日経が「再エネは原発より安い」と一面で異常な肩入れ報道 太陽光の"隠れコスト"を加味しない説には重大な問題あり
2024.12.13(liverty web)
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《ニュース》
日本経済新聞が13日付朝刊一面で、「再生可能エネルギーのコストは原子力発電より安い」とする記事を掲載しましたが、しばしば登場するこの手の説には注意が必要です。
《詳細》
記事では、「米南部ジョージア州で電気代が急騰している」ことを、導入の事例として紹介。その原因は23年7月に同州に新設されたボーグル原発にあるとしています。当初140億ドルとみていた建設費が、安全対策費や人件費、資材価格の高騰などにより倍以上に膨らみ、それが電気代に上乗せされたとしています。
この事例から、「原発は安く、再生可能エネルギーは高いという常識は過去のもの」と指摘。米民間投資会社ラザードの試算を引用し、太陽光発電のコストは2009年から2019年の10年間で、9割減の1メガワット時あたり40ドルに低下。陸上風力も同135ドルから41ドルに低下する一方、原発のコストは同123ドルから155ドルと高くなり、"逆転"したとしています。
記事では、大々的に写真と共に中国の太陽光発電の推進にも言及。習近平国家主席の旗振りで、23年に新設した太陽光発電の設備容量は前年の2.5倍になり、中国の再エネの発電能力比率は50%に達し、日本を上回っているとしています。
ただアメリカで太陽光コストが低下する一方で、日本ではコストが上昇。1キロワット時あたり9.9円と、世界の約2倍の高さであり、陸上風力に関しては約3倍に上るといいます。記事は、「『再エネは安い』という世界の常識が、日本では通用しない」と締めくくり方をしています。
近年、「太陽光発電は安い」といった言説が流布しており、経済産業省も2021年、「太陽光発電の2030年時点のコストが1キロワット時あたりで原発よりも安くなる」との試算を発表しています。ですが、こうした試算が、再生可能エネルギーの抱えるさまざまなコストを無視している点には大きな問題があります。
それ以外にも、以下のように山積みする再エネの問題を素通りしている本記事は、看過することができません。
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