歯医者さん
歯医者に行った。先日、食事中に奥歯の詰め物がポロっと取れてしまったのだ。別に痛くはない。ついでに言えば痒くもない。この歯の治療って一体、何年前?50歳代に一度行ったか。40歳代は?10代、20代、30代にはよく歯医者に通った。
30歳代は、会社の近くの歯医者に通い、しょっちゅう予約を忘れて迷惑をかけた。ずいぶんと金もかかったな。しかし困った。痛くなくても、穴が開いたままなのは不快だ。食べ物がそこに詰まったら、不衛生でしょ。
このDentist、歯科医院の前は何度か通った。小ぎれいな外観だ。えい、思い切って入っちゃえ。今日は久しぶりの休みだもんな。時間は気にしなくてよい。まっ、どのくらい料金がかかるのか、聞いてみよ。
保険証はないわけで、この国の治療費がどれほどなのか、見当もつかない。もし歯医者にかかるなら、どの歯医者がよいかを皆に聞き、事情と要望をミャンマー語で書いてもらう。そう考えていたのだが、目の前に歯医者があるので入った。
ミンガラーバー、あれ、誰もいない。いた。受付の机の後ろに、お姉ちゃんが突っ伏して寝ている。15-6の子だが、見事に爆睡。おでこを机の縁にくっつけて、そこだけを支点に寝ているのだが、完全に隠れている。横に立つまで、分からなかった。
感心してどうする。ドアが開いて、声が聞こえたら起きろよ。英語は全く通じない。こっちは全くミャンマー語が分からない。しばらくすると、奥から綺麗なお姉さんが現れた。美人登場。どうなる、この後。
いくらかかり、何回で治るのか?英語で何とか意思疎通を図ると、とにかく見てみましょう、となった。えっ先生は?奥には治療台があり、見慣れたライトにうがい用のコップ。貴方が見るの?先生は?
美人が先生だった。若いな。特に白衣を着ることもなく、口の中の検査が始まった。しかし、この治療台は横になりにくい。首の位置が低いから、首に合わすと腰が窮屈で、首の所を背中にすると、首が不安定だ。
もう一人の女性、こちらは30歳代?が首に涎掛けのようなものをセットした。先生の合図でうがいをしようとすると、涎掛けが治療台を巻き込んで縛っていたため、首が締まる。うがいをしようと、水スペースに近づくと頭が他の治療アームにゴツン。口の中の水を吐き出そうとすると、助手がグイと排水口を遠ざけた。これ、近づけようとして間違えたのね。
ほとんど、治療の補助はやったことがないんでねーの。治療は2回、6万チャットというので、始めることにした。結局5万で済み、助かった。
その後は、普通の歯医者の治療だった。そして最後に型をとって終わり。上下の口の形を粘土のようなもので型取る。ところが、頭の上で二人の話し合いが始まった。ハハーン、さては粘土の在庫が切れているな。案の定、明日また来れますか?となった。いいよ。美人先生に会えるなら。治療費の内、3万チャット払った。粘土が買えないと困るのは自分だ。
翌日、約束の10時半になっても先生は来ない。20分ほど遅れてきて、sorryとおっしゃいますが、悪びれた様子は全然ない。この日は型をとって終わり。
3日後、なかなか立派なかぶせ物が完成している。これを装着して、完了。いやー、美人先生、なかなかの腕だ。あっこの日も20分ほど遅れてきた。今日はsorryはなくてニコっだけ。やっぱ綺麗だ、この先生。でもこんなに患者が来なくて大丈夫?
奥歯に穴の開いた不愉快な状態が、3回3,500円で解消された。おまけに美人の先生で癒されました。また来よって、詰め物取れてもよいぜよ。
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