コロナ禍前の今頃より混雑してると地元住民氏情報。
でもそんなこと気にしていたら展覧会に行けないじゃん!と発破。
今にもなんか降ってきそうな空模様の鎌倉。
若宮大路から鶴岡八幡宮さまへと向かう。
地元住民氏もアレ不思議だよなと言っていたけど、小町通りはごった返していても、頼朝が政子の安産を祈願して造った由比ヶ浜から鶴岡八幡宮への参道であるところの若宮大路を歩く人は多くないのだ。
鶴岡八幡宮さまのお池には、白いスイレンが咲き始め、ハスの蕾が出てきた。
境内を通り抜けて神奈川県立近代美術館鎌倉別館へ。
神奈川県立近代美術館鎌倉別館。
「これってさわれるのかな?-彫刻に触れる展覧会-」。
会期は6月11日~9月4日。
美術館で作品に触る展覧会というのは私は初めてだ。
神奈川県立近代美術館の所蔵品の中から選ばれた24点を、「人のかたちにさわってみよう」・「浮彫にさわってみよう」・「何をあらわしているのかな?」・「図形のようなかたちにさわってみよう」・「音を聞いてみよう」の五つにわけて展示する。
ギャラリーに展示されている彫刻家・北川太郎の作品は、素手で触れて撮影可能。
展示室の作品は、受付で使い捨てのビニール手袋をもらって着用して触り撮影不可。
展示室には、ロダンやブールデルや船越保武やケネス・アーミテージや浜田知明やマルタ・パンや23作家の24作品が並ぶ。
触った瞬間にゾクッとした。
目をつむって作品を撫でまわすように触ってみる。
作家の手や指や体温を感じるのだ。
野外彫刻にそっと触れてみることはあるけど、いくらブロンズとはいえ、裸婦や裸夫を撫でまわすなんてことは通常は色んな意味でできない。
そして、吉村弘の「サウンド・チューブ」はユニークだ。白く塗られた筒を持ちあげると水の音がする。なんか実際に自分でつくれそうな気がしてしまう。夏休みの工作。
ギャラリーの北川作品。
岡山にアトリエをかまえる北川太郎はひたすらに石と向き合い、それぞれの石からそれぞれの造形を引き出す。
それぞれの石を触っていると北川の感性とつながった気がするが不思議。
人と人は、男女の関係ばかりでなく、見知らぬ同士でも体温を通じて語りあっていたものだったんだと気が付いた気がしたコロナ禍。
美術館を出たら雨がぱらついてきた。
今日は太陽も月も見えない夏至。
明日から畳の目ひとつずつ日が短くなっていく。