月刊 きのこ人

【ゲッカン・キノコビト】キノコ栽培しながらキノコ撮影を趣味とする、きのこ人のキノコな日常

こてんぐたけもどき

2021-09-17 00:59:12 | キノコ
名だたる猛毒キノコを含む危険なグループ、テングタケ類。
正直なところ、このグループのキノコさえ避けておけば、死に至るような重篤な中毒事故の8割は防ぐことができる。だから、仮に毒がないとしても、みんな手を出さない。まともに利用されてるのはタマゴタケくらいかな。

写真のコテングタケモドキは、そのテングタケ類の中でも特に危険な「タマゴテングタケ節」というグループに属する。基本的にはこれも有毒種扱いでアンタッチャブルなキノコ・・・のはずなんだが。

実はこのキノコを食べている人がいるという噂が、以前からまことしやかに語られていた。ネット上には試食してみたという記事もあり、個人的に真相を知りたいところだったが、最近、SNS上で「常食している」という方に出くわした。

どうも別のキノコ(オオフクロタケ)と誤認していたらしいのだが、とにかく15年来食べ続けており、食後も身体に異常はないという。

調べてみると、中国ではこれとそっくりのキノコAmanita manginiana を食用にしているそうだから、まんざらありえない話ではない。普通種で、かつあの大きさのキノコがもし食べられるのなら、きのこ狩りとしてはなかなかの獲物だ。

ただ一方で、コテングタケモドキによく似たキノコが複数種混ざっているという疑いもあるという。もし、無毒のコテングタケモドキの中に有毒のコテングタケモドキが混じっているとしたら・・・これはもう完全なロシアンルーレットではなかろうか。

・・・ていうことで、やはり実際に食べている人がいるのを知ったところで、コテングタケモドキに手を出す気にはならない。天下の悪食を誇る私ではあるが、やはりコテングタケモドキ(他にシロテングタケとかシロオニタケとかハマクサギタマゴタケとか)のようなテングタケ群に挑むには、精神的に高い高い壁を感じる。

いつか大飢饉が起こって、明日食べるものにも困ったら、その時は試すことにしよう。