「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

EU政府内の権力闘争とイギリスがEU離脱を決めた理由<2024/09/21

2024-09-21 19:17:04 | ヨーロッパ

※この日記は、その後の様々な情報を合わせて私が推測したものです。私の推測であることを承知の上でお読みください。

アングル:仏大統領、欧州での影響力に陰り ブルトン委員辞任の舞台裏
By Michel Rose
2024年9月21日午前 8:42 GMT+91時間前更新
https://jp.reuters.com/economy/QRYXA7ZSJJLARGRWFIASVC7J2I-2024-09-20/

(1)まずEU政府のあり方の問題があります。
理想を言えばヨーロッパの政治統合と統一国家の設立だろうと思います。
しかし、それには加盟国が国家の主権を放棄する必要があります。現実には主権を放棄する国家はありません。
それではEU政府は成立しません。
そこで考え出された妥協策が、EU政府首脳は選挙によらず大国の密室の談合で選出する方式です。
このような方法を取るならEUの中の大国の意思が大きく作用するのは当然です。
現在の委員長を言えばドイツのキリスト教民主同盟系です。
前回の委員長選出の時は、ドイツが経済的に大きな成果を見せていた時であり、当時のドイツ首相はやはりキリスト教民主同盟のメルケルです。
だからフォンデアライエン委員長が選出されたのだろうと思います。今回もその構図は変わらずフォンデアライエンが再任されました。

(2)ドイツの意向が反映されたのは、フランスのマクロン大統領率いる政治グループが欧州議会選で議席を減らし、フランス国内の総選挙でも議席を減らしてマクロンの政治力が減少した結果を反映したものだろうと思います。
キリスト教民主同盟は、ドイツ国内では議席を維持しています。
つまり、大分前からEU政府は実質的にドイツが大きな影響力を及ぼしています。これを・・・
「ドイツ第4帝国」
などと陰口を叩きます。
実際その通りでEU政府内の第1党がドイツで第2党がフランスです。第1党ドイツの影響力が非常に大きいと言えます。

(3)こうしてみてくるとイギリスのEU離脱の別の理由も見えてきます。EU政府内の権力闘争でフランス・ドイツ連合に敗北した結果だと思います。「EU政府内で権力を持てないなら、EU政府にとどまる必要はない」と考えたのでしょうね。
これがイギリスのEU離脱の本当の理由だろうと思います。EUを離脱すれば、現在イギリスが被っている経済的不利益が予想できないとは思えません。
イギリスの完全な主権回復が、真の理由だろうと思います。
しかし主権は回復できましたが経済的な不利益はイギリスが考えた以上に大きなものだったと思います。
しかし、主権回復のためのEU離脱ですから労働党に政権交代しようと今更、イギリスがEUに復帰することはないだろうと思います。復帰すればドイツとフランスの風下に立つNo3の位置が決定するからです。

(4)今回、フランスのEU代表がドイツのフォンデアライエンに追放されてしまいました。それが今回取り上げた記事です。
しかし、ドイツのフォンデアライエンを再任してしまえばEUはこれから5年間、ドイツの主張する政策を続けると思います。
これは他のEU諸国の多くは拒否しているものです。
EU政府がEUの政策を強行すれば、益々EU各国との摩擦は大きくなるだろうと思います。

こうして見ていると選挙の過程を無くしてEUの大国が密室の談合でEU首脳を選ぶ今のEU首脳の選出方法の不合理がモロに出ているような気がします。
EU各国やEU市民の意思を無視してEU政府が自分たちの勝手な政策を強行する不合理です。
EU市民が直接選挙で選ぶのであれば、こんな勝手なことは出来ないと思います。
EUの大国が密室の談合が、EUの独裁者を生み出す構図です。もしEUが軍隊を持っていたら簡単に独裁国家が出来ると思います。
EUの大国が密室の談合が、EU市民に対する究極の無責任を生み出しています。

果たしてEU政府が必要であるかどうかすら疑わしいと思います。
NATOと言う軍事同盟だけで十分でないかと思います。
EUが将来、完全な政治統合を果たすのは無理なように見えます。単にブロック経済を生み出すだけのように見えます。ブロック経済を生み出してしまえば、ヨーロッパの没落が早くなるだけでしょうね❓

(5)今は経済的に不利益でもドロ船から逃げ出したイギリスの選択は、案外正しいのかもしれません。
そして今、イギリスのやっていることは(隠れ)ドイツ叩きです。
アメリカもウクライナ紛争を利用してドイツ叩きをやっていますから、この際便乗しようと言うことだと思います。
アメリカのドイツ叩きの理由は、ドイツ第4帝国阻止です。メルケル時代に強くなりすぎたので、この際叩いておこうと言うことだと思います。

色々見えてくるアメリカとヨーロッパの政治の裏側は、ドロドロですね❓

英米連合VS大陸連合VSロシア
何だか三つ巴の足の引っ張り合いに見えなくもありません。
今は、「英米連合+大陸連合VSロシア」ですが❓
いつ大陸連合が分裂して❓
「英米連合+大陸連合A:VS大陸連合B+ロシア」
に変化してもおかしくないと思います。
こうなれば、ヨーロッパ紛争に拡大でしょう。


※関連記事目次
項目「ヨーロッパ」の目次②
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/70484af7010580642c91d2a502a7002d



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