エンドロールで、脚本の名前を見たときに誰かしら、と思ってしまいました。
ブラジリィー・アン・山田
まあ、ハーフさんかしらとか女性の方なのかしらとか思ってしまいましたが、違いました。
その方のブログがありました。興味のある方はこちらです。
→脚本家・演出家 ブラジリィー・アン・山田の活動日記
たまきさんに誘われてマジックを見に来た右京さんでしたが、純粋にそのマジックを楽しんでいる姿がラブリーでしたね。そのマジックのクライマックス、上から人が落ちてきて・・・
あらすじは→こちら
<以下はネタばれしていますのでお気をつけて>
でもこの時、犯人が分かってしまいました。だってねえ、元のマジックの映像見て、やっぱりそうだなと思ったのですが、あの人、自分を守って立っていたのですものね。
だけど、4年前の弟子の死亡事件。偽名を使っていた死亡した男。別れさせ屋。一枚足りないトランプ。おかしなボールペン。奥さんの奇妙な話し方(あっ、これは違うか。)。マジックの才能のある子供。
カードをぱらぱらとシャッフルさせるような楽しさがありました。
そして一番の見所は、最後のネタ晴らしでしたね。
殺人のトリックはしょぼい(ごめんね、正直で)。殺人の動機もフツウ。
でもゾッとしました。
離婚の理由。子供を手元においておきたかった理由。大学進学を勧めていた理由。そこにフツウをフツウ以上にした面白さがありました。
それを語る、犯人の顔は、いつものトボケタようなひょうきんさは微塵もありませんでした。
でも「相棒」です。ラストはしみじみ・・・
「知っていたよ。」と子供は言いました。知っていながら父に従おうとしていた子供。
「僕にとっての最高のマジシャンはミスターアキだから。」
父の家族に仕掛けたマジックのタネは、子供にはばれていたわけですね。
尊のインスタントコーヒーマジックには笑えましたね。
暇か課長は「違いの分からない男。」
ところで三浦さんが消えてしまっているマジックはいつまで続くのでしょうね。
で、ぞっとしましたねぇ。でも父と息子、か。
~~~山田さん。相棒脚本は、はじめてということなのかな?芸人の業・・凄いですねぇ・・
憚りながら、自分の仕事も、ものをつくる・・といえばそうなんですね。職業の属性を書くことは控えますが、ものづくりへの野心のようなものは、消す必要も押さえる必要もなく見据えていたいなあとも思うんです。
でこの野心が外部へ暴走する危険も常にあるわけで。山田さん。この暴走抑止のさじ加減を、簡素に物語の中へ書き写していて。凄いです。ほんと。
「左目~」は兄の犯罪を阻止しようとする弟。こちらは兄の真意、理由はわからなく。なんでなんだ・・とずっと問いかけ続けている。
人の野心の暴走をこの物語も書いているんだと思ってるんですが、この野心は、うん、ミスターアキと比べると、外部、他者に向かう若いエネルギーの塊。こちらの脚本家さんはどうこなされるのか。はい。また追々と~
心に残る言葉ですねぇ。「野心」、大切なんですよね。
その野心の暴走がしばしば物語のテーマになるのですよね。山田さんのシナリオは、最後は「相棒」の世界観を捕らえていました。ぞっとさせても、優しくなければ「相棒」じゃないんですよ。
そんな所で人気があったり、刑事ものの水戸黄門みたいなものでしょと言われているところです(笑)
「左目・・」は、その兄やんの真意が知りたくて、見続けてしまうかもしれませんね。
また教えてね。