Hara Blog
2024年04月22日18:55
オチェレチノ ロシア軍が都市の半分を支配
http://hara.livedoor.biz/archives/52338643.html
※オチェレチノ=オケレタイン:Ocheretyne
ブログやメデイアにより地名が3通りにカタカナ表記されます。英語、ロシア語、ウクライナ語のどれかです。
私は、基本的にgoogle mapの表記を使います。記事を読んだ人が地図上で場所を探しやすいからです。
オケレタイン:Ocheretyneの市街の端までロシア軍が突破するスピードは異常に速かったです。わずか数日で航空万能論の管理人の計測によると約3.5km進撃しました。塹壕戦ではありえないスピードです。
ウクライナ軍がベルデイチBerdychiやセメニフカSemenivkaの防衛にここから部隊を移動させたという話もあり、兵士の数が少なくなっていたのかもしれません。この攻撃を実行した部隊です。
ロシア国防省が部隊を編成したらしい(旧ワグネル兵)<ウクライナ紛争2024.4.19
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/08642c674d9367f20cc5649740dbeda6
『ロシア国防省の軍隊で各戦局を請け負っているのは:
ザパト(西部)部隊:クピャンスク~クレメンナヤ地区
ユク(南部)部隊:バフムート地区を主とするドネツク地区
ツェントル(センター)部隊:アウジェエフカ方面
ボストーク(東部)部隊:南ドネツク方面
ドニエプル部隊:ザポリージャ~へルソン方面
新たに登場4月14日
セーベル(北部)部隊』
部隊が所属しているのは、国家親衛隊だと思います。はっきりとは分かりませんが、正規のロシア軍とは別の指揮命令系統の部隊です。
役割は、特殊な特別攻撃部隊だと思います。
通常の戦闘には参加せず、ここ一番で突破したい戦場に投入して最後の突破をするのが任務だと思います。
アウデイーイウカ市街の攻撃の最後に市街北側から突破してあっと言う間に市街北側を西の郊外まで突き抜けたのもこの部隊だと思います。
ロシア軍の部隊としては、あり得ないほど手際が鮮やかだからです。
そんな部隊がロシアにいるとすれば、ワグネル部隊しかありません。
ワグネルの部隊を国家親衛隊に吸収して新規に編成されたのが、上記の各戦闘グループだと思います。
人数は旧ワグネルの兵士の数から概算すると各部隊ごとに3000~5000人程度だと思います。
しかしワグネルの兵士を核にして国家親衛隊から選抜した兵士と組み合わせて編成した部隊だと思いますから、ほぼ他の国にはない強力な突撃部隊です。実戦経験豊富なプロの兵士で構成された部隊など、どこにもありません。
『「ツェントル(中央)」グループのシベリア・ウラル部隊は・・』と書いていますから、この部隊が攻撃を実行したと思います。
市街の端まで進撃したのが17日くらいですから4日くらいで市街の半分を制圧しました。あと4~5日で完全制圧すると思います。
略図
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/battle-of-audiiuka-russian-army-successfully-breaks-through-to-okeletine/
オケレタイン:Ocheretyneは標高の高い位置にあり、このエリアでは最も攻略が難しいと考えられていました。
位置的な重要性が、現在戦闘中のベルデイチBerdychiやセメニフカSemenivkaより、はるかに高いです。
ベルデイチBerdychiやセメニフカSemenivkaは失っても、オケレタイン:Ocheretyneは絶対に失いたくない軍事拠点です。
これでロシア軍はアウデイーイウカ戦線北の標高の高い地域を攻略する足がかりが出来ました。
つまり❓
またウクライナ軍は、陽動作戦の得意なロシア軍に騙されました。
重要度の低い平地にウクライナ軍を引き寄せて、重要度の高いオケレタイン:Ocheretyneを、特殊攻撃部隊を投入して一気に攻め切ったと言うことです。
ベルデイチBerdychiやセメニフカSemenivka、あるいはウマンスキーUmans'ke方面は、ロシア軍がアウデイーイウカ戦線の南と北から西に進撃すると立ち枯れるエリアです。放置しておいても、やがてウクライナ軍は撤退するしかありません。
だからロシア軍は、北の攻めにくい要衝のオケレタイン:Ocheretyneを一気に攻め切りました。後は、徐々に西に進撃すれば、いいことです。
そしてオケレタイン:Ocheretyneから主要ルートH-20を北に攻める足掛かりも得つつあります。
オケレタイン:Ocheretyneから見て東にあるノボカリノベNovokalynoveを現在、攻略中です。
つまり❓
ウクライナ軍は、どっちでもいいゴミ捨て場のような地域にせっせと部隊を集めて防衛戦をしています。
防御の薄い重要拠点を次々に攻略されています。
これを見ていると将軍や参謀のレベルが、ロシア軍の方が格段に優れています。
騙されるのは、常にウクライナ軍だからです。
騙す方が、頭がいいに決まっているでしょう❓
ただでさえ劣勢のウクライナ軍が、こうも簡単に騙されるようでは、ウクライナ軍に勝ち目はありません。
※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次④
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27