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集団的自衛権  憲法改正

2014年05月05日 | 政治 経済 社会 憲法
今年の68回憲法記念日の話題は、TV,新聞などほとんどが「集団的自衛権の憲法解釈変更」問題だ。
1年前は、96条の改憲手続きの改定とその後での自民党改憲草案に基づく9条改憲についてだったが、かなりチマチマした方向になってきている。
今、阿倍政権は、尖閣領有権、慰安婦問題など中国、韓国の反日の脅威に対して、集団的自衛権を軸にした日米同盟のより一層の強化により積極的平和を果たしてい行く、と世界に発信している。  

「パックス・ロマーノ」「パックス・ブリタニカ」そして今「パックス・アメリカーナ」
歴史的にも、力による支配は長くは続かない。
650年も続いたオーストリア:ハプスブルク家の統治は、軍事力ではなく、政略結婚と圧倒した文化(音楽、演劇、建築etc.)であったという。
覇権国:アメリカの力とは何だろう?
圧倒する陸海空・情報ITのパワー、それと民主主義・人権という大儀名分だろうか。
しかし、地球規模の開発が行き着いた現在、アメリカの抱える問題は深刻で、必ずしも世界の模範になるような国ではない。
双子の赤字、資源・エネルギー問題、人種・貧困格差etc.
一方で、
生物、文化・伝統、性差・障害者など、多様性を許容する寛容な世界づくり!
そういう動きが、年々加速している。
尖閣の国有化、靖国参拝など、
いたずらに隣国との対立をあおり、敵対関係の緊迫化を理由に同盟関係を強化する方向が、意図的に行われているとしたら・・・
米タイム誌では、安倍首相を”歴史修正主義者のコレクター”と警戒しているとか。
確かに、NHK経営委員、内閣法制懇、日銀総裁など、自分の同士?を任命、このお友達がとんでもない失言などで識者のヒンシュクを買っている。
最近、2人の外国人歴史学者(アメリカとオーストラリア)の本に、こういう見方もあるんだ!と啓発された。
「まだ「対米従属」を続けるのか?;世界的大家からの提言」:
要点1) サンフランシスコ体制は、戦勝国:中国/韓国・北朝鮮 抜きに、アメリカ主導によりできたこと。
   (とくに、朝鮮動乱(戦争)時に、日本の復権と合わせて)
要点2)戦後の安保体制は、ソ連・中国を中心とする封じ込め政策の一環という一面が強いこと
要点3)従って、日本の戦争責任と領土問題は、あいまいに処理されたままといえること。
要点4)今や、力をつけた隣国(中国、韓国)が、権利を主張し始めたことはある意味で当然のこと。
要点5)提言:アメリカだけでなく、東アジアへの取り組みが将来志向として重要であること。
    (そのためには、相手の立場になって歴史認識を共有することが不可欠)
  つまり、中国の言い分にも正当性がないか?韓国の立場にも?よく考えてみる必要がある。
モデル:ドイツはフランスはじめ侵略国に対し、徹底的に謝罪し続け、EUを成し遂げた。
質の高い、成熟した大人の国家として尊敬を集めている。

これから、衰えていくアメリカ、強くなる中国という構図がはっきりしていくという予測もある中で、一方に組しているだけの日本の進路は危うい方向に向っているような気がしてならない。
集団的自衛権や特定秘密法案については、必要かどうか?良い悪い?以前に、誰がそれを主張しているか?、だという気がする。今の政権は、未熟な感じがしてとても信用できない。

(以下2013年5月4日分)
昨日5月3日は憲法施行の日、1947年(S22)発効の日から、丸36年間一度も改定されていない。
今年は阿倍政権の96条改憲の動きで、マスコミも盛んに取り上げている。
憲法9条の改正により、「集団的自衛権を行使できるようにしたい」
しかし、現状の改憲手続きでは、
「両院総数の2/3以上の賛成」だから、現在の参院のねじれ状態では改定がムリ、だからこれを「過半数の賛成」に改定したい。
阿倍政権の96条先行改定案は、こういった単純な主張だというのが一般的な見方だろう。
実にスジが悪い。
わがまま息子が、自分がケンカに負けるのは、弱い友達とやらないからだ、「ママ、もっと弱い相手を見つけてちょうだい」
と言っているようなものだ。そう、阿倍お坊ちゃんのこと!
先の政権投げ出しで挫折を経験し、なるほど”覚悟”は感じられるが、その力量が伴ってるだろうか??

自衛隊が強化されるたびに、9条2項「陸海空軍、その他の戦力はこれを保持しない」
しかし、「現実に自衛隊は戦力を持っているではないか、成文憲法として矛盾する」という点が問題とされる。
司法や内閣は、「自然法上、主権国家は自らの生存権を持っているはずだから、自衛できるのは当然だ」という見解で合憲としているようだ。
自民党の憲法改正草案(2012/4):
第9条1項で、戦争放棄をうたい、
2項「・・自衛権の発動を妨げるものではない」
第9条二「内閣総理大臣を最高指揮官とする国防軍を保持する」
要するに、自衛隊を憲法で認め、日米同盟の集団的自衛権を積極的に行使したいということ。

ならば、堂々と論戦を張り、国会という”選良の議員”による熟議で改正案をまとめればいい。
しかし、違憲状態の”一票の格差”や年金・福祉・震災復興などの重要課題を、党利党略(否 個人的な利害)で離合集散を繰り返している、今の議員たちにこれは望むべくもない。
何とも情けない話だ。

今年の憲法論議は、立憲主義についての解説が多かったので、大変参考になった。
**立憲とは、「権力は放っておくと悪いことをする、だから国民の方から権力を縛るもの」だとか。
そうなんだ。
大戦は、みな当時の政治権力による過ちで、最大の国民人権侵害だという意見がある。
現行憲法制定の際、GHQの一院制に対して、日本政府は2院制を主張して実現させたとのこと。
「多数の暴走、国民の間違い」を視野に入れた知恵!
そういえば、先の民主党政権を選んだ時も、大多数が淡い期待で間違いを犯した結果に。
(悔しいが、自分もその一人)

**戦後1回も改定していな国は日本だけ!
それは改定条件が厳しいから?? 自分もてっきりそうだと思っていた。
ところが、戦後の改定回数:アメリカ6回、フランス27回、ドイツ59回と多い諸外国も、すべて「各院の2/3以上の賛成」という手続きの中で改憲を実現している。
明らかに、国会議員の力量・資質の問題だろう。”ただの人”が多すぎる。
突き詰めれば、国民の意識、民主主義の精神の未熟さにつながっているのかも知れない。
ちなみに、イギリスの場合、特に憲法は無く(不文憲法)、”議会決議・裁判所の判例・国際条約のうち、国家の性格を規定するものの集合体”とされ、議会中心の君主制。
歯切れのよい人たち(石原元知事、橋本維新の会、小泉元首相etc.)や腹芸に長けた人たち(小沢元民主党主etc)に、熱くなる国民性が、今でも根強い。


たとえ、正論を主張しても、まともに聞き入れてもらえない土壌があるように思う。
「義理と人情と度胸」のリーダーシップが、「知と理」に勝る封建土着の思想・・・
市民革命を自らの手で勝ち取った西洋社会とは、次元が違いすぎる。
丁度いま上映中の「リンカーン」での話:
南北戦争のさなか、大統領として奴隷解放に政治生命を懸けて、憲法13条修正に必要な「3分の2以上」の賛成を勝ち取った物語だ。
反対する議員に向かって、自由と平等、公平さへの強い信念と粘り強い説得があったからこそ、賛同を得たのだ。
先の首相の軽い”覚悟”やら、前野田首相の毎晩一升酒で憂さを晴らしながらの”政治生命をかけて”とは、雲泥の差・・・
我々国民の意識が、先進国並みになれば! というのははかない望みか。




















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