「行動経済学」(友野典男)読了。
※画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます
現在のメインの経済学は、論理的に説明できる部分に範囲を限定し、
数式でガチガチに理論武装し、科学でございと言っているように感じる。
「経済人」の措定も、その一環だろう。
現実には存在しないが、そのような人物像を設定した上で、
論理的に「このようになるはずだ」と結論を導き出す。
このような営みは、複雑な社会関係を抽象化し、
仮説やモデルを作る上では有意義だと思うのだが、
若干独り歩きしている感じもする。
あくまでも前提を設けた仮説であるはずが、
現実がその通りにいかないことを見て
「現実がおかしい」と言ったり、
あるいは「予想が当たらない、経済学は役に立たない」と一足飛びに言われたりする。
「行動経済学」は、このような現在の経済学に対するアンチテーゼなのだと思う。
「人間は経済人ではない」や「選好が固定的でない」点など、
自然と言えば自然だが、
現在の経済学が理論としての純度を高めるために捨象してきた点を拾っているようだ。
若干、「言ったもの勝ち」感はある。
調査結果から「こう考えられる」と説を挙げているようなのだが、
他の結論にも到達できるだろうし、
その説が誤っているか、検証できないケースも多いように見える。
反証可能性がない、だから科学ではない、と言うこともできそう。
もっとも、「科学」に拘って現実から遊離し
理論ゲームに堕している現在の経済学に対するアンチテーゼなのだから、
気にしなくても良い部分かも知れない。
この本は、論点が列挙されており、良いカタログだと思う。
「進化」に対する考え方など、
内容については首を傾げる点が何点かあるのだが、
「行動経済学」が既存の経済学のどのポイントにツッコミを入れているかは把握できる。
各論点の詳細は、ここで紹介されている本を読んだ方が良いだろう。
まあ、新書としての役割は果たしてしていると思う。
※画像をクリックすると「楽天」のページに飛びます
現在のメインの経済学は、論理的に説明できる部分に範囲を限定し、
数式でガチガチに理論武装し、科学でございと言っているように感じる。
「経済人」の措定も、その一環だろう。
現実には存在しないが、そのような人物像を設定した上で、
論理的に「このようになるはずだ」と結論を導き出す。
このような営みは、複雑な社会関係を抽象化し、
仮説やモデルを作る上では有意義だと思うのだが、
若干独り歩きしている感じもする。
あくまでも前提を設けた仮説であるはずが、
現実がその通りにいかないことを見て
「現実がおかしい」と言ったり、
あるいは「予想が当たらない、経済学は役に立たない」と一足飛びに言われたりする。
「行動経済学」は、このような現在の経済学に対するアンチテーゼなのだと思う。
「人間は経済人ではない」や「選好が固定的でない」点など、
自然と言えば自然だが、
現在の経済学が理論としての純度を高めるために捨象してきた点を拾っているようだ。
若干、「言ったもの勝ち」感はある。
調査結果から「こう考えられる」と説を挙げているようなのだが、
他の結論にも到達できるだろうし、
その説が誤っているか、検証できないケースも多いように見える。
反証可能性がない、だから科学ではない、と言うこともできそう。
もっとも、「科学」に拘って現実から遊離し
理論ゲームに堕している現在の経済学に対するアンチテーゼなのだから、
気にしなくても良い部分かも知れない。
この本は、論点が列挙されており、良いカタログだと思う。
「進化」に対する考え方など、
内容については首を傾げる点が何点かあるのだが、
「行動経済学」が既存の経済学のどのポイントにツッコミを入れているかは把握できる。
各論点の詳細は、ここで紹介されている本を読んだ方が良いだろう。
まあ、新書としての役割は果たしてしていると思う。