大洗から涸沼へ。緑が美しい広浦エリアを走っています。広浦は涸沼の北側、涸沼川の左右に広がる湿地帯由来の田園地帯。大洗から涸沼自然公園に向かう道中にあります。この水田風景の向こうは涸沼川を挟んだ大洗町です。
6月のラムサール条約登録を受けて、涸沼の価値を見直す必要を感じて、涸沼の北側に位置する涸沼自然公園へ来ました。 里海邸のある大洗海岸から車で15分と意外と近いです。
はじめて涸沼湖畔の葦原に住む、ヒヌマイトトンボの観察会へ参加しました。とてもとても繊細なトンボですね。ヒヌマイトトンボは涸沼で約44年前に新発見された絶滅危惧種のトンボです。
ヒヌマイトトンボは、ヘアピンやかんざしのような超スリムなプロポーションなので、葦原の茂みの中を難なく飛んでいます。ヒヌマイトトンボを捕食する大きなトンボはとても中に入れません。ヒヌマイトトンボは海水環境では生きることができません。とはいえ田んぼなどの淡水環境では他のトンボも多くいるので捕食されてしまうために生き難いそうです。というわけで、他の多くの昆虫が住みづらい涸沼の汽水域という絶妙な環境条件に適応できたことと、鳥や大きな昆虫が入りにくい葦原の存在があることが、ヒヌマイトトンボが外敵から身を守り生きてゆける固有の環境となっているとのことです。
ついでに、涸沼自然公園のアジサイの谷へ。
アジサイまつりが終わっても咲いてました。それにしてもすごい数。この圧倒的な数がもののけ姫的な妖しさを醸し出しており、谷でアジサイが大合唱しているように見えます。受付の方のお話によると、涸沼からの涼しい風の影響で外気温がやや低く、アジサイの咲く時期は他の地域より遅めなのだそうです。散策路は足場が柔らかく一部ぬかるみもありますので、お気を付け下さい。
のんびりぼっこ広場さんにご挨拶で立ち寄りました。
商品や体験工房の内容をお伺いしました。道路の喧騒もなく静かです。木々の間から涸沼が綺麗。履物を脱いでスリッパで店内に入るというところに、こだわりを感じました。とても落ち着いて買い物ができます。
さらに、涸沼湖畔のうなぎやさんへ。
パノラマに広がる素晴らしい眺望のお店です。店内はかなり混んでいたため眺望の撮影を断念。うな重(しじみ汁付き)、しじみのぬたを頂きました。
午後は「涸沼ラムサール条約登録記念シンポジウム」へ。
柳生博さんの講演をはじめ、パネルディスカッションを通じて、涸沼に関する様々な知識とともに、涸沼の環境の価値を知りました。
講演中に映された写真。西から涸沼を眺め、向こうに大洗の海が見える鳥瞰写真が美しいです。豊かな水と生き物がいることが写真1枚で分かります。このエリアが鳥にとって魅力的な場所だと理解できたような気がします。地球上で空を大移動する鳥の目でこの地域を眺めると、新しい地域の姿が見えてきます。空から見て水が陽光でキラキラ輝く場所、そこは鳥の食事となる虫の生息する水辺です。そこに鳥は舞い降りるという。
鳥が教えてくれた涸沼の価値に感謝。
涸沼の方々はラムサール・ファミリーに仲間入りです。