さて、ロシアの政治体制は近年、欧米諸国では誰も見たことのない珍妙な政治体制です。誰もが普通、自分が見たことや体験したことでしか想像できません。
だから、西側諸国はロシアがどのような国であるか、今でも十分理解しているとは言えないと思います。
東ヨーロッパ諸国で鉄のカーテンの内側にいた国々は、旧ソ連を思い出してそのイメージで理解していると思います。それは部分的に正しいと思います。
アメリカや西ヨーロッパ諸国は、民主主義や自由主義的な視点からしかロシアを見ることが出来ません。ロシアも一応は、それらしく見えたからです。
しかし、戦争が始まった後は露骨に反政府的な動きは弾圧され封殺されました。そしてプロパガンダがロシア中を覆いつくし、今ではプロパガンダに反する事は厳格に禁じられています。
このような状況が徐々に姿を現したので分かりにくかったと言えます。戦争開始後、1年以上が経過してその全体像が、いやでもはっきり見えてきました。
独裁者個人の歪んだ考え方に支配された独裁式軍国主義です。そんな政治体制は、今時アフリカの独裁国家に行ってもないと思います。似たようなのは、唯一スーダンくらいでしょう。スーダンでは独裁者が追放され内戦中です。あるいは、北朝鮮です。
他には、それほど個人が完全に独裁する独裁国家はないと思います。
そしてそこに完全な軍国主義が加わると、やっぱり似たようなのは北朝鮮ぐらいしか見当たりません。つまり、今のロシアはほぼ類型が見当たらないほど特殊な政治構造と言えます。
だから誰も今のロシアを理解することが出来ません。
一番よく似ているのは、ナチスドイツです。あるいは、スターリンが完全な独裁体制を築いた旧ソ連です。
そんなものが21世紀の世の中にあるとは想像が出来ないから、理解できないというわけです。
「まさか?そんなの、あるわけないだろ?」
しかし、今我々が見ているのは、旧ナチスドイツでありスターリン独裁体制下の旧ソ連です。
だから、今のロシアとは妥協も交渉も出来ないと言う事になります。
妥協したら?
「ミュンヘン会談」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%B3%E3%83%98%E3%83%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87
同じことが起きるでしょう。ロシアの本質を見抜いていたのはイギリスです。さすがに大英帝国時代から犬猿の中ですからよく敵を理解しています。
旧ナチスドイツでありスターリン独裁体制下の旧ソ連とは妥協や交渉の余地はなく戦って勝つしかないと言うことを理解していました。だからイギリスは、東ヨーロッパの国々と協力して徹底的にウクライナ支持と支援の方向にNATOをリードしました。
このような事をはっきりと書いたメデイアの記事は読んだ記憶がありません。不思議だと思いますが、理解できないのでしょうね?
軍国主義国家は、何をやるか?
軍国主義を正当化するためにプロパガンダを徹底的に行い、軍国教育を始めます。
CNN
練兵場と化す校庭、軍国主義化が進むロシアの学校
2023.09.25 Mon posted at 18:15 JST
https://www.cnn.co.jp/world/35209487.html
これがロシアの国内で現在進行形で実行されていることです。それに使われている教材が下記の記事に書いた通りです。
2023年9月22日 9:44
ロシアの歪んだ歴史教育<2023年9月
https://smcb.jp/diaries/9136561
この日記が嘘や冗談だと思う人は、きれっぱしで出てくるロシアのニュースを注意深く読めば、嘘でも冗談でもなく単なる現実だと理解できると思います。
それを実技の面から報道したのが、CNNの記事です。嘘でも冗談でもなく、事実だと分かると思います。
ひたすらプーチンを絶対化して絶対正義にしています。だからプーチンの指導に従ってロシアのために敵であるNATOと戦うのが、正しいことだと子供たちに教え込んでいます。つまりロシア式軍国主義の総仕上げを実行中です。
こんな国が21世紀にあるとは思えないから理解できないだけです。そもそもロシアは、帝国主義ロシアの時代から共産主義ロシアの時代を経て、独裁主義しか政治体制がありません。
だから、プーチン独裁になってもロシア人には、ほとんど違和感がないという他の国には、理解出来ない歴史的な経緯があります。
ロシアの独裁体制が崩壊ししたのが、1991年です。歴史的に見れば、昨日のようなものです。たった30数年で自由主義や民主主義が根付く方が、おかしいでしょう?そんな土台が、そもそもないのですから・・・
ロシア人にとってみれば、プーチン独裁はロシア人が長年慣れ親しんできた政治体制に戻っただけなのです。ロシア国内からほとんど反対する声がないのは、一つには弾圧されるからであり。二つには、普通のロシアに戻っただけだからです。
(2)アメリカのエイブラムス戦車がウクライナに到着
やっとアメリカが供与を約束した分が到着し始めたようです。しかし、エイブラムス戦車31両は強力な兵器ですが、すぐに戦争に役に立つわけでもありません。
今はウクライナの前線は、塹壕戦になっておりどのような戦いがされているかは、既に書いた通りです。ウクライナ軍がロシアの強力な防御網を突破した時に、エイブラムス戦車31両は強力な兵器として威力を発揮すると思います。
あった方がいいですけれど、この戦車が即ウクライナ軍の前線に大きな影響を与えるわけではありません。むしろ来年に予想される本格的な反撃作戦で威力を発揮すると思います。
ウクライナに31両供与へ 「世界最強の戦車」エイブラムスとは? アメリカ陸軍駐屯地で見た“衝撃”【現場から、】|TBS NEWS DIG
https://www.youtube.com/watch?v=hCaPt9kX-8U
米国、戦車「エイブラムス」31両をウクライナに供与へ-ドイツと協調
Anthony Capaccio
2023年1月26日 1:16 JST 更新日時 2023年1月26日 3:52 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-01-25/RP1RQAT0G1KW01
ワールド
2023年3月22日12:08 午前Updated 6ヶ月前
米、今秋にもウクライナに「エイブラムス」戦車の供与の公算=国防総省当局者
https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-tanks-idJPKBN2VN16J