SIDEWALK TALK

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萩往還

2014-05-05 14:54:08 | まち歩き
Hagioukan山口県、とりわけ山口市と萩市には何度も訪れたことがある。
長州はつかみ所がない。
怜悧(いい意味で)という印象があるかと思えば、
萩城下の人びとに象徴される人品の細やかさに癒やされたりもする。
この多面性は、地政学的要因と無関係ではないと思う。


長州毛利家は、関ヶ原役の戦後処理により、
中国8ヶ国120万石から、防長2ヶ国36万石に大減封された。
しかも居城を萩という、不便な日本海側に押し込められた。
財政上の死活問題でもあり、矜持の部分もえぐり取られたような思いだったにちがいない。
けれど、これが反骨心に作用した。


江戸の目を巧みにくらましつつ、藩主は萩にいながら、
実質的に藩政を司る政庁は藩域全体を見渡せる山口に、
藩経済を支える交易に関わる部署は交通の要衝である瀬戸内海の三田尻(防府)に設置した。
幕末には馬関(下関)という地理的宿命により、欧米列強との対外戦争も経験した。


前置きが長くなった。
萩城下、山口政庁、三田尻御船倉、
この重要地域をほぼ直線で結ぶべく整備された街道が「萩往還」である。
この歴史の道をトレイルする「萩往還マラニック」というイベントが開催されていて、
今年はじめてオッサン4人で参加した。


35キロほどの行程ということで、ピクニック気分で少しナメてエントリーした。
けど、思いの外ハードだった。
前半戦で膝がブロークンしてしまい、足を引きずりながらなんとか完踏した。
満身創痍になったものの、長州の怜悧さが感じられてオモシロかった。


ほぼ直線というのも、米経済から市場経済に移行していた長州らしい。
物事を計数的に捉え、家臣や商人の体力や街道の使い勝手よりも、
移動時間にプライオリティを置いたことは想像に難くない。
なによりも当時そのままの道路整備(石畳)も興味深かったし、
幕末の志士たちがこの道を何度も踏みしめていたと思うとテンションも上がる。


山口県民にとって萩往還は親しみのある街道かもしれないが、
他県の人はあまり知らないのではないだろうか?
大げさにいえば、この街道は世界遺産級の存在であると思う。
もしチャンスがあるなら、一度歩いてみることをオススメしたい。
ただし、ナメてかかると僕のようにトンデモないことになる。


神の饒舌

2014-01-18 11:34:32 | まち歩き
Usajingu最近、社用で宇佐神宮を訪れることが多い。
宇佐神宮は、全国に4万社ほどもある八幡宮の総本宮で、
参拝は一般と異なり二拝四拍手一拝を作法としている。
隣町に位置しているから参拝する機会は多かったのだけど、
その歴史や由緒について僕はほとんど知らない。


僕自身は敬虔じゃない仏教徒だけど、
神道に対しても仄かな憧憬がある。
先年、伊勢神宮にお参りした際も、清楚な何かしらを感じた。
神道(神社)といえば古色蒼然としたイメージがあるが、
宇佐神宮はその常識からはみ出しているように感じる。
純白の土壁・丹色の柱・緑の格子窓・金色の飾り金具、
とにかく色彩が鮮烈なのだ。


宇佐神宮の歴史について疑問に思っていることが幾つかある。
九州の一地方の八幡宮が、天皇の皇位継承に容喙できたのはどうしてか?
奈良時代の道鏡事件に象徴されるように、なぜ中央の政治に深く関われたのか?
そして神宮の御祭神。
御祭神は「応神天皇」「比売大神」「神功皇后」である。
なぜ九州の神社が、大和天皇家の祖先を祭祀しているのか?


この国の神々は概ね寡黙で、せいぜい人びとの心性に働きかけたり、
夢枕に立つくらいで、罪や穢れを祓う程度のことしかしない。
それにくらべて、歴史上、宇佐神宮の饒舌ぶりには目を見張るものがある。
巫女の口を通して、中央の政治に影響を与える託宣を続発してきた。
この影響力や異能ぶりは、いったい何に起因してるのだろう?


明日、また社用で宇佐神宮を訪れる。
これらの疑問を、宮司さんや禰宜さんに伺ってもよいものだろうか?
歴史にちょいと詳しいひとに聞けば、
すぐにクリアになるレベルだと思うのだけど...

旅の終わり

2013-08-03 11:56:15 | まち歩き
Beer5遠方への出張帰り、地元にたどり着くと、
僕は必ず一杯ひっかけてから帰宅する。
だから駅弁とか空港飲みをガマンして、家路につくのである。


社用で東京へ出かけた。
で、地元に戻り、例によって飲み屋さんに立ち寄った。
そこは初めての店だったのだけど、出てくる料理がすべて神レベル。
こんなウマい店が近くにあったことを迂闊にも知らなかった。


「山水茶寮」という青々した風景や薫風を感じさせられる名前をもつこのお店は、
本来はお蕎麦屋さんで、もともとは耶馬溪で営まれていたらしい。
先年の九州北部豪雨で2度にわたって甚大な被害に見舞われ、
中津駅前に転居してきたという。


とにかく見た目だけでウマいとわかる彩り。
料理に合った食器のセレクト。
かゆいところに手が届く配膳。
これで美味しくないわけがない。
ステキなお店を見つけた。


地元に戻り、のれんをくぐり、生ビールをオーダーする。
イッキに飲み干した僕は、決まり文句を言う。
「やっぱ、中津のビールが一番ウマい!」
旅の終わりの楽しみがまたひとつ増えた。


チキン野郎

2013-07-28 15:06:27 | まち歩き
Confitきのうの土曜日、嫁さんと外食に出かける約束をしていた。
夕方、駅前のビストロを予約したと連絡があった。
連日の酷暑、地元は祇園祭、いやいやそこは焼鳥屋さんでビールでしょ!
と、心はシャウトしてたんだけど、平和主義者の僕は言葉を飲み込んだ。


仕事で汗だくになってた僕は、帰宅してシャワーを浴びた。
で、出かける前に、缶ビールを1本渇いた喉に流し込んだ。
ビストロでガブガブ飲むのは無作法だし、経済的にももったいない。
もう1本いきたいところをガマンして、店に向かった。


きのうは骨付き耶馬溪鶏のコンフィというメニューがオススメらしく、
僕は迷わずオーダーした。
最近は、肉の中では鶏肉が一番のお気に入りなのだ。


海外では、特にそうだ。
ビーフやポークは当たり外れというか、味に振れ幅が大きいが、
チキンはまずまちがいない。
安心してオーダーできる。


にしても、このコンフィは格別だった。
素材の鶏肉が素晴らしいんだと思う。
とは言え、気の利いたグルメレポートはできない。
なぜなら、僕は「コンフィ」の意味すらよく理解してない
チキン野郎だからだ。


カオスな夜

2013-06-15 10:04:36 | まち歩き
Fullmoon数日前、JC の後輩から電話があって、飲みに誘われた。
若いころは週5日くらい外食というか、つまり飲み歩いていたわけだけど、
最近はとんと飲みにでる機会が減っている。


言い訳めいたことをいわせてもらえば、
その当時も飲むためだけに飲みにいくということはほとんどなかった。
JC の会議やイベントがそれこそ週に何日もあって、
会議が終わってから、遅いときには12時をまわってから、
晩メシがてら居酒屋さんののれんをくぐる生活だった。


しかし言い訳したところで、やはり飲み歩いていたわけで、
こんな素敵でバカな生活が送れるのは若さの特権。
今これをやると、たちまちカラダを壊すにちがいない。
酒もめっきり弱くなったし...


ま、そんな気が置けない仲間からの誘いは、
何かよからぬ魂胆があるんだろうけど、楽しみしかない。
人数を聞くと僕を含めて先輩後輩4人ということなんだけど、
そのメンツがカオス過ぎる。
今夜、そのカオスにどっぷり浸かってみようと思う。


Twists & Turns

2013-05-27 09:53:13 | まち歩き
Road生産管理とか、販路拡大とか、品質向上とか、資金繰りとか、
当たり前のことだけど、日々いろいろ悩んでる。
こっちが順調でもあっちでトラブル、
波に乗りかけてたらうっかりミスで停滞したり。
ま、これもどこにでもある話。


先週、ある社員さんから退職願が提出された。
彼は30代半ばで、最近めきめきと技術が向上していた。
何よりも誰からも好かれる明るい性格で、所属チームのムードメーカーだった。
僕はそんな彼の将来を嘱望していただけに、驚きと落胆を隠せなかった。


理由をきくと、身体的なことだった。
左眼に支障があって、このままだと失明の危機があるという。
退職するにしろ休職するにしろ、そういう理由なら今のまま仕事をさせるわけにはいかない。
身の処し方は先に考えるとして、ともかく治療に専念してもらうことにした。


冒頭に述べたいろんな悩み、最近は、
ありがたいことに受注状況がすこぶるよく、生産能力の向上に心を砕いていた。
そんな矢先だったから、彼を失う損失は特に大きい。
とはいえ失明は、仕事云々じゃなく、人生の大問題。
完治して、また復職して欲しい。


仕事に苦労は付きものだし、楽して儲かる仕事などあるはずもない。
紆余曲折しながら進んでゆく。
ま、それもまた楽しからずや、である。


東京散歩

2013-05-02 10:37:53 | まち歩き
Tokyo_station今月、ひさしぶりに東京へ出張する。
20代のころは、月2回くらい上京してた。
関東方面の営業担当だったことや
日本 JC へ出向してたということもあるけど、
本音をいうと、遠距離恋愛の彼女がいたことが一番の理由だったかな?


当時はバブルで、ホテルや飛行機の予約も大変だった。
今はネットもあるし、サクサクッと手配できる。
だからかえって準備になかなか腰が上がらなかった。
きょう、ようやくホテルやレンタカーの手配をした。
楽になったもんだ。


今回は、東京と名古屋を巡る旅。
実は、仕事の他にささやかな楽しみがある。
旧友たちとの再会。
といっても、最近はSNSで繋がってたりするから
懐かし度はそれほどでもないような気がする。


ともかく、よく遊びよく学べ。
まずは商談をばっちりキメて、
心置きなく夜の街をスウィングしたい。

春うらら

2013-03-09 08:56:11 | まち歩き
Factoryオッサンになって、ホント寒がりになった。
ここんとこ春めいた陽気がつづいていて、
寒がりやの僕には過ごしやすい日がつづいている。


でも.....、だ。
2~3日まえから目元がかゆい。
若干ではあるけど、鼻づまりもしている。


ついに花粉症になったんだろうか?
と、おののいてるんだけど、
真性の花粉症である嫁さんや経理の子の症状とはちがう感じがするし、
まったく目のかゆみや鼻づまりをしない時間帯も多くある。


ということは.....、あれか。
最近メディアで取り上げられている PM2.5 の影響なんだろうか。
まだまだ研究途上らしいが、
これが花粉や黄砂、光化学スモッグなどと結合することによって、
より悪性の有害物質に化学変化する危険性もあるらしい。


家に引きこもって潜水生活をおくることが一番の対処法なんだろうけど、
今日はホワイトデイのプレゼントを買いに街に繰りだす予定にしてる。
おまけに夜は、気が置けない仲間との「春のうららのジンギス会」という飲み会。
春うららは大歓迎だけど、これを機に真性の花粉症になりはしないかと
戦々恐々としてる今日のこの頃だ。


鬼の目にも涙

2013-02-17 15:24:23 | まち歩き
Jokun昨年の秋、JCの先輩が旭日小綬章を受章した。
きのうは、その叙勲祝賀会があった。


先輩は家業を年商200億円の企業に成長させ、
会議所会頭や日韓親善協会、サッカー協会、法人会...etc
数多くの役を歴任し、自社のみだけじゃなく社会に貢献されてきた。
今回の叙勲は、その功に対してのものだろう。


その先輩は経済人特有のリアリスト過ぎるリアリストで、
クールに物事を見る目をもっている。
むろん、権威主義などとは無縁の人だ。
叙勲なんて僕には縁のないものだし、
祝賀会も形式的なものだと高をくくって参加した。


ところが.....だ。
いつものなら軽妙なジョークで自身の功をはぐらかす先輩が、
涙で謝辞の言葉を詰まらせた。
千万の言葉よりも感動したし、
会場でもらい泣きしたのは僕だけじゃなかったはずだ。


「鬼の目にも涙」などというと茶化してるようだけど、
僕は敬愛とリスペクトを込めてこのエントリーを書いた。
先輩からは叱咤激励という名のお叱りを何度も受けた。
青臭いことをいうようだけど、社業に励むことが唯一の恩返しだと
改めて肝に銘じた一日だった。

In motion 2013 - 博多の夜は更けて

2013-01-09 14:54:26 | まち歩き
Nakasu来週、福岡で飲むことになった。
もっとも飲み会とかじゃなく、社用なんだけど。
どこにいこうか、思いあぐねている。
こっちがホストだし...


以前は、10年ほど前までは、博多でよく飲んでいた。
とあるカルト的団体の会議が月イチペースで福岡であって、
僕は飲み会も含めて設営係だったからだ。


 山海の珍味に溢れた居酒屋さん
 ジモティ御用達のモツ鍋や博多水炊き
 小洒落たワインバー
 やたらシブいバーテンダーがいるショットバー
 はっちゃけたオカマバー
 場末のスナック
 分不相応な高級クラブ
 〆の豚骨ラーメン
 〇×△□※をサービスする店 (^^ゞ

役目柄、いろんなジャンルの店を網羅していた。
ところが、最近はパッタリ出かけなくなった。


栄枯盛衰、盛者必衰、興亡治乱、一栄一落が常の夜の街。
10年まえに通ったお店たちは、果たして今も健在だろうか?


P.S. 社用のあと、まだ見ぬ FB フレンドと会食するもしれない。
めちゃめちゃ楽しみなんだけど、どんなお店がいいのかな?
これまた情報不足...