目の中のリンゴ

20年ぶりにオペラ座熱が再燃!!

「茗荷谷の猫」 木内昇

2010年10月17日 | 読書
以前、新選組モノを2作を
(「幕末の青嵐」「地虫鳴く」)読んで
その文体や雰囲気が好きだった木内昇さん。

最新作の「漂砂のうたう」の書評をよく目にするので
そちらを図書館にリクエストしたついでに
既刊のコチラも読んでみました。

「茗荷谷の猫」(木内昇 平凡社)

幕末から昭和初期の東京を舞台に描かれる短編集。
巣鴨染井、品川、茗荷谷町、市谷仲之町・・・など
地名がつけられた九つの物語は
ひっそりとリンクしています。
東京の地理には疎いので、イメージがわかないけど
知ってる人が読めばもっと感慨深いかも。

登場人物は、市井のひとびと。
でも、何か強い思いに取り憑かれて
生きている人たちです。
歴史に名を残す人物ではなくても
人は何かを後に残していくもんなんだなぁ・・・。

地味で硬質な中にも、じんわり染み出す
切なさや哀しさ、愛しさがあって、
この人の文章はとても好きです。
最近は軽くて読みやすい小説を読むことが多いけど
久しぶりに文芸のかほりでした。

他の作品も追いかけて読もうっと。
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