一条きらら 近況

【 近況&身辺雑記 】

常備薬

2014年06月28日 | 最近のできごと
 先日、薬の使用期限のことをブログに書いたら、その後も気になってしまい、昨日、あらためて常備薬を出して見てみた。すると、またしても勘違いというか思い違いというか、そそっかしい性格を自覚させられた。何と、風邪の漢方薬の箱にも、使用期限の文字が印刷されているのである! この薬も箱から小袋を出してあって、大正漢方胃腸薬と同じ缶の箱に入れてあるのだが、未開封の箱の常備がないため、今春、1箱買った。使用期限は、4年後である。缶の中の薬の小袋には使用期限表示はなく、買ってから4年経ったか経たないかわからないので、少し迷ったが捨てた。
(漢方薬の胃薬も風邪薬も、使用期限がちゃんとあるんだわ)
 けれど――。この時、あることに気づいた。漢方薬の胃薬を初めて買って飲んだのが、20年余り前。漢方薬の風邪薬も、同じ時期である。それは私が漢方薬の良さを親しい人から教えられて、信頼するようになったからだった。きっかけは、風邪をひいた時。熱はなかったが、朝と夜、咳が激しかった。
 市販の風邪薬を飲んでも治らないので、近所の内科医院へ行った。内科医院へ行くのは、風邪をひいた23歳の時以来である。その間、風邪をひかなかったわけではなく、市販薬を飲めば治っていた。
 久しぶりに行く内科医院は、新鮮な感じがした。問診と聴診器を当てる診察の後、2種類の風邪薬を処方された。薬を飲んでも治らないので、他の内科医院へ行った。問診と聴診器の診察とレントゲンを撮って、3種類の薬を処方された。きちんと薬を飲んでも治らないので、他の内科医院へ行った。ドクター・ショッピングのつもりではなく、魔法の薬のようにピタッと咳を止める薬を出してくれる内科医院が、きっとあると信じていたからだった。3軒目の内科医院で、問診と聴診器とレントゲンの診察の後、「軽い気管支炎かもしれませんね」という診断で、5種類の薬を処方された。
 受け取った5種類の薬の1週間ぶんは、ドッサリという感じで、生まれて初めての経験に驚愕したが、この時の私に不信感は全くなかった。
(これを全部飲めば治るのね。ふう~)
 ため息つきながら、そう思った。今度こそ、5種類もの薬を飲むのだから咳は止まるに違いないと、固く信じた。現在より執筆量が多くて寝込めない時期だったし、日中はあまり咳が出ないが、朝と夜に激しく出て、熱はなくても咳のせいか食欲も次第に落ちて、果物以外は、あまり食べたくなくなった。家人が作ってくれた卵入りおじやが、美味しかった。
 けれど、帰宅した家人に5種類の薬を見せたら、驚愕し、こんなに飲むのは身体に良くないと、薬についての本で調べてくれたら、熱はないと言ったのに解熱剤の薬が入っていたり、薬を飲んでお腹をこわしたことはないと言ったのに胃薬が入っていたりで、結局、2種類だけ飲んだ。それでも咳はおさまらないので、家人が漢方薬局で私の症状を話して買って来てくれたのが、『五虎湯』という漢方薬だった。それはもう、魔法中の魔法と言いたくなるような薬だった。夕食前に1袋飲んだら、その夜は咳がほとんど出なかったのである! 1袋飲んだだけで効くとは思わなかったし、漢方薬は何日も飲み続けて効くものという先入観があったので、本当に驚いた。3日ぶんの薬の入ったその箱が空(から)になった時、コンという咳も出ないほど完治したのである!
 それ以来、西洋医学より東洋医学の漢方薬を信頼するようになった。それで、ドラッグストアで漢方薬の胃薬と風邪薬を見た時に買っておき、飲むようになったが、どちらも私には即効性がある。漢方薬が、私の体質に合っていることを、知ったのだった。
 初めて飲む薬だから、いくらそそっかしい私でも、箱にプリントされた表示も添付の注意書きも、ちゃんと読んだ。20年余り前の当時、使用期限という文字は、どちらの箱にもなかった。それは絶対、間違いないこと。何故なら、その後、ドラッグストアで風邪薬の『小青竜頭』を手にして、初老男性薬剤師さんに、使用期限のことを質問した時、もし、当時、使用期限が印刷されているなら、その箱の使用期限の表示を指して「ここに書いてありますよ」という答えが返ってくるはずである。即答でなかったことが、チラッと気になったものの、「10年です」という答えは、嘘でも間違いでもなく、勉強不足でも情報不足でもなかったと信じている。
 20年余り前の当時は、間違いなく、化学薬品のような使用期限表示が、漢方薬品にはなかったのである。多分、客からの問い合わせとか薬事法とかで、使用期限を表示するようになったのだと思う。
(何て素晴らしい発見……!)
 私は、うれしくなった。自分で自分を褒めたい気持ちである。ブログ記事を書くと数日間は、その内容の文章が頭に浮かんで文章の訂正箇所など、気になってしまうことがあるが、今回はそれが良かったのである。というのは、それでおしまいでは、なかったのだ。常備薬を、あらためて見てみたら――。使用期限切れの薬が、他にも、まだあったのである。薬箱やチェストの引き出しの中も探ってみたら、出てきたのが、『バファリン』『目薬』『イソジン』。薬とは思えない『イソジン』にまで使用期限があることも、その時、初めて知った。『イソジン』は使うと洗面台の掃除が大変だし、帰宅時の手洗いの習慣はあるが、うがいの習慣がなく、何年も前に数回、使っただけだった。『バファリン』と、目薬は常備薬として置くだけで、もう何年も、使用期限が切れるたび未開封の箱のまま捨てるのを繰り返している。
『バファリン』は、頭痛はしない体質だから飲んだことがなく、昔、遊びに来た友人が、急に歯痛が起きて、『バファリン』あるかと聞かれ、ないと答えたら、『バファリン』は頭痛だけでなく鎮痛薬で、たいてい常備薬として置くのが常識と言われて、驚きとショックを受けた。数日後にドラッグストアへ行って『バファリン』を買って来たが、来客も誰も必要な時がなく、数年ごとに未開封の箱のまま捨てている。目薬は、やはり来客が使っていたのを見て、常備薬として置いてあるが、やはり数年ごとに未開封の箱のまま捨てている。
 使わないのに買って、代金損したという気分は全然なく、使用しないですんだことを幸運と感じている。ついでに、薬ではないが、冷湿布も期限切れだった。冷湿布は寝違いの時に使うから、必需品である。〈寝違いは忘れたころにやってくる〉で、箱を開封したのもしてないのも、使用期限の数字は、よく効くよう使用前に、必ず見ている。『五虎湯』は、その後、1度買って飲んだことがあるが、常備薬ではない。風邪の時はたいてい『小青竜頭』ですぐ治るが、なかなか治らない時、食前に『小青竜頭』を飲み、食後に、来客用に買っておいた『パブロン』を飲んだら治ったので、化学薬品の『パブロンゴールド顆粒』も常備薬。同じ化学薬品の『バファリン』は、以前、強い喉の痛みの風邪をひいたことを話した歯科医師から、喉の痛みも『バファリン』を飲むと効くと聞いてからは、常備薬。目薬は常備薬リストからはずして、買うのをやめた。
『パブロンゴールド顆粒』は、今年12月までの使用期限。他に、虫さされの『ムヒ』と、切り傷の『アロエ軟膏』と、風邪の『小青竜頭』は、今春買ったばかりで使用期限内。
 というわけで、食品の賞味期限だけでなく、薬の使用期限も気をつけなくちゃという教訓を得たが、ブログを書いていて良かったと、つくづく思った。先日書いたブログ記事の文章が頭にチラチラ浮かんだため、すべての常備薬をあらためるという行動を起こしたことと、漢方薬の使用期限についての謎が解明したのだから――。



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