北関東の宮彫・寺社彫刻(東照宮から派生した宮彫師集団の活躍)

『日光東照宮のスピリッツ』を受けついだ宮彫師たち

伊勢崎の屋台-南北千木町屋台(彫工:岸亦八一門)

2018年10月16日 | 各論 岸又八一門(含 弥勒寺音八)
10月中旬の土曜日午後から(悪天候の場合に翌・日曜)に巡行され、千本木神社に屋台囃子は奉納されます。さらには、『龍頭神舞』という龍の頭を被って舞われる神事も古い歴史を持っています。南千木町、北千木町の両町が所有する屋台は、嘉永4年に製作され、彫工として岸大蔵(亦八)、弟子の弥勒寺音八他4名が携わった棟札が残っております(後出)。「獅子彫の名手」と考えている岸亦八の素晴らしい「獅子」の彫物、「ブドウとリス」、「龍」等が付いています。

fig. 屋台の前景



fig.屋台の前方の鬼板と懸魚『獅子の子落とし』上部の鬼板に親の獅子、下部の懸魚に落とされた子の獅子












fig. 唐破風の両サイドの獅子

・谷に落とされた子獅子の心配に見る同胞の獅子




fig. 町に残る屋台の棟札


fig. 棟札の彫工部分の拡大、岸大蔵(=亦八)、弥勒寺音八の名があります。


fig.屋台前方部 本来は後方が囃子方でしたが、町の方の意向で彫物の豪華な前方に囃子を移動・変更。



・提灯に隠れますが、前方部の木鼻は「龍」になります。



・脇障子(開閉可動式)上部は「鶴」、中央は「葡萄にリス」、下部は「亀に金魚」



・枠から飛び出るリス、お尻を突き出しているリスがいます。






・2匹のリスがいて、右のリスはブドウの房にしがみついています。(躍動感が出ています)




・脇障子下部の「亀と金魚」



fig. 屋台の中央の上部欄間 「梅に鶯」、上部は「松に雉」



fig. 地元に残る『龍頭神舞』 地元の少年少女が参加しています。



fig. 古くから伝わる龍の頭(理由は不明ですが、獅子ではない意味が大きいと思います)








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