佐野洋子著の『役に立たない日々』と出会ったのは、
偶然お邪魔した『passy withひな&Coco』さんのブログに、この本の紹介がアップされており
童話作家である佐野洋子さんの晩年のエッセー集で、その紹介内容に興味をそそり、すぐに本を購入しました。
私は有名人のエッセーは、自分と世界が違うような気がして好んで読まなかったのですが、
加齢になっていく自分に、いつも自問自答していて、何かにせかされるような、それでいて投げやりになったり
支離滅裂な自分を持て余す時もあり、悩んでいたところでしたので、読んで見ることにしました。
ペンタッチは結構きつい文章で、男性的な表現が多いし、淡々とした日々の生活を綴って居るだけなのですが、
それが妙に心地よくて、自分と重ね合わせることが出来、苦笑いしながらグイグイ読んでしまいました。
堂々たる作家さんなのに、その威厳は少しもみせず、むしろ人間味のある思いをベールに包まず
あからさまに書き記している所に、潔さを感じました。
佐野洋子さんはこの著書を書き上げてから、2010年に他界されています。
『私は死ぬのは平気だけど、親しい好きな友だちには絶対死んでほしくない。
死の意味は自分の死ではなく他人の死なのだ』と書き記した佐野さんが、とても好きになりました。
新作は望めませんが、過去の作品を読んで生きる意味をもっと模索したいなーと思います。