きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

「はやぶさ」の次は“親子” JAXA 小惑星試料採取計画

2023-05-25 07:10:29 | 科学だいすき
「はやぶさ」の次は“親子” JAXA 小惑星試料採取計画
小惑星から砂などの試料を持ち帰った探査機「はやぶさ」「はやぶさ2」の技術を継承する「次世代小天体サンプルリターン(SR)計画」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で検討されています。目標天体は地球―木星軌道間を周回する彗星(すいせい)が有力で、JAXAは昨年、はやぶさ2の運用経験者を中心とするワーキンググループ(WG)を設置。2030年代半ばの打ち上げ、40年代半ばの帰還を視野に、探査機の構成や目標天体の選定などを進めています。


宇宙航空研究開発機構(JAXA)の次世代小天休サンプルリターン計画を検討するワーキングクループ中心メンバーの佐伯孝尚教授(右)と嶌生有理主任研究開発員=4月17日、相模原市中央区

低リスクで往復
探査機は、目標天体への往復航行を担う親機(巡航ステージ)と、到着後に観測や着陸・試料採取(タッチダウン)を行う子機(探査着陸ステージ)の構成。WG中心メンバーの佐伯孝尚JAXA教授は「親機子機方式はリスクを低減しながら、何回も試料を取りに行ける」と利点を語ります。
また、彗星など遠方の探査は往復に10年以上かかる一方、目的地での観測期間は1年程度。機体を親子に分ければ、子機側は長寿命で高価な部品が不要になります。さまざまな探査で親機を共通化すれば、コスト削減にもつながります。
はやぶさ2では、カプセルの気密性を高めて気体の採取に成功しましたが、帰還までの温度変化などで失われた情報も多くなりました。そこで、次世代探査では分析装置を載せた「その場分析」を計画。彗星の内部構造を調べるため、レーダーを使った透過観測や、地震計の設置も検討されています。

技術継承しよう
ただ、技術的な課題は多い。次世代探査機は太陽から遠い木星圏まで飛ぶため、電力確保には地球近傍に比べて20倍前後の面積の太陽電池が必要。探査機全体の省電力化と軽量・高効率の新型電池の開発が必須となります。
親機への試料受け渡し方法も課題です。タッチダウン後に子機が親機に再ドッキングする方法のほか、子機が放出した試料容器を親機が受け取る「空中受け渡し」も検討されています。
佐伯さんは「あれだけうまくいったはやぶさ2の技術がどこにも伝承されないのはもったいない。この手の探査をやれる能力を保持する仕組みをつくらないといけない」と話しました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月23日付掲載


目標天体は地球―木星軌道間を周回する彗星(すいせい)が有力。
2030年代半ばの打ち上げ、40年代半ばの帰還を視野に、探査機の構成や目標天体の選定を。
探査機は、目標天体への往復航行を担う親機(巡航ステージ)と、到着後に観測や着陸・試料採取(タッチダウン)を行う子機(探査着陸ステージ)の構成。親機子機方式はリスクを低減しながら、何回も試料を取りに行けると。
機体を親子に分ければ、子機側は長寿命で高価な部品が不要に。
10年後、20年後が楽しみ。
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社会と時代を鋭く 公募写真展「視点」 東京美術館 6月7日~13日

2023-05-24 07:01:23 | いろんな取組み
社会と時代を鋭く 公募写真展「視点」 東京美術館 6月7日~13日
第48回全国公募写真展「視点」(日本リアリズム写真集団、2023年「視点」委員会主催)が6月7日から、東京・上野の東京都美術館で開かれます(13日まで)。プロやアマチュアの区別なく自由なテーマで応募できる同展には、毎年、社会と時代を鋭く見つめる幅広い世代の人たちの作品が寄せられます。
今年は607人(1350作品)が応募し、254人が入賞・入選しました。写真は視点賞を受賞した豆塚猛さんの「大和古事記風土記」(6枚組)です。




7日午後1時半、10日午前10時からフロアレクチャー、10日午後2時から表彰式を行います。
※連絡先は日本リアリズム写真集団:03(3355)1461、会期中は同美術館:03(3823)6921。一般500円、学生300円、高校生以下無料。本展以降、仙台、兵庫、三重の3カ所を巡回します。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月19日付掲載


兵庫県は、尼崎市の尼崎総合文化センター(旧アルカイックホール)で9月に開催予定。
昨年も兵庫展を観に行きましたが、なかなかの力作ぞろいです。
楽しみです。
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台湾 米中のはざまで④ 総統選に向け模索

2023-05-23 07:09:33 | 国際政治
台湾 米中のはざまで④ 総統選に向け模索

台湾与党・民進党は綱領に台湾独立を掲げるものの、蔡英文(さい・えいぶん)政権は独立も統一も推進しない「現状維持」を掲げ、中国政府との前提条件のない対話を求めてきました。
しかし、2016年の政権誕生後、中台関係は悪化しています。この7年間、中台間の公式の対話は実現していません。
政治関係の悪化は経済関係にも影響し、22年の中台貿易総額は前年比2・5%減。中国政府が台湾産パイナップルなど農産物、海産物、飲料品の輸入に制限をかけたことで、台湾から大陸への輸出額も減りました。



台北市内の繁華街を歩く人たち

対話がなく緊張
台湾淡江大学両岸研究センターの張五岳主任は、中台の公式の対話がなく、相互信頼がないため、米中対立を受けて緊張が高まっていると懸念。「政治的に違いがあっても、対立をあおったり、経済・貿易や人的交流に影響を与えたりすべきではない。この点で双方の政府に問題があると言わざるを得ない」と述べました。
最大野党・国民党の国際事務部の黄介正主任は「民進党は対話ができない。対話により全力で戦争を回避し、平和をつくるのが国民党の政策だ」とアピールしました。
台湾の政治大学選挙研究センターが昨年12月に行った世論調査によると、台湾の地位について過半数は「現状維持」を支持。「すぐに独立」(4・6%)や「すぐに統一」(1・2%)は完全に少数派です。



張五岳氏


黄介正氏

台北の大学院生の男性は、国際環境の変化や中国大陸の圧力で現状維持が難しくなっていると懸念。「民進党は台湾を守るというイメージがあり、台湾の現状を守るために民進党を支持する若者が多い」と語りました。一方、国民党については「中国に取り込まれていく可能性が高いと警戒している」と述べ、「若者の中で中国のイメージは非常に悪い。国民党は若者の支持を得ていない」と話しました。

民進党に不満も
民進党と考えが近いという大学院生の女性は「中台の政府が対話できれば関係がよくなると思う。しかし民進党政権では対話ができない。その点で不満を感じている」と指摘。「新しい政党が出てきて、新しい道を示してほしい」とも語りました。
来年1月には総統選挙が行われます。前回20年に蔡氏が圧勝で再選された背景には、香港の反政府デモの影響で、中台統一を主張する中国政府への警戒感が若者を中心に広がったことがありました。一方、昨年11月の統一地方選では政権の経済政策などに不満を持った若者の多くが棄権し、民進党が大敗しました。総統選に向け、台湾の人々、若い世代の模索は続きます。
(台北=小林拓也 写真も)(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月20日付掲載


台湾淡江大学両岸研究センターの張五岳主任は、政治的に違いがあっても、対立をあおったり、経済・貿易や人的交流に影響を与えたりすべきではない。この点で双方の政府に問題があると言わざるを得ない。
最大野党・国民党の国際事務部の黄介正主任は「民進党は対話ができない。対話により全力で戦争を回避し、平和をつくるのが国民党の政策だ」とアピール。
民進党と考えが近いという大学院生の女性は「中台の政府が対話できれば関係がよくなると思う」「新しい政党が出てきて、新しい道を示してほしい」。
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台湾 米中のはざまで③ 進む大陸との交流

2023-05-22 07:08:54 | 国際政治
台湾 米中のはざまで③ 進む大陸との交流

金門島の向かい側は、中国福建省アモイ市です。2001年以降、両岸の交流が進んでいます。アモイ市から金門島までは、フェリーの航路で結ばれており、片道約30分で往復の費用は日本円で5000円ほどです。
金門島に住む30代の男性は「昨日はフェリーでアモイ市まで行き遊んできた。金門島の人はよくアモイまで遊びに行く。台北に行くよりも近くて安い」と話します。
金門島とアモイ市の間で01年、通商、通航、通運を限定的に認める「小三通」と呼ばれる交流が始まりました。新型コロナウイルス流行前の19年には、のべ200万人以上が大陸・金門間を往来しました。
コロナ禍で途絶えていた両岸のフェリー航路は今年1月に再開。ただ、大陸から台湾への観光客が解禁されていないため、いまは原則的に台湾住民にしか乗船が認められていません。

【中台貿易】
2021年の中国大陸と台湾との貿易総額は3283億ドル(約44兆円)で、11年の約2倍、01年の約10倍です。一方、22年の中台貿易総額は3197億ドルと前年比2・5%減。台湾から大陸への輸出が前年比4・6%減と大きく減りました。大陸側による台湾産水産物などの輸入禁止の影響とみられます。台湾にとって中国大陸は最大の貿易相手。ただ台湾の貿易総額に占める大陸の割合は、20年の43・9%から22年には38・8%に下がりました。



金門島行きフェリー乗り場近くにあるショッピングモール=4月1日、中国福建省アモイ市

就航再開期待
アモイ市の旅行会社で働く女性は「アモイ市民はフェリーで金門島に行ける日を待ちわびている。以前は週末に1泊や日帰りで金門島に行き、買い物や食事を楽しんでいた市民は多い」と語ります。
アモイ側の金門島行きフェリー乗り場は4年前に改修され、その翌年には巨大なショッピングモールが完成しています。コロナの影響で、買い物客はほとんどなく今は閑散としています。旅行会社の女性は、「大陸住民のフェリー乗船が再開すればモールも盛り上がるはず。準備はできている」と期待を語りました。
大陸からの観光客再開を期待するのは、金門島側も同じです。あるタクシー運転手は「大陸からの観光客はとにかく人数が多い。金門島の経済にとっては重要だ」と言います。
昨年10月には、金門島と西隣の小金門島を結ぶ全長5・4キロの巨大な橋が開通。それまでは船で行き来していましたが、往来は格段に便利になりました。

水不足を解消
18年から金門島には中国福建省泉州市のダムから海底パイプラインを通って水が供給されています。島の東部にある貯水池「田埔ダム」では、中国から送られた水をなみなみとたたえていました。
雨が少ないこの島では、かつて水不足が深刻でした。貯水池の近くに住む男性は「以前はよく断水になった。大陸からの水が来るようになって生活は便利になった」と話しました。
貯水池の近くには「両岸共飲一江水(両岸で同じ川の水を飲む)」と赤い字で書かれた石碑が建てられていました。台湾海峡の緊張の一方で、金門島と大陸の交流は着実に進んでいました。
(台湾金門県、中国福建省アモイ市=小林拓也 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月19日付掲載


2021年の中国大陸と台湾との貿易総額は3283億ドル(約44兆円)で、11年の約2倍、01年の約10倍。
台湾にとって中国大陸は最大の貿易相手。
コロナ禍で中国大陸から台湾への交通が止められています。
中国側のアモイ市では巨大なショッピングモールが完成。中国も台湾もお互いの交通の再開を待ち望んでいます。
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台湾 米中のはざまで② かつての最前線の島は

2023-05-21 07:07:04 | 国際政治
台湾 米中のはざまで② かつての最前線の島は

中国福建省アモイ市や泉州市に近接する台湾の金門島。かつて中国大陸側から集中砲撃を受けた最前線の島は今、どうなっているのか。最大都市台北から同島に向かいました。
台北から飛行機で台湾海峡を西に約1時間。飛行機の窓から金門島を見下ろすと、緑の木々と赤茶色の屋根が目立ちました。島の西北部からはアモイ市のビル群がはっきり見えます。大陸まで近い場所では2キロほどしかありません。
1945年8月の日本の敗戦後、中国共産党と国民党の内戦が勃発。内戦に敗れた国民党は49年、大陸から台湾に移動しました。一方、国民党軍は中国人民解放軍の攻撃から金門島を死守。その後、同島を守るために最大で10万人規模の軍人が駐留し、79年まで双方が砲撃を繰り返しました。



【金門県】
大金門島、小金門島など計12の島で台湾の金門県を形成し、面積は約150平方キロメートル。約6万人が生活。以前は軍事拠点でしたが、1992年に戒厳令が解除されました。

多くの観光客
当時の軍事施設は現在、観光地化されています。大陸からの観光客は、新型コロナウイルスの影響で一時停止となり解禁されていませんが、台湾本島から多くの観光客が訪れていました。
台湾軍が大陸に向けて砲撃したという山をくりぬいて造られた巨大な軍事施設「獅山砲陣地」では、軍服を着た解説員による空砲発射パフォーマンスが1日に6回行われています。「バンッ」と空砲が鳴ると、観光客からのどかな笑い声と拍手が起こりました。
ほかにも大陸側に政治宣伝放送を流していた施設なども公開され多くの観光客が見学していました。
「八二三砲戦」と呼ばれる58年8月から10月の期間に、人民解放軍が行った集中砲撃では計47万発以上の砲弾が撃ち込まれ、金門島の住民や軍人440人以上が死亡しました。
金門島に残された大量の砲弾は今、島の職人たちにより包丁に生まれ変わっています。包丁の工房を訪れると、火が燃え盛るかまどの近くで職人たちが手際よく作業していました。30分ほどで包丁1本が完成するといいます。
工房の従業員は「1発の砲弾から60本くらいの包丁をつくることができる。砲弾の鉄は質が高いので良い切れ味の包丁になる。地下の倉庫にはまだたくさんの砲弾がある」と説明しました。武器も生活用品にかえてしまう金門島の人々のたくましさを感じます。



砲弾から包丁をつくる職人たち=4月18日、金門島

「戦争望まぬ」
タクシー運転手の呉さん(70)は「当時は多くの人が死んだ。戦争で死ぬのはいつも庶民。政治指導者は安全な場所で命令するだけだ」と語りました。金門島で生まれ育ち、58年の砲撃も体験しました。「金門島の人々は戦争を望まない、平和を愛する。両岸(中台)は兄弟だ。戦争をしてはいけない」
(金門県〈台湾〉=小林拓也 写真も)(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年5月18日付掲載


中国福建省の目と鼻の先に、台湾領の島・金門島があるなんて知りませんでした。
かつては軍事要塞だった島が、今は観光地になっているって。
中国から打ち込まれた砲弾が今も残っていて、それを使って包丁を作っているとか。
たくましさを感じます。
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