梅雨時ですが、今日は晴れ。大洗から涸沼沿いをぐるりと周って茨城町へ向かいます。道の左右に田園が広がる緑の風景。涸沼は自然・生態が国際基準での保全地として「ラムサール条約」に登録されました。鳥の憩いの場のひとつとして国際的にその価値が確認されたということなのでしょう。改めてそういう視点でこの沼を眺めると風景が違って見えてくるものだから不思議です。一羽一羽の鷺が田んぼの中を跳ねる姿が美しいなぁ。この湖は汽水湖で、沿道ではあちこちで砂抜きシジミを売るお店がありますが、シジミもラムサール条約のお陰で貴重なものに見えてきます。
大洗町から見た涸沼です。高台から涸沼とその周辺湖畔の集落、そして筑波連峰まで眺める視野の広い素晴らしいビュースポットです。残念ながらここは車道で、立ち止まって見ることがとても難しい場所です。通り過ぎながら、もっと見たいなぁと思う場所です。
余談になりますが、涸沼周辺は「舟を編む」の石井裕也監督のデビュー作「川の底からこんにちは」のロケ地だったかと思います。この映画は日々妥協しながら生きているOL(満島ひかり)が、実家のしじみ工場を継ぐことになり、そこでの逆境を乗り越えて人生に立ち向かう人間ドラマで、田舎の素朴な日常のなかでパンキッシュな突き抜け感のある作品で、映画中の社歌がパンクです。
ジャガイモ掘り&近藤ヒロミさんのライブ
前置きが長くなりましたが、やさとの椅子展でお会いした平本さんご夫妻のお誘いで、茨城町の平本農場さんで行われた「ジャガイモ掘り&近藤ヒロミさんのライブ」に参加いたしました。
会場は平本農場さんの仕事場です。じゃがいも堀りには間に合わず、近藤ヒロミさんのライブから参加。小さな子供から80歳のお父さんまで、幅広い世代の皆様が集って音色に耳を傾けています。
近藤さんは沖縄在住のカリンバ、ムビラ等の演奏家で、本格的な演奏を生で聴くのははじめて。なるほど暑い国アフリカの楽器ならではの求められる音であり、水滴のような涼やかさを感じる音色です。同じく金属棒をはじく楽器のオルゴールよりも柔らかく響くのは、ギターのような木のサウンドホールがあるからでしょうか?涼感ある音といえば水琴窟もそうですが、音の数が多いので、降り始めの雨を浴びるような風景を感じます。
この大きな鉢は、ムビラという楽器の音を大きくするために使うアンプのようなもので、ひょうたんを加工したものだそうです。近藤さんの音楽に癒されて、CD「TAPIWA」を購入しました。夏の湯上がりBGMとして涼やかに優しい音を楽しみたいと思います。
心地よい音楽の後は、農場で作られた美味しい特製ランチ・炭焼きのスペアリブを楽しみ、のんびりした時間を味わいました。こちらの農場で働く従業員の方々と少しお話する機会がありましたが、高齢の方々がとても元気ですね。戦前の話も出て、灰で竈の釜を洗い、頭髪は土中の粘土で洗っていたお話などをお伺いできました。このような機会をご案内いただき、平本さんご夫妻に感謝の気持ちです。