★その後、バフムト北部シヴェルシク方面のロシア軍の国旗撮影は、「ヤラセ」であったことが判明しロシア側のRYBARが(ブチ切れながら)ガセネタであることを報告しました。これは双方ともやります。だから普通は、怪しいのは「まともな」軍事ブロガーは報告しません。RYBARがロシア軍の「ヤラセ」に騙されてしまったという顛末でした。
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/russian-troops-advance-on-multiple-fronts-on-the-eastern-front-recapturing-factories-in-the-city-of-bolchansk/
2024.10.9
シヴェルシク方面で三色国旗が掲げられ、トレツク南市内にもロシア軍が侵入
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/the-tricolor-flag-was-raised-in-the-direction-of-siversk-and-russian-troops-entered-the-southern-city-of-tretsk/
東部戦線全域で何かしらの戦闘は行われています。
この日記で取り上げているのは、重要な戦場や活発な戦闘が行われている地域です。
戦闘は行われているが、それほど活発でなく前線の大きな移動も見られない地域は、取り上げていません。
例えば、今年の前半は毎回のように取り上げたバフムト西部のチャシブ・ヤルChasiv Yarは、今は小休止になっていて忘れられたようになっています。
バフムト北部シヴェルシク方面もどちらかと言うと、前線の位置があまり動かない戦場でした。
今回、航空万能論の記事でやや変わったロシア軍の動きを報告しています。
シヴェルシクSivers'kは、バフムト北部に位置しロシア側のルガンスク州リシチャンシクЛисичанськとウクライナ側のドネツク州スラビャンスクСлов'янськの中間ぐらいの位置にあります。
これまではウクライナ軍が周辺地域を含めてかなり広いエリアを支配してきました。
やや広い地図で見るとロシア側のルガンスク州リシチャンシクЛисичанськに近い位置まで前線が東に寄っています。2022年秋の大反撃作戦でウクライナ軍が奪還したエリアです。
ロシア軍も攻めたい気持ちはあるのでしょうけれど、これまでは塹壕戦になっていて膠着した戦場でした。ロシア軍は大きな兵力はドネツク州の中部と南部に投入してきました。
ところがドネツク州の中部と南部では、ロシア軍が圧倒的に優勢になりましたので、これまでロシア軍が活発でなかった戦場でも動きがみられます。
今回の記事では、前線の位置から大きくウクライナ側に入り込んだ位置でロシア軍の存在が確認されました。
①ビロホリウカBilohorivkaの西のフリホフカHryhorivka
②ヴェルフノカミャンスケVerkhn'okam'yans'keの集落の西の端付近
①は、ウクライナ軍の強力な要塞のビロホリウカBilohorivkaの背後に回られるという意味で、重大です。
②は更に重大でロシア軍の前線位置からシヴェルシクSivers'kの市街地の端まで約半分の位置です。
本来ロシア軍が入り込めない位置に何故かロシア軍がいることになります。
違う言い方をするとロシア軍が、シヴェルシクSivers'kの市街地までの距離を半分進撃している可能性があります。
まだ軍事ブロガーは双方とも前線の位置の変更は、していません。
そのため普通ならいるはずのないところにロシア軍がいる可能性が出てきました。
ウクライナ軍がクルスク侵攻作戦のために部隊を引き抜いている地域では、ロシア軍がタイミングを見て一気にかなり長い距離を進撃している場合が、これまで何か所かの戦場で確認されています。
そのような戦場では、その後ウクライナ軍が圧倒的に不利になっています。
ウクライナ側のDEEP STATEは特に劣勢が酷くなってからは前線位置の変更が遅くなりました。
普通に変更するロシア側のRYBARが変更していないのは、ロシア軍がそこにいないか、ロシア軍の行動を秘匿するために敢えて更新しないかどちらかです。
しかし、特に②まで一部でもロシア軍の部隊が進出している場合は、この前線は急激な変化(ロシア軍の西への前進)が起きるかもしれません。距離の半分ですから、事実なら「おおごと」です。シヴェルシクSivers'k攻略のためにロシア軍が本格的に動き始めたことになります。
★以上の部分は、ロシア軍の「ヤラセ」による誤情報でした。
(2)トレツクТорецькの市街戦
ウクライナ軍の広報は実に気楽なことを言っています。
トレツクТорецькの郊外にロシア軍が進出したと言っていました。
もう1か月以上前から市街戦が戦われています。
ここも市街戦のため余り前線の位置が変化しません。
それもありロシア側も前線位置の変更が遅れがちです。
ロシア側の報告では、かなり市街地の中心に近い位置までロシア軍が進出しています。
今回の報告では、南側の小さな市街地で報告にある前線位置より、かなり北側までロシア軍の一部部隊が進出したようです。
南側の市街地をロシア軍に制圧されてしまうと、残るのは面積の広い北側の市街地だけになり、ほぼ抵抗は無理になると思います。
(まだ、そうなっていません)
やはりクルスク州侵攻作戦のウクライナ側にとっての悪影響は、東部戦線全域とクピャンスク方面などで出ています。ロシア側にも軍事リソースに限界がありますから、優先順位を決めて中部ドネツクと南部ドネツクを優先して大部隊を投入していますが、そこが一段落したら北部ドネツクも戦闘が激化するかもしれません。
見ているとウクライナ軍が弱体化したために現地にいるロシア軍だけで攻撃しているのではないか・と思える地域もあります。
キエフ政府は、更にクルスク州に兵力を投入するようですからドネツク州でのロシア軍の進撃は、より容易になると思います。ロシア軍にとっては、ありがたいクルスク作戦でしょう。
何故、クルスク作戦に傾注するのか意味が分かりません。
速く、負けようという考えなら分かります❓
ウクライナ国内の強硬派が、どうにもならないのかもしれません。散々、戦争を煽りまくってきたから今更止めることも出来なくなっているのかもしれません。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑦
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27