月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

あみがさたけ

2016-05-13 22:44:33 | キノコ
アミガサタケについて(ほぼウィキペディアの受け売り)
アミガサタケは子嚢菌(しのうきん)の仲間で、キノコの主流の担子菌類とは別のグループ。どちらかというと下等と見られている。チャワンタケ類やノボリリュウ類、トリュフ、冬虫夏草、地衣類、チャコブタケやカエンタケなんかも子嚢菌だけど、大半が小型ななかでアミガサタケ類はとび抜けて大型のキノコを作る。

生態について

・広葉樹の木材を分解する能力を有する。リグニンを分解可能(子嚢菌の仲間としては超ハイスペック)
・ヨーロッパで針葉樹の根に外生菌根(ギブ&テイクな菌根)を作ることが判明(これまた子嚢菌としては破格の高性能)
・それとは別に、黄色モレル系のアミガサタケの一種が広葉樹に菌根を作ることが判明。ただしこれは内生菌根(どっちかっていうと原始的な菌根)
・木だけじゃなく、一部の草の根にも侵入する(そんなのキノコであんまり聞いたことないぞ?)。トクサ属、ネギ属、タンポポ属、ヒヨドリバナ属・・・トクサってシダだし(幅広すぎ)

有機物を分解する能力とともに、菌根を作る能力がある。これはアミガサタケの種類によって異なるのか、それとも環境に応じて使い分けるのか、そこまでは読み取れないけど、いずれにしてもきわめて高い適応能力を持っているといえる。特に外生菌根は、子嚢菌の中ではトリュフだけが例外的に持っている能力だと思っていたから驚き。

植物のように光合成をして暮らすものから、共生菌、腐朽菌、寄生菌、病原菌まで・・・子嚢菌はきわめて幅の広い生活タイプを持つグループだということがこれでさらに裏付けられた。アミガサタケ類という一つのグループをとっても、これだけの生活パターンが見いだせるということは、その柔軟性を示すものだと思う。