(1) 『認知機能(cognitive function)』の異常な機能低下が問題となる『アルツハイマー(AD)型認知症』の発病/症状の重症化が進行する原因(メカニズム)について、世界中の権威機関は、『複合機能体である前頭葉』の異常な機能低下の進行ではなく、『前頭葉の機能障害に起因して生ずる』一つの形態であることにも気づかない儘に、「記憶障害」という(誤った的)に矢を射かけ続けていて、「アミロイドβ」を注入したマウス(ADマウス)やマーモセット等を研究材料に、アミロイドβの注入量の差異が記憶行動(記憶量)に与えるべき変化を焦点に定めた、的外れの研究により、誤りだらけの主張を展開しているのです。
(2) 私たち「二段階方式」は、未だに人類最大の難問とされている「意識」に着目し、意識が覚醒した(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割りを担っている『前頭葉』という機能(前頭前野の穹窿部に局在する複合機能体を言うものとする。以下、同じ)に的を定めて、本態【正体】が『廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』であると言う「発病のメカニズム」を突き止め、三段階に区分される『類型的症状』並びに発病自体の予防方法を解明し、北海道から九州に跨る452の市町村との有償/有期の使用許諾契約の締結の下、住民参加型の地域予防活動の実践の指導に因り、顕著な成果を挙げて、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証済みなのです(主張の根拠となる前頭葉を含む脳全体の機能レベルの変化に関わる『脳機能データ』の質と量とは、アミロイドベータ仮説の提示者達とは異次元のもの)。
& 1 (AD型認知症)の発病原因に関する世界中の権威機関の主張の誤り
(1) 最近になってのことなのですが、(AD型認知症)の発病自体の「予防」(=発病時期の先送り)という「テーマ」で、脳の活性化とか『前頭葉』の活性化とかの言葉が、テレビの報道番組で時々聞かれるようになってきたのです。
ところが、脳の活性化とか「前頭葉」の活性化/機能とかの言葉が、テレビの報道番組で聞かれるようになって来ているとは言え、中身については余りに底が浅いレベルのものでしかないので、今日は、脳の活性化/「前頭葉」の活性化/機能との関係というテーマを取り上げてみることにしたのです。
(2) テレビ番組では、(AD型認知症)の発病/症状の重症化が進行する原因 /メカについては、「アミロイドβ仮説」(『AD型認知症について、重度の物忘れの症状が特徴の「神経変性疾患」だと誤解しているレベル』であり、100%誤りである仮説)の主張内容を提示しつつ、「発病の予防に効果的な対策方法」と銘打ち、介護施設等で実践されているとして「回想法」なるものやデュアル・タスクという言葉だけを引用して語られる『散歩しながら、尻取りゲームをする』等の方法が、(AD型認知症)の発病の予防に効果的だとか説明するのです。
(3) 彼等は、『意識の機能構造』に無知であるだけでなく、意識が覚醒した目的的な世界における『脳全体の司令塔の役割』を担っている脳機能、『前頭葉』が「複合機能体である」ことにも無知なのです!
※1 (AD)型認知症の発病/症状の重症化が進行するメカについて、『アミロイドβというタンパク質の蓄積により生成される「老人斑」の持つ毒性が、情報を伝達する機能を担う神経細胞の大量の細胞死をもたらすことが原因で、「記憶障害」を惹き起こし、その領域が拡大して行くことに因り発病し、症状の重症化が進行して行く』ことになると憶測するのが、アミロイドβ仮説なのです。
※2 その一方では、「アミロイドβ仮説」の主張の核心である(アミロイドβの蓄積)という原因と(AD型認知症)の発病/症状の重症化の進行という結果との間の『原因と結果』の関係、即ち、因果関係の存在の実証が出来ていない為、肝心の医学界では、未だに「仮説」の扱いを受けている有様なのです。
(4)『(AD型認知症)の発病の原因は不明であり、発病を予防することも症状を治すことも出来ないタイプの認知症である』というのが、「アミロイドβ仮説」を提示/支持する学者や研究者達の共通の理解なのです。
然も、そこで挙げられていた「脳を活性化」する方法とかにより、アミロイドβの蓄積が除去されることになるというメカニズムについては、メインの解説者であったその人が(どこかの大学の医学部の教授という触れ込み)、どのような実証データをお持ちなのか、伺ってみたいとも思わない程粗雑で出鱈目な内容なのです。
&2 (AD型認知症)の真の正体とは
(1) Kinuko の名を借り/Tadが記述しているこのGooブログの無料公開での記事(But,著作権は、エイジングライフ研究所が確保し維持している)は、東日本大震災の翌年の2012年の3月から書き始め、今日までの「累積の総字数」は、600万字を超えるところまで来たという『長い長い道のりを地道に』歩んで、来ているのです。
※1 我が国だけでなく、世界中の(AD型認知症)の専門家とか権威とされる人達や大学、或いは研究機関を含む組織の主張の『重大な誤り』を糺すべく、更には、我が国全体を救う為の啓蒙を目的として、且つ、世の中に対して問題提起する目的で公開を開始し、その殆どが(AD型認知症)と言うテーマについて書かれていて、且つ『前頭葉』という複合機能体である脳機能との関係で、発病のメカニズムや症状重症化のメカニズムや発病自体を予防する方法や早期発見(小ボケ又は中ボケで発病を見つける)と早期治療(「前頭葉」の活性化を目的とした生活習慣の改善と継続的な実践である「脳のリハビリ」の指導)を具体的に取り上げ、認知症の診断が専門である精神科医並びに「第二の人生」を送っている高齢者及び市町村の第一次予防の業務に従事している保健師さん達に対する『啓蒙』を目的とした詳細な説明及びその根拠となる「脳機能データ」を公開してきてもいる。
※2 その意味と視点とで言うと、少なくとも、「意識」及び「前頭葉」の機能構造、(AD型認知症)と「前頭葉」という脳機能との関係並びに「注意の分配力」の機能と「実行機能」の間に存在している『機能発揮上の二重構造』の問題等について語らせるのであれば、この私Tadの右に出る者はいないはずとの自負があるのです。
何故なら、『AD型認知症の発病/症状の重症化の進行は、人類最大の難問とされている「意識(目的的な世界)」と深く関わり、切っても切れない関係にある』ものだから(Tadが提示する『意識の機能構造』については、ブログの「G-02」を参照)。
※3「前頭葉」の機能とか、「前頭葉」の活性化という言葉を持ち出すのであれば、「意識」の機能構造についての深い知識が不可欠であり、「前頭葉」の個別認知機能群である『実行機能」(Executive Function)の機能発揮面における「前頭葉の三本柱」の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能を総称して、Tadが命名したもの。以下、同じ)との『機能発揮上の二重構造』の関係、更には、「前頭葉の三本柱」の機能の「正常老化の性質」等についての、或る程度の知見を得てからにして欲しいと考えるのです。
※4様々な種類が数有る認知症の内で、その全体の90%以上の割合を占めていて、世界中の認知症の専門家達から『発病の原因自体が不明であり、発病を予防することも、症状を治すことも出来ない』とされている「AD型認知症」と言うタイプの認知症の本態【正体】は、廃用症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」に過ぎないのです(但し、無知な輩が、根拠もなく提示する「食生活」を言うのではなくて、第二の人生を送っている高齢者の日々の「脳の使い方」としての『生活習慣』であることに留意)。
(2)「AD型認知症」の発病のメカニズム(機序)については、『発病を惹き起こす基盤となる要因であり、「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」であること』が、「第一の要因」なのであり、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続』が、発病を惹き起こす引き金となる加重要因であり、「第二の要因」となるのです。
※「第一の要因」と「第二の要因」とが、同時に並行して存在し、充足される『相剰効果』により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の 加速度的で異常な機能低下を進行させていき、「前頭葉」が異常な機能レベルに衰えてきた時から、認知症の症状が発現してくることになるのです(前頭葉の機能障害だけが発現してきた段階が発病の最初の段階であり、私たち「二段階方式」が、「小ボケ」と命名している段階です⇒次いで、「中ボケ」を経由して、最後が末期の段階の介護が不可欠となる段階、「大ボケ」の段階へと重症化が進行して行く)。
(3) 私たちの意識的(目的的)な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能、脳全体の司令塔の役割りを担っていて、(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する)三頭建ての馬車の「御者」である『前頭葉』と呼称される脳機能の出番が極端に少ない「生活習慣」、自分なりに追求する「特定のテーマ」が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されることにより、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが直接/唯一の原因で、「AD型認知症」を発病し、症状の重症化が進行して行くことになるのです(私たち「二段階方式」が、世界で初めて解明し、疫学的方法により実証済みの、「AD型認知症」の発病及び症状進行のメカニズムなのです)。
※1 その最初の段階であり私たち「二段階方式」が「軽度認知症」(小ボケ)と名付ける段階では、左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルに在って、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えて来ているのです(『前頭葉の機能障害』に起因した症状だけが発現してくるのが、この段階の特徴です)。
※2 そして、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されることが原因で、更なる廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくこととなる結果、私たちの区分で言う、「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、「前頭葉」の機能が「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えが進行して来ている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳の機能も、異常なレベルに衰えが進行してきているのです(「中ボケ」の段階で初めて、『前頭葉を含む脳全体の機能が、異常なレベルに衰えが進行して来ていることが、確認されることになる』ことに注意)。
※3 加えて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が、更に継続されることが原因で(に起因して)、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を更に進行させていくことにより、そのことを直接反映した症状の重症化が進行していき、複合機能体である『前頭葉』の要の構成機能である『注意の分配力』の機能が殆ど働かなくなっている段階、発病の末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階へと進んで行くことになるのです。
※4 『AD型認知症』は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分(小ボケ、中ボケ、大ボケ)」される『類型的な症状』が発現してくるのが特徴となるのです。
(4) このことを脳の機能面から逆に言い換えると、『「前頭葉」の機能がが正常なレベルを保てている限りは、「AD型認知症の発病は絶対に起きてこない」ということなのです(発病者は、必ず、『前頭葉』⇒「左脳」⇒「右脳」⇒「運動の脳」の順番に、異常なレベルに機能低下が進行して行くという『厳格な順番が確認される』から)。
※1 即ち、「AD型認知症」を発病しない方法(発病時期を先送りする方法、身体が保つ限り脳も正常なレベルに保たせる方法である『発病自体を予防する方法』)とは、「前頭葉」の機能レベルを正常なレベルの儘に維持することが、唯一の方策となるのです。
※2 具体的な方法は、以下に詳細を説明するように、『仕事というテーマ』の遂行とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を生きる「日々の暮らし方」の中で、『前頭葉』を含む脳全体の機能を、しっかりと使ってやること、就中、「前頭葉の三本柱」の機能の要の機能である『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような「脳の使い方」としての『生活習慣』を組み立てて、継続して実践することに尽きるのです。
※3 「意欲」⇒「注意の集中力」の機能に下支えられた『注意の分配力』の機能が、『評価の物差し=意識の首座=自我』による評価、関心、注意に従い「実行機能」を駆使して、状況の理解と判断、状況判断に沿ったテーマの発想と選択、選択したテーマを実行する為の企画と計画、計画した内容の実行結果の洞察、推理、シミュレーション、シミュレーション結果の比較と選択、実行の決断が行われる過程を楽しみ、実行結果である成果を喜び、時には、生きがいに繋がる、『能の使い方としての生活習慣』の構築と継続的な実践が、発病自体の予防(発病時期の先送り/身体が保つ限り脳を保たせること)を達成する為の『唯一無二の方法』となるのです。
※4 『生活習慣化』するということは、そうした「脳の使い方」としての『生活習慣』を何年間も継続することが出来るほどに長続きさせるということ。
何年間も長続きさせるには、「やっていて、楽しい」こと、「またやりたくなる」こと、「その時間を過ごすことが楽しい」こと、「そのことに従事していると、時間があっという間に経ってしまうと感じられる」ことが必須の条件となるのです。
※5 そうした「脳の使い方」としての『生活習慣』を繰り返し、継続して実践する「第二の人生の生き方」が、喜びや生き甲斐を生み出す源となるときは、「AD型認知症」と言う病気に対する万全の備えが出来た難攻不落の堅固な城が築かれていることを意味することとなり、『ボケ(「AD型認知症」)』の発病とは無縁の(身体が保つ限り、脳も保たせられる)「第二の人生」を完走することが出来る』為の担保となるのです。
(5) 最も権威があるとされているのは、米国のハーバード大学が牽引し、東大や京大や理化学研究所(MIT研究室;利根川進)が牙城の「アミロイドβ仮説」なのです。
※1 「アミロイドβ仮説」には大きく、仮説としての「五つの前提条件」が、想定された上で、主張内容が構築されています。
第一に、(AD)型認知症の発病/症状の進行は、「器質的な病変」が原因であるとする、憶測がベースでの主張内容。
第二に、発病/症状の進行との間の『因果関係』の実証が出来ない儘に、強弁されてきた憶測レベルの仮説、(「アミロイドβ」の蓄積により生成される「老人斑」の持つ毒性が、情報を連絡している神経細胞の大量死を招くことに因る「記憶障害」が惹起される為に発病/症状が進行するとの主張内容。
第三に、アミロイドβの蓄積量の増加が「記憶障害」の症状の進行及び拡大の原因であるとする主張内容。
第四に、記憶障害の症状の進行と拡大により「AD型認知症」の発病/症状が進行していくとの主張内容。
第五に、アミロイドβの蓄積を除去し、又は蓄積量を抑制することが、「AD型認知症」の症状の進行の抑制となるとする主張内容。
※ 2 実は、これら五つの想定及び主張内容(仮説)の全てが、重大な誤解、重大な誤りなのです。
※3『アミロイドβ』というタンパク質の蓄積により「老人斑」なるものが生成され、その毒性が情報を伝達する機能である神経細胞の細胞死を招来させて「記憶障害」の症状が発現してくることにより、「AD型認知症」が発症するとする「仮説」である『アミロイドβ仮説の主張内容は、誤り』なのです。「アミロイドβ」というタンパク質の蓄積を防止したり、抑制したり、除去したりしたからと言って、「AD型認知症」の発病を予防することは出来ないし、症状の重症化の進行を抑制することも出来ないからなのです。
※4 なぜなら、「アミロイドβ」の蓄積(その結果としての老人斑の形成)と「AD型認知症」の発病及び症状の重症化との間には、肝心の因果関係自体が存在していないからなのです(私たち『二段階方式』は、因果関係が不存在であることを実証できている『3種類の脳機能データ』を提示出来るのです)。
(6)私たち「二段階方式」が問題提起している「小ボケ」や「中ボケ」までの(本当の意味での早期の段階)で(AD型認知症)の発病を見つけて、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の適切な改善)を密に、且つ、継続的に実践すれば、治すことが出来る(「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常なレベルに改善されることにより、認知症の症状が消滅する)及び/又は、症状の更なる進行を抑制出来るから。
※ このことは即ち、「AD型認知症」の発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階及び次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階までの間では、当該の「仮説」が主張する不可逆的な性質としての『老人斑の生成に因る神経細胞の大量死と言った「器質的な(病態)」は起きてきていなかったことの証拠でもある。
(7)米国精神医学会が策定した(AD型認知症)の診断規定である「DSM-Ⅳ」の規定が、「第二要件」で確認を要求している失語や失行や失認(紛い)の症状が発現してくる段階、具体的には私たち「二段階方式」の区分で言う末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の更に後半の段階(30点が満点であるMMSEの得点が、一桁の得点にしかならない迄に「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えてきている段階)という「極めて重度の症状」にしか関心がないが為に、逆にそうした重度の症状が本態であると『見誤っているだけ』のこと。
&3 『前頭葉』の活性化と脳の機能構造面からの説明
(1) 今は過去のものではあるものの、『第二の人生』を生きる高齢者である、皆さんの誰もが体験してきた「第一の人生」では、「仕事」と言う「テーマ」があるので、毎週、毎月或いは毎年、遂行すべき大きな/それなりの「命題」があり、達成すべき「目標」があり、そうした状況の下では、自分が置かれている状況の判断や状況判断に沿った「テーマ」の発想や発想したテーマの適切な実行内容及び実行手段の組み立て等について、「時間を忘れて」考察し、考え抜き、独創的な考えや様々な工夫を思いつく為に、「意欲」を掻き立て、「注意の集中力」を高度に発揮させ、更には、「注意の分配力」を活用して、あれこれ様々な条件や状況を想定してシミュレーションすることに全力で取り組むことになるので、その過程では、「意識」が覚醒した状態下での脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉」という脳機能が、フルに働く状態(「活性化」された状態)が生まれてくることになるのです。
※『脳が活性化されている状態』とは、脳の機能面からは、「前頭葉」の機能が、ひいては、『注意の分配力』の機能が、「実行機能」を駆使して、フルに働いている状態を言うのです。
(2) 私たち「二段階方式」は、「AD型認知症」の予防と「早期診断と早期治療」による回復/症状の進行の抑制という目的に特化した住民参加型の「地域予防活動」を北海道から九州に跨る全国的に広範囲な地域に亘る440を超える数の市町村で実践指導してきた中で、『脳イキイキ教室』に参加しているお年寄り全員について、『前頭葉』を含む脳全体の機能の機能レベルの一定の基準値による変化について並びに脳の機能レベルの変化(「二段階方式」の手技を活用して、客観的な基準に基づいて改善、維持、低下の三区分に判定)を招来することとなった直接の要因である『脳の使い方』としての具体的な「生活習慣」の内容についての聞き取り(判定前数か月間/数年間の、「脳の使い方」という視点での具体的な「生活歴」の聞き取り)を定期的に、精密診断してきた極めて多数の「脳機能データ」を保有しているのです(「AD型認知症」の発病及び症状の悪化/改善に関わる「脳機能データ」については、このブログの「A-34」を参照)。
※1 脳科学の第一人者であるとか、認知症の専門家であるとか言いながら、或いは、PETを扱う第一人者だと自称していながら、極めて浅く、初歩的な程度のことしか分かっていないのです。その為、以前と比べて「物忘れの症状」が少しばかり減ってきたくらいのことを「鬼の首でも取った」みたいに大げさに取り上げて、前頭葉が活性化された証だとか、果ては「AD型認知症」の発病の予防につながるとか、騒ぎ立てたりする。
※2 このブログ「Bー79」で取り上げ、脳の機能面からのメカニズムについて詳しく説明してあるように、「物忘れの症状」は「前頭葉」の三本柱の機能レベルの直接的な反映を示す症状なのであり、一つには、「正常老化の性質」に起因して並びにもう一つには、「記銘時の記銘度」に起因してその頻度、程度及び態様が、様々に発現してくるもの。
※3 従って、『前頭葉の機能レベルが常態として改善した』と言える為には、「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善と継続的な実践という根拠の存在が不可欠となるのであり、「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善という「生活歴」の証拠データを基礎とした、『前頭葉』の機能レベルの改善の証拠データが、必要不可欠となるのです。
(3) 今日はそこに焦点を当てて、「前頭葉が活性化する」とは、そもどのようなことを言うのか、脳の機能という視点から、就中「前頭葉」を含む脳全体の機能という視点から、ひいては、世界中の認知症の専門家達から発病の予防は困難とされてきている「AD型認知症」の発病を予防する為の唯一の方法である「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築とその実践という「テーマ」についても(これは、私たち「二段階方式」独自の主張であり、見解なのですが、住民参加型の「地域予防活動」の実践では、当たり前の「テーマ」であり、実証済みのもの)、記述してみたいと思うのです。
※なお、「AD型認知症」の発病自体の「予防」と早期診断による「回復」を明確な活動目的とした市町村による住民参加型の「地域予防活動」の実践展開という「テーマ」は、私たち「二段階方式」だけが為し得てきたもの。
(4) 「AD型認知症」の本態(正体)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であり、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と継続的な実践とにより発病自体を「予防」し並びに「脳のリハビリ」(脳の機能レベルに見合った内容であって、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の改善と継続的な実践)により、AD型認知症の症状を治す/改善する/症状の進行を抑制することを明確な目的とした(但し、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び/又は、「中ボケ」の段階までが対象となる)住民参加型の「地域予防活動」では、「二段階方式」の手技を活用することにより、「脳のイキイキ教室」に参加しているお年寄りの『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの変化とその基礎となった「生活習慣=生活歴」の聞き取りにより、改善、維持又は低下の判定並びに「脳のリハビリ」の実践指導とは、保健師さんの必須の業務として、一元的に実施管理を行うのです(二段階方式の手技の使用に対する診療報酬が極めて少額な為に、一定の規模での売り上げと利益の確保が不可欠な医師は、末期の段階で、MRIやCTやSPECTや、果ては、PETまで持ち出して、売り上げを稼ぐだけの診断にしか関心がなくて、「小ボケや中ボケ」の早期の段階で、「AD型認知症」の発病を見つける事には、無関心な為)。
※1 その場合、私たち「二段階方式」の手技では、「前頭葉」の機能レベルの変化については「改訂版かなひろいテスト」を使用し、脳の後半領域の変化については「MMSE」を使用し並びに脳の使い方としての「生活習慣」の具体的な中身を聞き取り(「生活歴」の聞き取り)、客観的な基準に基づいて三者を総合的に判定するのです。
※2 この場合の特徴として、脳の後半領域の機能は、当該対象期間中の「生活習慣」の内容次第で容易に、且つ大きく変化するものなのですが、肝心の「前頭葉」の機能レベルについて一定のレベルでの改善という変化が認められる為には、当該対象期間中の「生活習慣」について密度の濃い改善内容と不断の実践並びに同居の家族による献身的なサポートという二つの重要な要素が確認される場合に限られるということ。
(5)「AD型認知症」の本態(正体)は、「使われる機会が極端に少ないこと」に直接起因して「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果として、認知症の症状が発現し/症状が重症化していくところの廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないのです。
※1 米国精神医学会の診断規定である「DSM-Ⅳ」の規定の「第一要件」が、確認を要求している「記憶障害」の症状は、「AD型認知症」の根幹をなす(基礎となる)症状ではないのです。「前頭葉」の機能障害に起因した症状こそ、「AD型認知症」の発病を惹き起こす根幹をなす(基礎となる)原因要因なのです。
※2 そして、「アミロイドβ」の蓄積による老人斑の形成により/「タウ蛋白」の蓄積による神経原線維変化により、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量死が惹起されるために「記憶障害」の症状が発現してくることに因り「AD型認知症」を発症すると言う「仮説」は、科学的/客観的で、因果関係を実証できる証拠データが皆無の仮説、単なる『憶測に過ぎない』のです。
※3(「AD型認知症」を発病して、早期の段階が有るとも医師達が知らないが儘に症状が進行し重症化していき、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半(MMSEの得点が一桁)になって初めて発現が確認されることになる失語や失認や失行(紛い)の症状が確認されたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」の外観的な所見である老人斑やら神経原線維変化等と言う「器質的な病変」が発病の原因だと思い込み、想定をもとに構築された仮説を、権威だけを傘に、展開している憶測の類に過ぎない主張内容)。
※4 アミロイドβ仮説やタウ蛋白仮説を主張している人達や機関に権威があるが為に、主張され出してから10数年が過ぎた現在でも、主張の根拠とされるものと発病との間の因果関係の存在の実証が出来ないままでの「仮説」として、未だに学会や医療の現場でその権威が保たれているという不可思議極まりない現象を目の当たりにしている。
※5 私たちが日常生活を送るに際して「脳を使う」ということは、「本能」と言うレベルではなくて、「意識的(目的的)」に何かを考え、行為し、行動するということなのです。その意識的(目的的)な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能、それが『前頭葉』と言う脳機能なのです。私たち人間の脳を理解するには、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引し、『前頭葉』という脳機能が運航を支配する御者の役割を担っている「三頭建ての馬車」をイメージしてみて頂くと理解し易いのです。
(6) 言葉や計算や論理、或いは、場合分けといった「デジタルな情報」の処理を専管している機能が「左脳」という機能なのです。色や形や音や空間や時間や感情といった「アナログな情報」の処理を専管している機能が「右脳」という機能なのです。身体を動かすための「アナログな情報」を専ら処理している機能が、「運動の脳」という機能。
(7) それら三頭の馬を制御しているのが、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能、「三頭建ての馬車」の御者の役割を担っているのが「前頭葉」という脳機能だと覚えておいてください。私たちが意識的に何かを考え、行おうとする世界を構築し、統合し、統括し、支配し、コントロールしているのが、「前頭葉の三本柱の機能」を核心の機能とし、「評価の物差し」及び「実行機能」から構成されている複合機能体としての『前頭葉』という脳機能。
(8) 前回のブログで取り上げ詳細に説明したように、「記憶」も意識的な世界での脳の働きによるものであり、「前頭葉」が、特に、『注意の分配力を要とする前頭葉の三本柱』の機能が深く関与するものなのです。そして、「注意の分配力」及び「前頭葉」という脳機能は、実は「マウス」は愚か、チンパンジーにさえも、備わってはいないのです。
※1 ところが、何故だかは知らないのですが、「アミロイドβ仮説」の牙城である東大や京大や理化学研究所は、檻の中で餌を探して彷徨するマウス(アミロイドβを注入したADマウス)の行動から、「記憶」に関わるデータを収集し、主張の根拠にしているのです。その解析に基づいて、「アミロイドβ」の蓄積量が記憶障害の症状の有無や程度に深く関係しているとの仮説を展開しているだけ。
※2 アミロイドβの蓄積を抑制したり、或いは蓄積を阻害/又は、除去する効能を有する薬(エーザイのレカネマブ)や方法(東大の光酸素化法)を開発することにより、「記憶障害」に起因した症状の発現を抑制し、或いは、防止することとなり、「AD型認知症」の発病を予防したり、症状の進行を抑制したりすることが出来るはずとの前提(仮説)に立った(But,因果関係を無視した)主張。
※3 その前提自体が崩れると、言い換えると、『「アミロイドβ」の蓄積量と記憶障害の症状の発現又は症状の重症化との間に因果関係が存在しない時及び/又は、記憶障害の症状が「AD型認知症」の根幹(基礎)となる症状ではないことが明らかとなった時、単なる誤解に基づく「仮説」だったということになる』訳なのです。そこで主張されている二つの「前提とされた内容」の両者共に重大な誤りであることは、このブログの「B-71」、「B-77」及び「B-79」で、根拠となる「脳機能データ」の解析結果も交えて詳細に分析し指摘した通り。
&4 「前頭葉」の個別認知機能群とその働きを支える「二重構造」の関係
(1)『前頭葉』の個別認知機能群である「実行機能(Executive Function)」が働くとは、どのようなことを言うのか?
「前頭葉の三本柱」の機能と私たち「二段階方式」が名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、「実行機能」の機能の発揮及び発揮度(働き具合)を左右し、下支えしているということ、言い換えると、「機能発揮上の二重構造」の関係にあることを、先ず理解することが先決となります。
※1 ここに言う「機能発揮上の二重構造」とは、『意欲⇒注意の集中力⇒注意の分配力』と言う『三層の機能発揮構造』を基盤として、注意の分配力の機能が、『評価の物差し(意識の首座=自我)』による評価、関心、注意に従い、
『実行機能』を駆使して、目的を達成していく機能構造関係を言うもの(By Tad)なのです。
※2 即ち、私たち「二段階方式」が世界で初めて発見し、機能発揮面における「二重構造」の関係/問題と名付けている「前頭葉」の個別認知機能群(Executive Function)の機能発揮上の機能構造の存在のことなのです。
※3 例えば、状況の「判断」という個別の認知機能を取り上げて説明すると、「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能の発揮度が、一定以上のレベルに高まった状態でないと、『実行機能』と総称されている「前頭葉の個別の認知機能群」の一つの認知機能である「判断」という機能の機能発揮度自体も、必要な機能レベルには高くはならないと言うこと。
※4 私たち「二段階方式」が、「意識」という概念について、『意識の覚醒度(意識の覚醒の度合い)』という概念の必要性を問題提起している根拠が、ここに在るのです。
(2) 多岐に亘っていて、数有る個別の認知機能(理解、了解、了知、了承、思考、思索、考察、考慮、忖度、観察、監視、鑑賞、観賞、感傷、感動、抑制、反省、内省、忍耐、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、探索、追及、究明、研究、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、判断、修正、選択、選定、排除、排斥、除外、厚生、構成、構想、構築、統合、分別、確認、確信、決定、決断、支持、指示、指揮、采配、統率、統括、総括等)の全てが、その機能を発揮するに際しては、「前頭葉の三本柱」の機能の機能レベルとその発揮度に左右され、下支えられているという訳なのです。
(3)言い換えると、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度が何らかの原因で衰えると、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度も低いものになるということ。
※1「前頭葉」の個別認知機能の発揮度は、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度に依存する機能構造となっていて並びにその上に、私たち「二段階方式」の手技を活用して集積した年齢別の『前頭葉』の機能レベルの正常な機能低下を反映した集積である1000例を超える数の「脳機能データ」の解析結果が示しているように、「正常老化の性質」が存在することになるのです。
※2 その「脳機能データ」が示しているのは、「前頭葉」の個別認知機能の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働きを有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘らず、「加齢」と共にその機能が衰えていく』という性質(私たち「二段階方式」が「正常老化の性質」と名付けている性質)が、生来的に誰の脳機能にも内在しているということ。
※3 その「脳機能データ」によると、『「前頭葉の三本柱」の機能の働き具合は、「18歳から20歳代の前半の頃」がピークで、緩やかながら直線的なカーブを描きつつ衰えていくのです。そして、「第二の人生」が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいのレベルにまで機能が衰えてきていて、100歳に向かって、直線的に緩やかに衰えていくことになる』。
(4)「AD型認知症」発病の最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「三頭の馬(左脳、右脳及び運動の脳)』が未だ正常な機能レベルに在るのに対して、御者である『前頭葉』の機能だけが、異常な機能レベルに在るのです。その「小ボケ」の段階で既に、話の中に入ってはいけなくなってきているという状況が生まれてきていることに、認知症の診断が専門の精神科医を含めて、専門家と言われている人達が気が付かないでいるのです。彼等は、『AD型認知症を、重度の物忘れが特徴の神経変性疾患だと誤解している』為に、「記憶の障害」が、「AD型認知症」の根幹(基礎)となる要因だと誤解しているのです。「小ボケ」の段階では、「記憶障害の症状」はその欠片も発現してこなくて、「前頭葉」の機能障害に起因した症状しか、確認できない。
※1 「認知機能の障害」が解明の対象テーマである「AD型認知症」は、「意識が覚醒した」世界、意識的/目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能障害』の有無及び程度の精緻な判定が必要不可欠であるにも拘らず、世界中の権威機関は、前頭葉の機能障害に起因した一つのアウトプットであるにすぎない『物忘れ=記憶障害』という誤った的に矢を射かけ続けている有様。
※2 このことに気づかない限り、MCI (軽度認知障害)とか言って、如何にも意味ありげな言葉や簡単すぎる定義概念を持ち出そうとも、本当の意味での早期の段階の判別には何の役にも立たないのです。結局のところ、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な『本当の意味での早期』の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としていて、回復させることも、症状の更なる進行を抑制することも困難で、為す術が何も残されていない末期の段階である「大ボケ」の段階でしか「AD型認知症」の発病を見つけられないでいる。
※3 「重度の物忘れ」の症状並びに「DSM-Ⅳ」の第二要件が提示する失語、失認、失行(紛い)の症状の外観的な確認だけで、AD型認知症の発病の有無を診断する『発病のレッテル貼り』及びAD型認知症の治療薬と称して居ながら、実際には、AD型認知症の症状の発現の仕方を昂進/又は抑制させる効能しか有していない薬、「対症療法薬」(興奮型のアリセプトが代表)を処方して、荒稼ぎする医療費に投入している血税の額は、単年度ベースで10兆円を超えてきている。
&5 脳の構造と機能面から見た「前頭葉の活性化」の意味
(1)「物忘れ」の頻度が減ってくると言うことを、脳の機能面から見てみると、以前に比べて、『記憶する際の「記銘度」及び「想起」の機能レベルが高くなってきている』ということ。
※1 記憶は、記銘、保持、想起という三つの行程を辿るものなのです。
「物忘れの頻度が減る」とか、「物忘れの症状が軽くなる」とかの現象が何を意味しているのかを考えることが、出発点となるのです。
※2 「脳機能データ」の解析から判明していることは、『対象となる情報を記銘するときの「記銘度」が高かったものは、良く保持され、良く想起されることになる』ということ。
※3 従って、「物忘れの症状が軽減された」ということは、対象となる情報を記銘する際の『記銘する力』が改善されてきている、言い換えると、「前頭葉の三本柱」の機能を構成している「意欲」及び「注意の集中力」の機能レベルが改善されてきているということ。
※4 但し、此処に極めて重要な問題が潜んでいるのです。
「意欲」の機能が改善されてくれば、前頭葉の機能レベルが改善されているというのに十分なのかという問題なのです。実は、「意欲」だけでは不十分なのです。「注意の集中力」の機能の改善も必要なのです。「注意の集中力」の機能が改善されていればそれで十分ということなのか。答えは、NOなのです。
※5「注意の分配力」の機能レベルも改善されているのでなければ、前頭葉の機能の「潜在的な機能の発揮能力」が十分に不可逆的に改善されたという訳にはならないのです。
(2) どんな種類、程度及び態様のものであれ、『複数の対象を同時に並行して、且つ、重層的に、的確及び適正なレベルで処理』する為には、「意欲」、「注意の集中力」の機能レベルだけではなくて、『注意の分配力』の機能レベルが改善され、活性化している状態に在ることが絶対の条件となるのです。
※1 従って、何か特別の「テーマ」を日課として、半年間かそれ以上の期間継続して実行した結果、「前頭葉の機能レベルが改善した」と言えるためには、最も高度な機能である「注意の分配力」の機能の機能レベルが改善されていることが証明されないと、そうは言えないということ。
※2 そもそも、「注意の分配力」の機能というのは、複数の異なったテーマを同時に並行して、且つ、重層的に処理する為の必要不可欠で、且つそれを専管する機能なのです。
(3) 私たちが、「二段階方式」の手技を活用して集積し、解析した「脳の機能データ」から説明すると、『MMSEの下位項目の項目困難度』で最上位に在る「想起」という機能は、「注意の分配力」の機能の機能レベルを最も強く反映する項目なので、「簡単な足し算や引き算をする」とか/仮名で書かれた簡単な内容のおとぎ話などを音読するなどの作業程度では、意欲や注意の集中力と言った機能について或る程度機能回復することは期待できるにせよ、「注意の分配力」の機能が機能回復する状態は、当該テーマの実行では、(使用される機会が無い)為に、作り出せないのです(注意の分配力の機能レベルの改善とは無関係)。
従って、単に「以前に比べて物忘れの頻度が減ってきた」くらいのことで、『前頭葉の機能レベル』が改善された等と「曖昧でいい加減な尺度」を持ち出さないで頂きたいのです。
(4)「前頭葉」の潜在的な機能レベルの一定レベルでの改善、就中、「注意の分配力」の機能の潜在的な機能レベルの一定レベルでの改善を判定するには、私たちが独自に開発した「二段階方式」のような精緻な「神経心理機能テスト」によってのみ可能なことであって、たとえf-MRIやらSPECTやらPETを使用しようとも困難であることを付け加えて、問題提起しておきたいのです。血流量の増加や増幅と言う曖昧な基準では、「前頭葉」の機能レベルの一定レベルでの改善又は低下についての客観的で精緻な判定は出来ないのです。
(5) 更に付け加えると、「前頭葉の三本柱]の機能の潜在的な機能レベルを改善する為には、「脳の使い方」としての『生活習慣』の改善が必要不可欠の条件となるのであり、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは地域興し等の「テーマ」を脳の使い方としての「生活習慣」に積極的に取り込んで、自分なりの「生き甲斐」があり、「目標」があり、「喜び」があり、「楽しみ」が得られるような「生活習慣」を構築し、出来るだけ人多くのと交わる機会を得ながら、密に、継続的に実践することが求められるのです。
&6「AD型認知症(ボケ)」の「発病自体を予防」する方法
(1) 私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る精緻な「脳機能データ」の解析結果によると、『私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている複合機能体としての『前頭葉』の機能が正常な機能レベルに保たれている限り、「AD型認知症」を発病することは、絶対に起きてはこない』のです。
※1 その為の必要不可欠の条件は、私たち「二段階方式」が、発病の「第二の要因」であり、発病を惹き起こす要因に定義している生活習慣、脳の使い方としての視点と意味で言うところのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(自分なりに追求する特定のテーマが無くて、生き甲斐無く、趣味無く、交遊無く、運動もせず、目標となるものが無い単調な生活習慣)の継続に陥らないことなのです。その為の効果的な手段というのが、「注意の分配力の機能が実行機能を駆使する出番」が、出来るだけ多くて、複合機能体としての『前頭葉』の機能が、出来るだけ活性化する機会が多くなるような、生活習慣の継続的な実践なのです。
※2 「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような脳の使い方としての「生活習慣」の実践により、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下を予防することが出来るからなのであり、肝心の因果関係について何等の実証も無しに、(アミロイドβ仮説)が提示しているような、『アミロイドβの蓄積による老人斑の生成等の「器質的な病変」が「AD型認知症」の発病/症状の進行を惹き起こす原因ではない。
※3 生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えていくとき、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクする形で「三段階」に区分される「AD型認知症」の類型的症状が発現し、重症化が進行していくもの。
※4 それらの症状を子細に観察してみれば、「早期」の軽い段階であればあるほど、「記憶障害」の症状ではなくて「前頭葉」の機能障害に起因した症状が発現してきていることが分かるし、「末期」の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケの」段階の症状であっても、外観からでなくて、症状が発現してくる中身である「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという、客観的なデータ及び視点から深く検討し、観察してみれば、『概観的には「記憶障害」の症状の反映であるかの如くに見える、それら症状の全てが、「記憶障害」ではなくて「前頭葉」の機能障害に起因した、且つ、前頭葉を含む脳全体の機能レベルを反映した症状である』ことが分かるのです。
&7 ボケとは無縁で、「第二の人生」を完走するための道標
(1)『脳が活性化している』ということは、これを言い換えると即ち、「前頭葉」が活性化していることを言うのであって、「前頭葉」が活性化しているということは、日々の生活の中で「前頭葉」の出番が多い脳の使い方としての「生活習慣」が構築されていて、且つ、そうした実践が継続されていることを意味するのです。その基礎となっている脳機能は、「前頭葉の三本柱」の機能である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。
※1 考えるべきは、個別認知機能の発揮度を左右し、下支えしている基盤の機能である、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度を向上させてことが、必要不可欠の条件となるのです。
※2 その最善の効果的な方法は、『出番を増やしてやり、しっかりと使ってやりさえすれば良い』ということ。
趣味や遊びや、人付き合いや地域振興、或いは運動の分野で、自分なりに関心や興味が覚えられそうな特定の「テーマ」を見つけ出して、出来るだけ家の外に出ていき、出来るだけ多くの仲間と交わる中で、自分なりに意欲が湧いてくるもの、注意の集中力が上がるもの、注意の分配力を使う場面が多いものを選んで、日々の、毎週の、或いは毎月の生活習慣の中に取り込んで、その実践を習慣化するのです。
※3 「AD型認知症」の本態(正体)が「前頭葉」の出番が極端に少ない生活習慣の継続に起因した、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるということは、「AD型認知症」を発病しない為には、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちの「意識的/目的的な世界」を構築し、統括し、コントロールしている「注意の分配力の機能の出番を増やしてやる」こと、逆説的な言い方をすれば、『前頭葉」を居眠りさせない』ことが必要不可欠の条件となるということなのです。すなわち、「第二の人生」を自分なりに、十分に楽しむ「生き方」が求められるということなのです。
(2) ここで皆さんに一つ質問があります。クイズではないので、しっかりと「前頭葉」を駆使して考えて、貴方なりの答えを出して頂きたいのです。
さて質問です。
『「前頭葉」が活性化する「生活習慣」を構築する上で、一番重要な要素となるものは何でしょうか?』
※1 正解は、『人の輪の中に入っていき、人と交わる』ということなのです。住民参加型の「地域予防活動」の体験及び活動拠点となる『脳イキイキ教室』に参加されているお年寄りの皆さんが異口同音に語る言葉が、それなのです。『家に籠ってばかりの生活だった頃は、夫婦間での会話で、声を出して笑うなどということは無かった』、ましてや、独り暮らしの身で、『家に籠ってばかりの生活を送っている場合は、声を出して笑う等という機会は全くなかった』とおっしゃるのです。
※2『教室に通うようになり、皆さんと顔を合わすようになって、楽しくて、声を出して笑う生活が戻ってきた』と皆さん異口同音に語られるのです。
人の輪の中に入っていき人と交わるということは、相手の話に耳を傾け、語られるその内容を理解する上でも、どのような目線やら表情をして聞くのか、或いはどのような展開場面で相槌を打つのか、更には、自分なりの考えや意見をどのような内容でどのようにして語るのか、全てが、『注意の分配力の機能の出番が不可欠』である「前頭葉」の関与を必要とするのです。
※3 そうした場面が楽しいと感じられるとき、特に、あっという間に時間が経ってしまったと感じられるとき、貴方の「前頭葉」がフル回転していたということなのです。言い換えると、その間には、「前頭葉の三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、フル回転していたということでもあるのです。
※4私たちがこれまでに展開し、顕著な成果に因り実証してきた『住民参加型の地域予防活動』を棚上げにしていて(『政府大綱』の第一条の規定により、将来的な研究課題としての名目で、棚上げにされている)、公明党が要求する末期対策、川下対策であるに過ぎない『ボケても安心な社会づくり』の政策の制度化は、我が国を衰退させる世紀の愚策。
(為す術が何も残されてはいない)末期の段階で発病を見つけるだけ『発病のレッテル貼りをするだけの診断と症状の進行を抑制する効能は皆無である対症療法薬の処方』に投入している血税の額が10兆円超もの金額であり、
失語や失認や失行(紛い)の症状が確認されていて、日常の生活面でのセルフケアにも重大な支障がある為に「介護」が不可欠の高齢者に対する血税の投入額が13兆円を超えてきているのです。両者を併せた額は、単年度ベースで、一般会計と特別会計の総額で、優に23兆円を超える天文学的な規模にまで膨れ上がってきているにも拘わらず、野党も、マスコミも、問題にしないのです。
※5 『「AD型認知症」の発病自体の予防を明確な目的とし、且つ、「AD型認知症」対策に特化した活動である『住民参加型の地域予防活動』の国策化による全国展開の制度化と言う、私たち「二段階方式」の提案に対して、見向きもしないで、このまま新規の発病を野放しにして居ると、「介護保険制度」が、財政面から近い将来に破綻することが明白な状況にある。
※6 ただ単に「歌って、踊る」とか、「しりとりしながら散歩する」とかいうレベルの物ではなくて、脳の機能、特に必要欠くべからざる要因である「前頭葉」の機能レベルの判定とその基礎となっている「脳の使い方」としての「生活習慣」のチェックと改善指導とを科学的/客観的な手技として確立された「二段階方式」の手技を活用して実践すべき。
※7 自分なりに追求する特定の「テーマ」を選択して、自分なりの「目標」の設定が出来て、そうした「テーマ」の遂行と設定した「目標」の達成に向けての努力の過程、更には、「目標」の達成により、自分なりの「生き甲斐」や「喜び」や「楽しさ」が得られることが、「前頭葉の三本柱」の機能を活性化させることになるのです。
※8 そのことが、加齢と共に機能が衰えてきていた「前頭葉」の三本柱の機能の衰えのカーブを、更に緩やかなものに変えてくれることになるのです。
その反射的な効果として、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度自体が高いものとなる、これこそが「脳の活性化」という脳の機能面からの変化なのです。
そうした「テーマ」を一つでも、二つでも、貴方の「生活習慣」に組み込んでいくことが出来たとき貴方は、身体がもつ限りボケ(「AD型認知症」)の発病)時期を先送りすることが出来て、ボケとは無縁の「第二の人生」を完走することが出来ることになるのです。
(3)「第二の人生」は、脳の機能面から説明すると、左脳の出番が極めて多い「仕事」とは関係がない生活習慣となるので、「右脳」と「運動の脳」の活用が重要となるのです。
趣味や遊びや人付き合い、或いは地域おこし等の社会活動のテーマの中から、自分なりに関心があるテーマ、興味が持てるテーマ、継続してやっていけそうなテーマを選んで、自分なりの目標を設定して、実践の過程自体や状況が楽しめて、それにより更なる「意欲」が湧いてきて、そして目標の達成により「喜び」や時には「生き甲斐」が得られるような「生活習慣」、脳の使い方としての「生活習慣」を構築し、実践して頂きたいのです。
(4) 私たちの「前頭葉の三本柱」の機能には、誰であれ、生来的な性質としての「正常老化の性質」が内在されているので、加齢が進行していくだけで、その機能は緩やかな直線的カーブを描きながら、正常な機能レベルの範囲の中で衰えていくもの。
(5) これと言った目標もなく、毎日を何となく過ごすだけの生活、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが「意識的(目的的)」に何かのテーマを追求し、実行しようとする世界を構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能が居眠りをし始めたとき、「アルツハイマー型認知症」という病気が、抜き足、差し足、忍び足で近寄ってくることになるのです。
丁度、日常の生活面での何等の自覚症状がないままに、幾種類もの合併症を惹き起こすあの恐ろしい「糖尿病」が忍び寄ってくるように。
注)本著作物「Iー11」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。
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