱もばく大です。バイオマスは、生物起源のエネルギーをいい、植物や廃棄物のほか家畜のふんなどがあります。

潜在的可能性は大
 工藤さんは、環境省が4月に発表した「再生可能エネルギー導入ポテンシャル調査」を担当しました。調査報告書は、風力、太陽光、中小水力、地熱の発電の潜在的導入可能量(導入ポテンシャル)を約20億キロワットと推計。これは国内の全発電設備容量の10倍にあたります。
 山が急しゅんで急流河川が多く、国土面積の7割は森林で覆われる日本。火山列島でもあります。「再生可能エネルギーの潜在的可能性はとても大きい」と工藤さんは強調しました。
 再生可能エネルギーを推進する組織を訪ねました。
 「風力は資源量も豊富で、発電導入コストも比較的低く、期待されています」と日本風力発電協会の花岡陸夫事務局長は語ります。
 国内の現在の導入量は244万キロワット、風車数は1807基です。
 花岡さんによると、風車は約2万点の部品から成っています。ガソリン車の3万点、電気自動車1万点にも匹敵します。新たな産業と雇用の創出に期待しています。
 1000キロワット以下の小水力発電を奨励している全国小水力利用推進協議会。「地域住民や集落で取り組めるのが小水力発電です」と中島大事務局長がいいます。
 協会が把握する1000キロワット以下の小水力発電所は約500カ所。地形に沿って設置するため、タービンや設備の形などは多様です。




技術も資金も十分
 地球温暖化防止と再生可能エネルギーの普及に取り組んできた民間の研究機関、環境エネルギー政策研究所の主席研究員・松原弘直さんがいいます。
 「再生可能エネルギーの利用は、もともと地球温暖化防止、CO2の排出削減対策の一環として取り組まれてきました。日本には、再生可能エネルギー導入の資源的可能性も技術も資金も十分にあります。しかし、導入への取り組みは世界に比べ大きく遅れています」政府が原子力発電を“CO2を出さないクリーンなエネルギー”として推進し、再生可能エネルギー導入への本格的支援が遅れたことが要因と指摘します。再生可能エネルギー発電の買い取り制度は世界61カ国で導入されています。日本では、今年8月26日、ようやく再生可能エネルギー買い取り法が成立しました。太陽光などの発電電力を長期・固定価格で買い取ることを電力会社に義務付けます。
 松原さんらは、この制度が再生可能エネルギーへの投資を促進するとみています。松原さんはいいます。
 「送電網の整備など、再生可能エネルギー導入前進のために課題はたくさんあります。しかし、市民・住民多数がまず参画し、とりくみながら解決していこうという姿勢が大切ではないでしょうか」


「しんぶん赤旗」日刊紙 2011年9月1日付掲載



日本は、大きな導入可能性を持ちながら、導入が進んでいない「再生可能エネルギー」です。

世界の国々はどうなんでしょうか?
石油ショックで自然エネルギーに切り替えたスペインチェルノブイリ事故で原発から撤退したイタリア

同じ外部的要因でも、自ら作った「原発神話」にしがみついて原発建設を進めた結果で、自然エネルギーがわずか1%という現状になっています。


今からでも遅くありません。「原発からの撤退」「自然エネルギーの本格導入」「低エネルギー社会(24時間営業・長時間労働など改善)」など政府の政策転換が求められていると思います。
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