うちの社長が事務所で独りつぶやいていた。
「あ~あ俺も60かぁ・・・・。」 何だか寂しそうだった。
聞けば3日前に60歳になったらしい。
プライベートのことは殆どふれない職場、互いの誕生日すら知らない。
この人と知り合って20年以上経つ、何だかんだでずっといっしょ、お世話になりっぱなしなのだ。
ふっとひらめいた! 「お祝いに花束を贈ろう!!」
いつも忙しくしている社長、昼には出かけるという。
今10時半、なじみの花屋さんに急ぎFAX、「これから1時間でメッセージ付き花束を持って来て!」と無理を言った。
送り主は社員一同がいいだろうと、事務所にマル秘メモを回し社員全員に了解をとった。
北村「社長、何時に出るんですか?」
社長「うん、昼ごろ・・・北村くん何か用があると?」
北村「いえいえ、な~んもなかです。」・・・サプライズを演出するのも大変である。
そして昼ごろ社長が事務所を出ようとした時、ちょうど花束が届いた。
花屋さんも気持ちを察してくれて、大盤振る舞いの花束だった。
社長「うわ~~こりゃなんね~、がっぱい嬉か~~。みんなありがとう!」
予想以上に大喜びだった。
花には魔法の力がある。
よくよく考えると感謝の気持ちはこんなもんではすまないはずだ。
別に大したことをしたわけではない。けれど気持ちは伝わった。
笑顔の社長は「みんな昼飯喰いにいくぞ! メシくらいおごらんばね・・・。」
どこもでも人がいいのである。
ひととき事務所で笑顔の花が咲いた。
ふとした思い付きだったけれど、本当にやってよかった。
尚志さんたちの気持ちがいっぱい詰まった花だったから、
社長も余計に嬉しかったのでしょうね☆
素敵なお話をありがとうございました^^
きつい時は一時です。
春は必ずやってきます。