二月に入って何故か日経平均株価が急上昇し1989年12月29日の38,915円を更新しました。要因として中国株からシフトした資金の流入、株式構成銘柄の入れ替え効果、NISAへの期待と思惑、コロナ禍での金余り、堅調な企業業績などが上げられていますが、一部の値嵩株が上がっているだけのようです。バブル当時を少し知っている私にはサッパリ分かりません。
当時は低金利政策と公共事業の増加によって企業も個人も金余りの状況で株と不動産に資金が流入し、日本中が活気に溢れていました。
殆どの人が含み益が増えただけなのに儲かった様な気になり、旅行や買い物に明け暮れていました。異様に消費が盛り上がっていたのを覚えています。そんな当時と今とでは状況に雲泥の差があるのに株価だけが同じ水準にあるのは何とも腑に落ちません。
行き過ぎと判断した当局は公定歩合を引き上げ、銀行の不動産融資を制限したことでバブルが弾けその後の失われた30年に突入し、デフレとゼロ金利で先の見えない状況が続く事になります。今はまだその延長線上にあり、バブルではありません。
今の株価をどう見るかは悩ましいところです。株は思惑で動くので今後どうなっていくのか分かりませんが、少し冷静に見たほうが良さそうです。