今日は冒頭のシーンから、涙がジワっと来てしまいました。
海辺の訓練のシーン、海援隊がいるのかなと思ったら、そこに龍馬がやってくると、なんと向かえたのは武市さんに以蔵にそして長次郎までいるではありませんか。
そしてみな嬉しそうに「もうすぐじゃ、もうすぐじゃ。」と言っているのです。もちろんそれは、夢が叶うのは、新しい時代がやってくるのは「もうすぐじゃ。」と言っているのでしょう。でも、過去の未来を知っている者にとっては、それは「もうすぐ会える。」と言う風にも聞こえてきてしまったのでした。・・・・・使命を終えてもうすぐ会える。
それは龍馬の見た夢のシーン。
最終回は凄く静かに始まりました。
京の町には新撰組や見廻組が不穏な感じでウロウロとしていました。それがまるでごろつき、もしくはチンピラの様に見えました。この描き方こそ、実は織り込まれた「龍馬伝」の密かなメッセージなのかもしれないと思ってしまいました。
なぜなら、「新撰組」が物語の中心であった時、新撰組の正義や熱い想いが見えませんでしたか?
将軍慶喜は、そんな忠義の者を見捨てた卑怯な人に見えませんでしたか?
役名は就いているのに、それは何の意味もなさず描かれず、集団として描かれていたあまりにも軽い新撰組。見廻組においては初登場。ある視点で見れば最重要人物でも、別の視点から見れば無きが如し。
弥太郎の言っていた事は、まさにそれだったと思います。
龍馬の正義は、他の誰かにとっては正義に非ず。
時代を超えたような龍馬の考えには、ついていけない者や理解できない者も多数いたと思います。何しろ、なかった考えだったのですから。
今回は最終回らしく素敵なシーンが、たくさんありましたね。
龍馬と弥太郎の、結局は最後になってしまったシーン。弥太郎のセリフも印象的でした。
「眩し過ぎる日の光は、無性に腹が立つ。」弥太郎トークはいつも正直すぎるくらい自分の感情に正直です。
龍馬を信じてしまったことで儲けたお金は要らないと、その手形を渡しに来た弥太郎でしたが、そのお金で日本一の会社を作りみんなを幸せにするのだと説得されてしまいます。
最後に龍馬が弥太郎に言った「達者での」は心に残りましたね。それは弥太郎の心にも残りました。やけに心に残ったその言葉を気にして町をうろつきます。
弥太郎はいつも挫折感を味わって、二度と会わない、もう決別する、もう最後だ、大嫌いだと言いに来ますが、でもそれは口だけで本当にはそんな大きな決意ではなかったのだと思います。だって今までも何回も聞きましたよ。弥太郎の「もう二度と会わない。」
でも今回の龍馬からの「達者での」。弥太郎の不安指数マックスに。
ちょっと戻りますが、龍馬は私の後藤様が土佐に帰られた後、土佐藩邸に出入り出来なくなってしまいます。
私の後藤様の出番は先週まででした、シクシク。
まあ、それはどうでも良い事ですが、もしも龍馬が土佐藩邸に居られたらと意味のないことを思ってしまいました。
弥太郎と見廻組との絡みも良かったですね。
「あんなやつ大嫌いじゃ。」と言って終わるのかと思ったら、追い掛けて行って「殺されるほどの事をしてはいない。龍馬を殺してはならん。」と頼み込む弥太郎。
だけど刻々と時は近づいてきてしまいます。
龍馬があちらこちらに送りつけた新政府綱領八策の○○○を盟主に置きと言う部分で、人々は翻弄されます。だけどそれこそが龍馬の仕掛けた罠でした。新政府設立を促す為、人々が真剣に考えるように煽ったのです。
そこに徳川の名が入ると疑心暗鬼に陥っている薩摩の為に、中岡は龍馬に真意を確かめにやってきます。返答次第では自分の手で龍馬を切る覚悟だったのです。
その薩摩と中岡のシーン、風が強く吹いていましたね。すべての演出、抜かりなくっていう感じがしましたよ。
最後の最後まで上手い脚本だと思いました。何故見廻組が龍馬潜伏の近江屋にたどり着いてしまったのか、淀みなく流れましたね。
中岡慎太郎が近江屋にやって来て、ああ、役者が揃ってしまったと思いました。
その中岡をつけてきた見廻組。
だけどその前に二人の再会が緊迫物です。
「待っていた。」と龍馬は言いますが、中岡の気持ちを見抜いていました。でも龍馬は信じていたのですね。話せば分かるのだと。事実、新政府のメンバー表の徳川側の名に難色を示した中岡でしたが、二歩も三歩も進んだ龍馬の考え方を理解しようと耳傾けて、龍馬の夢に共に思いをはせるのでした。でもそれは本当に一瞬の夢の時間。
ひとつの波を乗り越えた二人には、本当に近づいていた大波に気がつくことが出来なかったのかもしれません。
近江屋襲撃のシーンは、なにげにリアルでそして恐ろしかったです。怖くて震えました。
この「龍馬伝」では、時々歴史を何処かの空間から覗かせてくれた そんな感じがしましたが、今回も同じように思いました。でもそれは悲しく、繰り返すようですが、惨殺を目撃してしまうという恐ろしいシーンでした。
もしも階段の下まで静かに来られたら、そしてそこから脱兎の如くあのスピードでしたら、銃も出せず剣の鞘さえ抜けませんよね。まして相手は必殺の輩の如く、一言だって龍馬の話を聞こうともしていない「人斬り」なのですから。
「何故」と言う龍馬の声が空しかったです。
その実行犯、今井信郎は市川亀次郎さん。なんか、並ぶと弥太郎と似ているなあと思ったら、そう言えば香川さんと従兄弟なのですものね。
胸騒ぎに駆られて近江屋に走る弥太郎は近江屋から戻る見廻組と鉢合わせをしてしまいます。まだ、鞘に収められても居ない剣からは血が滴り落ちています。すべてを悟った弥太郎は、「何ちゅうことをしてくれたんだ。」と嘆くのでした。
「返してくれ、大事な人じゃ、大事な人じゃ。」と嘆く弥太郎に涙がハラハラこぼれました。
泣いたと言えば、ちょっと流れで書き込めなかったのですが、4つの杯のシーンでも泣きましたよ。新政府メンバー表(本当は違う名前)の前で、一人でお酒を飲むシーンですが、それは亡き友と酒を酌み交わしていたのですね。夢の中と同じ武市と以蔵と長次郎と、そしてあと一人は誰かなと思ったら、高杉さんでしたね。
お話を元に戻して、龍馬の死の後の演出も無駄がなくて良かったですね。あちこちに龍馬の亡霊が訪れたり、出演者がその亡霊と話す的なものがありがちですが、そういうベタな物がなくて感動が持続しました。せいぜい海でおりょうさんの思い出として現れただけで、それも、おりょうさんが龍馬の幻影で彼の言葉を思い出していると、乙女さんと権平兄さんが現れ、既におりょうさんは龍馬の死を知っていて、土佐に来ているのだと分かるのです。
そして、おりょうさんは龍馬が教えてくれた、笑い方「う・み」と言いながらしっかりと歩いていくのでした。
あの笑い方「海」がここに来るとは思いませんでした。
やっぱりここも泣けるなぁ。。。。
と言うわけで、すべてを話し終わった弥太郎も、既に死の床についていました。記者が「竜馬さんの意思をわれわれが必ずついで・・・」と言いかけると、「そんな簡単なものじゃない。龍馬は人たらしで女にモテテ、・・・・」最後に、「どこにも居ないあんな龍は。」と言うマトメの言葉があったのですが、泣いていたので良く分からなかったです。ごめんね、弥太郎、。
加えて言うと、弥太郎最後のシーンも、なんとなく冗談かなと言う顔をしていたので良く見ていませんでした。悪かったかな。かなり作りこんだ顔をしていたのに。すまぬ弥太郎。
でも享年50歳と言うのはしっかり見ていましたよ。もっと図太く生きていたのかと思ったら、たった50歳で亡くなったのでした。だけど龍馬より17年長く生きて、弥太郎は弥太郎のやるべきことをやりましたね。
と言うわけで、「龍馬伝」、終わってしまいましたね。
今年の大河は本当に面白かったし、また勉強にもなりました。
そして、今年も私のつたない大河の感想を読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
だから4部の面白さは格段のものがありました。終わってしまって寂しいですね。
>三菱の方に配慮したのかも知れないけれど
確かにそういう部分はありますよね。
でもあれならどこからも文句は出まいと言うところ・・・でもないか。最後の弥太郎の顔には、こっそりと苦情が言ってるかもですよw
あの選挙速報は酷かったですね。私はbsで見ていたのでセーフだったのですが、他の人がアップした映像で見ました。一番手に汗握るシーンではないですか。
ツイッターでいろいろ見ていたのですが、我慢が出来なくてNHKに苦情の電話を入れたら、平謝りで苦情電話の対応に追われていたそうです。
また、ある人の呟きでは、あれは「こんな風に選挙が出来る世の中が来たぜよ。」と言う龍馬からのメッセージだと言うのがあって、妙に感心しました。そう思うと、見る目も変わると言うか、皆さん、上手い事いいますよね(笑)
途中ではかなりいい加減でしたが、ラストの加速する面白さに抑えがたく、意外とまじめに書いてしまいました。つたない感想を読んでくださって、本当にいつもありがとうございました。
そしてこれからもよろしくお願いします♪
こうなることはわかっていたのにやっぱりハラハラどきどきで見ていました。
でも、山場の暗殺シーンで、なんと「選挙速報」が、画面の上の方に表示されてしまって、それはちょっとザンネンでした…
せっかくの最終回なのに、なんでまた選挙速報をのせるのか…終わってからじゃだめだったのかな、と今でも思ってます。
ともかく、大政奉還という志は果たせた龍馬の魂。なつかしい土佐の地にかえっていったのでしょうか。
ほんとに、久しぶりに楽しめたドラマでした。
ほとんど毎週、ドラマ見て、kiriyさんのブログ読んで「うんうん!」とうなずき、
コメントを書かせていただき、という週末、楽しかったです♪
kiriyさんの感想・解説のおかげで、数倍楽しめましたよ。
ありがとうございました。
これからも、どうぞよろしくね!