大龍寺からでは、年4回の新聞を発行しています。
四季折々の行事案内と行事報告に交えて、
行事とは直接関係のない“よろずごと”をお伝えしています。
この新聞で掲載している「大龍寺縁起」を
このブログでも順次掲載していきたいと思います。
山号「起雲山」【さんごう「きうんざん」】
山号とは中国の仏教において、山間部に建立された寺院が、
その寺院を建てた山の名前を寺名に冠したことが始まりです。
もともとインドでは出家僧侶の労働が禁止されていたため
インドのお寺は生産活動をすることがなく、
町に出て托鉢をすることによって食を得ていたそうです。
世縁を絶した「出家修行者」というイメージがありますが、
町から離れすぎないという微妙な距離であったと想像します。
対して、中国の都市部以外に建てられた多くの禅院は、
「作務」と称する労働・生産活動を修行に取り入れたため、
人里離れた山間部にも展開することが出来たのです。
この山間部に建てられた寺院は、
寺名の頭に山の名前(山号)を冠するようになりました。
少林寺拳法で有名な少林寺は嵩山にあるので「嵩山少林寺」、
道元禅師がご修行なさった天童寺は「太白山天童景徳禅寺」のように
「○○山△△寺」とするのが通例の名称となっていきました。
以来、山のない町なかの寺院でも山号を冠することになり、
寺の由緒を現したり、寺名の意味を深める山号を付けているのです。
強大な威神力を持つ龍は、沸き立つ雲と共に現れます。
当山は、「雲沸き起こる山の偉大な龍の棲む寺」となります。
何か不思議な力がありそうな寺名と山号です。
四季折々の行事案内と行事報告に交えて、
行事とは直接関係のない“よろずごと”をお伝えしています。
この新聞で掲載している「大龍寺縁起」を
このブログでも順次掲載していきたいと思います。
山号「起雲山」【さんごう「きうんざん」】
山号とは中国の仏教において、山間部に建立された寺院が、
その寺院を建てた山の名前を寺名に冠したことが始まりです。
もともとインドでは出家僧侶の労働が禁止されていたため
インドのお寺は生産活動をすることがなく、
町に出て托鉢をすることによって食を得ていたそうです。
世縁を絶した「出家修行者」というイメージがありますが、
町から離れすぎないという微妙な距離であったと想像します。
対して、中国の都市部以外に建てられた多くの禅院は、
「作務」と称する労働・生産活動を修行に取り入れたため、
人里離れた山間部にも展開することが出来たのです。
この山間部に建てられた寺院は、
寺名の頭に山の名前(山号)を冠するようになりました。
少林寺拳法で有名な少林寺は嵩山にあるので「嵩山少林寺」、
道元禅師がご修行なさった天童寺は「太白山天童景徳禅寺」のように
「○○山△△寺」とするのが通例の名称となっていきました。
以来、山のない町なかの寺院でも山号を冠することになり、
寺の由緒を現したり、寺名の意味を深める山号を付けているのです。
強大な威神力を持つ龍は、沸き立つ雲と共に現れます。
当山は、「雲沸き起こる山の偉大な龍の棲む寺」となります。
何か不思議な力がありそうな寺名と山号です。
お寺の草創に関わる由緒書などが山内には残っていないため、幕府・明治政府の書き上げなど、山外の史料から推し量りながら記事の連載を進めています。この一偈が命名に関係していたかもしれないと思うと、感慨深いです。
以前教えて下さった永平寺の件も貴重なもので、今後、取り挙げてみたいと思います。
各御寺院さまの縁起は、いつ聞いても勉強になります。参考になりました。貴寺もやはり龍に関係する名前なのですね。
『中阿含経』に「猶如有大龍 興起雲雷電」という一偈もございます。雲と龍、親和性のある語のようです。
また、余談ですが、道元禅師の開いた興聖寺、当初は山号ありませんでした。江戸時代の中興時に、どうやら「仏徳山」と付いた模様です。