アンチ・トランプ運動に加担した「ディープステート」が大混乱 バイデン政権は「異例の恩赦」で防戦し、批判殺到
2024.12.06(liverty web)
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FBI長官に指名されたパテル氏(画像:Consolidated News Photos / Shutterstock.com)。
《ニュース》
退任を目前にしているバイデン米大統領がこのほど、銃を不法に購入した罪などに問われている息子のハンター氏に「恩赦」を与えたことが、大きな批判を呼んでいます。さらに、ロシア疑惑の追及で一躍有名になった民主党のアダム・シフ次期上院議員や、コロナ対策の責任などで咎められているアンソニー・ファウチ前国立アレルギー感染症研究所所長らにも、「予防的恩赦」を与えるか否かを検討していることが分かり、さらなる非難を招いています。
《詳細》
バイデン氏が恩赦に向けて急速に動き始めたのは、「トランプ次期米大統領が先週末に、元国防総省幹部のカシュ・パテル氏を連邦捜査局(FBI)長官に任命すると発表した」ことと関係しています。
パテル氏は、選挙で選ばれていない国家官僚が権力を不当に行使し、アンチ・トランプ運動にも加担した「ディープステート」の解体を訴えており、共和党が強く問題視する「司法の武器化」などを終わらせる担い手として期待されています。
パテル氏は、2016年の米大統領選をめぐり、トランプ陣営がロシア政府と共謀したという「ロシア疑惑」(後に虚構と判明)に立ち向かったことで注目を浴びました。その後、さまざまな政府機関の妨害を受け、出版が遅れに遅れた同氏の著書『Government Gangsters(政府のギャングたち)』(未邦訳)で、トランプ氏を政治的な意図でもって「魔女狩り」をした連邦政府の現役及び元職員に責任を取らせると宣言していました。
アマゾンなどでベストセラーになっている同書には、「ディープステート打倒のための改革リスト」が記されています。そこには言わば"戦犯リスト"のように、ヒラリー・クリントン元国務長官やマーク・エスパー元国防長官、ウィリアム・バー元司法長官、メリック・ガーランド元司法長官ら、魔女狩りなどに関与した60人の名を列記。トランプ氏を貶める目的で内部情報をリークしたり、同氏の失脚を目論んだりした職員の解雇や、FBI本部をワシントン以外の場所に移転させるなどの具体的な改革を提言しています。
ディープステートの解体を訴えてきたトランプ氏の当選により、アンチ・トランプ運動に関与した人々は、今や大きなパニックに襲われ、訴追を恐れているために、今回バイデン氏側が動かざるを得なくなったと見られます(例えば、"ロシア疑惑の正しさ"を裏付ける書簡に署名した元職員)。
米紙ワシントン・ポストは、トランプ氏を公然と非難し、結果的に民主党と結託したトランプ第1次政権のメンバーも、他国の国籍を申請したり、来年1月20日の就任式前に国を離れたりするのを考えていると報道しています(11月14日付電子版)。
すでに訴追に向けた布石も、打たれています。FBIがハンター氏の犯罪や汚職疑惑をもみ消そうしたのは公然の事実である上に、米下院の委員会は、ロシア疑惑などを捜査した司法省には「反トランプ偏向が見られる」という機密文書を公開。そして、ファウチ氏が当初疑問を呈してきた「コロナの起源は中国の武漢ウィルス研究所」という説についても、それを「支持」する報告書を今月3日までに公表しました。
トランプ次期政権が始動し、FBI新長官が就任すれば、それらに関与したシフ氏やファウチ氏らは、責任を追及されるでしょう。そのためバイデン氏は事前に、息子の疑惑を「恩赦」によってうやむやにし、起訴されていないシフ氏らにも「予防的恩赦」を出す可能性を検討(そのような前例はほとんどない)。しかし一連の行為は、司法の独立を脅かすというトランプ氏に向けた批判が、ブーメランのように返ってくるのは必至です。
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