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Milestones

2012-04-15 16:26:37 | アート・文化
Nogaku大学の先輩でプロの能楽師になられた方がいて、
この度、文科省から重要無形文化財保持者の認定を受けた。
年齢的にもそうだが、
また能という血統主義の伝統世界においてはなおさら、
この認定は異例のことらしい。


先輩とは、数年前にブログを通じて再会し、
今はFacebookでも繋がっている。
そのご縁もあって、今回、そのお祝いの会に呼んでいただいた。
祝賀会には、先輩のお弟子さんに加えて、
僕の他に大学サークル関係のゲストも複数いた。
懐かしい顔や、初対面の後輩、むかし叱られた先輩...etc
楽しかったな。


先輩の謝辞にはグッときた。
まったくの素人からプロになるには、
相当な覚悟と想像を絶する修行が必要だっただろう。
けど、そのことにはほとんど触れず、
室町時代から脈々と続く、歌舞伎や長唄、日舞、
日本のほとんどの芸能の源流といえる
能を受け継ぐ者としての覚悟と役割を述べられていた。


先輩の親友でジャズ・ピアニストがおられて、
この会にも出席されていた。
このKさんは、僕にとっても、先輩同様、
大学のサークルの先輩ということになる。
会の中程で、ご祝儀とエールを兼ねて、
ピアノ演奏をおこなった。


Kさんが演奏したのは、
マイルス・デイヴィスの「Milestones」という曲。
この曲のテーマやモチーフは知らないが、
タイトルの「一里塚(Milestones)」が後の先輩の謝辞と
ピッタリと符合したのには鳥肌が立った。


先輩は能の世界ではまだ若い方だから、
今後、さらなる高見に登られると思う。
無能で無力な後輩としては見守るしかないのだけど、
ご活躍を祈らずにはいられない。